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打ち上げ花火
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打ち上げ花火がはじまるとアナウンスが入ると、周りの人たちは確保していた持ち場へとぞろぞろと向かい始める。
人の流れに揉まれる中、はぐれないようにしっかりと愛弓の手を握りしめていた。
一矢達は席を確保していたわけではないので適当なところを探して腰掛けた。
どこも寿司詰め状態なので他人との距離も近く、窮屈感があった。
だが、そのおかげで愛弓との距離もかなり近くなっていた。肩が密着し、一矢の鼓動は高まっていた。
愛弓にも鼓動が聞こえてしまうのではないかとヒヤヒヤしたが、どうやら愛弓には伝わってなさそうだった。
席に着くと愛弓と繋いでいた手は離されてしまった。
それもそうだ、もう逸れる心配がないのだから。
一矢はほっとした気持ちもあるが、もっと繋いでいたかったという落胆の気持ちもあった。
「楽しみだね!」
花火を綺麗に見るための配慮で辺りの電気は消灯されていて暗闇に包まれる中、愛弓は一矢の顔を見て言った。
愛弓の顔はよく見えないが、彼女の吐息がかかることですぐそこに愛弓の顔があることがわかる。
幼馴染とはいえ、流石にここまで距離を詰めたことがない一矢は、緊張と人が密集している蒸し暑さで汗が止まらなかった。
「ねぇ、聞いてる?楽しみじゃないの?」
そう言われて一矢は返事をしていなかったことに気づく。
だめだ、今日は全然冷静でいられない。
まるで自分が自分ではないような、そんな気持ちになっていた。
「いや、すごく楽しみだよ」
愛弓の方を向いて言った。
それと同時に打ち上げ花火が上がり。
客達の感嘆の声が漏れる。
明るくなった拍子に愛弓の顔がぼんやりと見えた。
一瞬目が合い、一矢は気まずくて視線を花火へと向けた。
打ち上げ花火が上がる度に視界の横で見える愛弓の笑顔はとても美しかった。
今日みる物すべての中で一番輝いているのは愛弓、君だ。
時折こっちを向いて綺麗だねと言ったときの笑顔は
一瞬の美を全力で放つ花火よりも綺麗だった。
--------------------------------------------------
花火が終わり、人がぞろぞろと帰っていく中、二人はじっと花火の余韻に浸っていた。
一矢が人が減ってからの方が動きやすいからと言って待つことにしたのだ。
しばらく無言の時間が流れ、人もまばらになってきた頃。
一矢は告白するなら今だと思った。
「あのさ、愛弓、今日楽しかった?」
緊張してどう話を持っていこうか悩みながら一矢は言った。
「うん!こんな綺麗な花火は初めてだったとても楽しかった」
「そうか、良かった」
話があるんだ、そう切り出したかった。
だが、緊張していてなかなか勇気が振り絞れない。
あと5秒経てば言うぞ!とカウントするも0になったときやっぱりあと3秒と先延ばしにしてしまう。
そんなふうにして時間は過ぎていき、愛弓が一言
「3人で来れたら良かったのにね」
と言った。
愛弓は悪気があったわけではなく、弦希も見れたら良かったのにと言いたかったのだろう。
しかし、一矢はそうとは捉えなかった。
僕に気がないからきっとそういう言葉が出たんだろうと思った。
気があるなら今日という日を二人で過ごせたことで満足し、今の言葉は出なかっただろうと思った。
告白はやめよう、きっと告白してしまえば気まずくなり3人の関係が崩れてしまう。
告白出来なかった後悔よりも3人の絆の方が大事だと一矢は思った。
「そろそろ行こっか」
そう言った愛弓の笑顔は少しだけ寂しそうにも見えたのだが、一矢はそこに意味があるとは気づかずそのまま二人の夏は終わってしまった。
人の流れに揉まれる中、はぐれないようにしっかりと愛弓の手を握りしめていた。
一矢達は席を確保していたわけではないので適当なところを探して腰掛けた。
どこも寿司詰め状態なので他人との距離も近く、窮屈感があった。
だが、そのおかげで愛弓との距離もかなり近くなっていた。肩が密着し、一矢の鼓動は高まっていた。
愛弓にも鼓動が聞こえてしまうのではないかとヒヤヒヤしたが、どうやら愛弓には伝わってなさそうだった。
席に着くと愛弓と繋いでいた手は離されてしまった。
それもそうだ、もう逸れる心配がないのだから。
一矢はほっとした気持ちもあるが、もっと繋いでいたかったという落胆の気持ちもあった。
「楽しみだね!」
花火を綺麗に見るための配慮で辺りの電気は消灯されていて暗闇に包まれる中、愛弓は一矢の顔を見て言った。
愛弓の顔はよく見えないが、彼女の吐息がかかることですぐそこに愛弓の顔があることがわかる。
幼馴染とはいえ、流石にここまで距離を詰めたことがない一矢は、緊張と人が密集している蒸し暑さで汗が止まらなかった。
「ねぇ、聞いてる?楽しみじゃないの?」
そう言われて一矢は返事をしていなかったことに気づく。
だめだ、今日は全然冷静でいられない。
まるで自分が自分ではないような、そんな気持ちになっていた。
「いや、すごく楽しみだよ」
愛弓の方を向いて言った。
それと同時に打ち上げ花火が上がり。
客達の感嘆の声が漏れる。
明るくなった拍子に愛弓の顔がぼんやりと見えた。
一瞬目が合い、一矢は気まずくて視線を花火へと向けた。
打ち上げ花火が上がる度に視界の横で見える愛弓の笑顔はとても美しかった。
今日みる物すべての中で一番輝いているのは愛弓、君だ。
時折こっちを向いて綺麗だねと言ったときの笑顔は
一瞬の美を全力で放つ花火よりも綺麗だった。
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花火が終わり、人がぞろぞろと帰っていく中、二人はじっと花火の余韻に浸っていた。
一矢が人が減ってからの方が動きやすいからと言って待つことにしたのだ。
しばらく無言の時間が流れ、人もまばらになってきた頃。
一矢は告白するなら今だと思った。
「あのさ、愛弓、今日楽しかった?」
緊張してどう話を持っていこうか悩みながら一矢は言った。
「うん!こんな綺麗な花火は初めてだったとても楽しかった」
「そうか、良かった」
話があるんだ、そう切り出したかった。
だが、緊張していてなかなか勇気が振り絞れない。
あと5秒経てば言うぞ!とカウントするも0になったときやっぱりあと3秒と先延ばしにしてしまう。
そんなふうにして時間は過ぎていき、愛弓が一言
「3人で来れたら良かったのにね」
と言った。
愛弓は悪気があったわけではなく、弦希も見れたら良かったのにと言いたかったのだろう。
しかし、一矢はそうとは捉えなかった。
僕に気がないからきっとそういう言葉が出たんだろうと思った。
気があるなら今日という日を二人で過ごせたことで満足し、今の言葉は出なかっただろうと思った。
告白はやめよう、きっと告白してしまえば気まずくなり3人の関係が崩れてしまう。
告白出来なかった後悔よりも3人の絆の方が大事だと一矢は思った。
「そろそろ行こっか」
そう言った愛弓の笑顔は少しだけ寂しそうにも見えたのだが、一矢はそこに意味があるとは気づかずそのまま二人の夏は終わってしまった。
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