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7年振りの再会
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二人はそれぞれの想いを胸に、母そして恩師に会いにきていた。
二人は緊張してインターホンを直ぐには押せなかった。
湊音の申し訳ないという気持ちと凛音の母と寄りを戻したいという思いの重さが二人に躊躇いを生んでしまっていた。
凛音は一つ、深呼吸をした。
そしてインターホンを押す。
家の中からインターホンの音が聞こえてきた。
押した瞬間から時間がゆっくり流れているように感じかなりの時間を待たされたような感覚に陥っていた。
ガチャという電子音が鳴り千早希の声が訪ねる。
「どちらさま?」
「お母さん、ただいま」
「凛音?ちょっと待ってなさい」
またガチャと音を立てて切れた。
それから少しして玄関の灯りが灯り、家の中から千早希が出てきた。
凛音と湊音の姿を見た千早希は状況が理解できずその場に立ち尽くす。
「先生、お久しぶりです今日は話があって伺わせて頂きました」
「あがりなさい」
表情の読めない口調で千早希は言った。
凛音はこんなにも重たい気持ちで実家に帰ってきたのは初めてかもしれない。
そう思わせるだけの重苦しい雰囲気が母から感じ取れた。
それだけ湊音がやったことは母を傷つけたのかもしれない。
リビングに通され、二人は母と向き合う形で席に着いた。
お茶すら出さない様子からその場の張り詰めた空気が伺える。
「まず、あなたたちどうやって知り合ったの?」
「たまたま駅にいた時に宮藤さんのピアノが聴こえてきまして、それが先生の演奏に似てたから声をかけたんです。
それがきっかけです」
「そう、で話というのは?」
かなり緊張しているのだろう。
湊音の表情は固まっていた。
「はい、7年前の事を謝罪したいと思って来ました。
今更だということは分かっています。
先生の指導を無駄にしてしまった事、そして報告もせず突然ピアニストを辞めたことを申し訳ないと思っています」
千早希はため息をついた。
「まず、あなたがピアニストをやめたことに関してはあなたの自由です。
私はピアニストとして送り出すまでが仕事なのでそれ以降に関して一切文句はありません。
だから謝罪の言葉は必要はないです。
ただ、ピアニストとして相応しくない行いをしたあなたには失望しました。
あなたが謝るべき相手はあなたのファンだった人達ではないんですか?
少し考えたらわかることでしょう?」
湊音は言葉が出なかった。
恩師の言う通りだ。
自分は見当違いな事をしている。
そんな事を言われるまで分かっていない情けなさを感じ卑下していた。
それもそのはず湊音はファンの為に演奏していた訳ではなかった。
だからファンの事は全く頭になかったのだ。
湊音ある一人の人に対して演奏をしていたのだ。
黙っていた湊音を見て千早希は言った。
「あなたはこれからどうしていくべきなのか、少し考えておきなさい。
話は以上よ」
重たい空気の中二人は家を追い出されるように出てきた。
「僕のせいで凛音さんの気持を伝えるタイミング逃してしまいましたね、すいません」
「いえ、機会はまた見つけるので大丈夫ですよ」
それから会話は止まり気まずい空気が流れた。
「じゃあ、今日はありがとうございました」
湊音はそう言って頭を下げた。
「いえ、こちらこそ」
重たい空気のまま解散した。
もうこれっきり湊音と会うことはないんだろうなと凛音は思った。
二人は緊張してインターホンを直ぐには押せなかった。
湊音の申し訳ないという気持ちと凛音の母と寄りを戻したいという思いの重さが二人に躊躇いを生んでしまっていた。
凛音は一つ、深呼吸をした。
そしてインターホンを押す。
家の中からインターホンの音が聞こえてきた。
押した瞬間から時間がゆっくり流れているように感じかなりの時間を待たされたような感覚に陥っていた。
ガチャという電子音が鳴り千早希の声が訪ねる。
「どちらさま?」
「お母さん、ただいま」
「凛音?ちょっと待ってなさい」
またガチャと音を立てて切れた。
それから少しして玄関の灯りが灯り、家の中から千早希が出てきた。
凛音と湊音の姿を見た千早希は状況が理解できずその場に立ち尽くす。
「先生、お久しぶりです今日は話があって伺わせて頂きました」
「あがりなさい」
表情の読めない口調で千早希は言った。
凛音はこんなにも重たい気持ちで実家に帰ってきたのは初めてかもしれない。
そう思わせるだけの重苦しい雰囲気が母から感じ取れた。
それだけ湊音がやったことは母を傷つけたのかもしれない。
リビングに通され、二人は母と向き合う形で席に着いた。
お茶すら出さない様子からその場の張り詰めた空気が伺える。
「まず、あなたたちどうやって知り合ったの?」
「たまたま駅にいた時に宮藤さんのピアノが聴こえてきまして、それが先生の演奏に似てたから声をかけたんです。
それがきっかけです」
「そう、で話というのは?」
かなり緊張しているのだろう。
湊音の表情は固まっていた。
「はい、7年前の事を謝罪したいと思って来ました。
今更だということは分かっています。
先生の指導を無駄にしてしまった事、そして報告もせず突然ピアニストを辞めたことを申し訳ないと思っています」
千早希はため息をついた。
「まず、あなたがピアニストをやめたことに関してはあなたの自由です。
私はピアニストとして送り出すまでが仕事なのでそれ以降に関して一切文句はありません。
だから謝罪の言葉は必要はないです。
ただ、ピアニストとして相応しくない行いをしたあなたには失望しました。
あなたが謝るべき相手はあなたのファンだった人達ではないんですか?
少し考えたらわかることでしょう?」
湊音は言葉が出なかった。
恩師の言う通りだ。
自分は見当違いな事をしている。
そんな事を言われるまで分かっていない情けなさを感じ卑下していた。
それもそのはず湊音はファンの為に演奏していた訳ではなかった。
だからファンの事は全く頭になかったのだ。
湊音ある一人の人に対して演奏をしていたのだ。
黙っていた湊音を見て千早希は言った。
「あなたはこれからどうしていくべきなのか、少し考えておきなさい。
話は以上よ」
重たい空気の中二人は家を追い出されるように出てきた。
「僕のせいで凛音さんの気持を伝えるタイミング逃してしまいましたね、すいません」
「いえ、機会はまた見つけるので大丈夫ですよ」
それから会話は止まり気まずい空気が流れた。
「じゃあ、今日はありがとうございました」
湊音はそう言って頭を下げた。
「いえ、こちらこそ」
重たい空気のまま解散した。
もうこれっきり湊音と会うことはないんだろうなと凛音は思った。
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