スイッチ

book bear

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「おばあちゃん!しっかり!」

体を揺さぶりながら声をかけたけど全く返事がない。

表情は苦しみに歪んでいて、呼吸も荒い。

僕はパニックになってしまい5分ほどおろおろしてようやく119に連絡した。

「あの・・・おばあちゃんが!・・・どうしよう、倒れてるんです!来てください!」

パニックになっていた僕は自分で何を言っていたのかも覚えていない、気づいたときには病院にいて、祖母は入院する事になり、自分の気持ちの整理がつかないまま事が進んで行った。

しばらくして、落ち着きを取り戻した僕は医者から祖母の容態の説明を受けることとなった。

先生はとても優しそうな雰囲気で、ゆっくりと説明をしてくれた。

「まず、結論からいうと風邪をこじらせたみたいでね」

「・・・風邪ですか?」

僕は心底安堵した。

ただ年寄だから風邪で倒れただけだったのか。
安心したとたん力が抜けてきた。
しかし、この安心感は先生の一言で消え去ってしまった。

「風邪は風邪なんだが、重症化しかけてるみたいでね、油断はできないんだよ。

とりあえず、入院させて経過を見たほうがいい」

油断はできない、その言葉は僕の心の奥深くに沈み、胸が苦しくなった。

この先、どうなるんだろう。

もし、おばあちゃんが居なくなってしまったら僕は一人・・・・・。

そんなの、考えられない。

僕はまだ中学2年なのに、どうやって生きていけばいいのか。

一生孤独のまま生きなければならないのか。

僕はこの日、家に帰り少しだけ眠ったのだが悪夢にうなされて心は全く休まらなかった。

それから3日後、祖母の容態が悪化したと病院から連絡を受けた。




僕はいよいよ一人ぼっちになるのかな。





病室につくと、祖母の意識は朦朧としていて会話が出来そうな様子では無かった。

だけど、僕は祖母の手を握り、声をかけ続けた。

「おばあちゃん、今日ここに来る途中に桜が咲いてたよ。

とても綺麗だった。早く元気になって一緒に見に行こうよ。きっとすぐ良くなるから」

僕は自分に言い聞かせるようにずっと大丈夫、大丈夫と祖母の手を握りながら声をかけ続けた。






それから3時間後、祖母は亡くなった。







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