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第二章
番外「手の甲に敬愛のキス」
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長くてすみません。番外編なのに長くなりました。本編では書ききれなかったエピソード入れてます。
2分割です。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
サンルームに、移動してから1日の流れが感じ取れるようになった。
子供が生まれてからは、
空いていた隣の部屋を子供部屋にして、
ベビーベッドを置いた。ここで長い時間を過ごすことも多い。
ルシアと違い、クライヴは、外で仕事に出かけることがある。
公爵として領地の管理の他、時には王城に呼ばれることもあるらしい。
この時代で、ルシアが過ごすようになってからも、彼は定期的に外へ出かけていた。
時折ふらっといなくなり、気づけば戻っていたし、あまり詮索すべきではないとあのころは思っていた。
話してくれたのは、結婚してからだ。
公爵として領地を任されている彼はれっきとした貴族であって、ただの黒魔術師ではないのだ。
外へ出かける際は、貴族的な装いになる。
ため息が盛れるほど、美しく気品があって、
ルシアは打ち震えているが、当の本人は照れくさそうだ。
帰城するとすぐに黒魔術師の服装に着替えてしまう。
城内を歩きながら、たわいない会話をするのも常だ。
廊下には時を刻むものが、壁にかけられている。
秒針が、動き1分、一刻を教えてくれる便利な時計というものは、
クライヴの生まれたこの時代に、作られたものだ。
ルシアがいた時代では、日が昇り落ちることで時間を測っていた。
庭園で、時間を計っていたのと同じように。
「便利ですよね」
「そうだな。改装工事で取り付けたのはよかった」
「……ねえ、クライヴ? 魔術師がいるのなら、魔法に関連した不思議な場所もありますか? 」
「……この領地は、そういうのだらけだが」
ルシアはクライヴに、あっさりと返され、
ふと思いついたことを口にした。
クライヴは、フェアウェル公爵だ。
元の生家は、おとり潰しになり、領地は国へと返還されたらしく、彼が新たに賜ったのは、
別の土地だった。広大な領地・フェアウェル。
フェアウェルは、別れを意味している。
「フェアウェル公爵領って、さみしい名前ですよね」
「俺に似合いだろ。ルシアもフェアウェル公爵夫人になってしまったが」
苦笑する夫に、ルシアは小さく笑った。
「私達は別れませんもの」
「そりゃ、そうだな」
別れだなんて、名前のついた土地を与えられるなんて、何の皮肉だろう。
この領地に、クライヴの両親は弔われているのだろうか。何か思案しているのが、
顔に出ていたのか、クライヴが、上から見下ろしてきた
。踵の高い靴を履いても、彼との身長差は、補えない。
ルシアが古い時代の人間だから、小柄というわけではなく
クライヴによればこの時代の女性の平均身長より高めなのだが、クライヴが長身すぎるのだ。
「どうした? 」
「ご両親のお墓は、あるんでしょうか」
「一応な。この領地内に作ったよ。
お飾りのようなもので、墓だけだが」
「……クライヴ、水くさいじゃないですか。
私達は結婚したんですよ……連れてってください」
「……ずっと、考えていたけれどできなかった」
彼が、父母を自らの手にかけたことをルシアは知っている。
前に聞いた時、彼は自分をさらに痛めつけるような表情をしていた。
「……罪の意識があったから弔ったのではないの? 」
ふいに、顎を捉えられる。間近から、紺碧の眼差しに見つめられ、ぞくっとした。
「……じゃあ、いくか」
「いいんですか」
「お前は、俺の妻だからな」
手を繋がれて、微笑んだ。いつだって、ルシアの願いを退けたことがない。
愛し合うように、なって、時を重ねて彼は更に甘くなった。
そんなクライヴに対し、ルシアは真っ直ぐな愛情を返す。きっと、愛に飢えてきた人だから、
ありったけの愛を注ぎあおう。一方的ではなく。
「お墓参りに行ってくる間、アルフのこと、どうしましょう? 」
「……アルフはまだ赤子で、ホークスでは役に立たないかもしれないから、ケルベロスでも呼ぶか」
「地獄の番犬ですよ」
「大丈夫だ。人間世界の犬に化けれるから」
「……それは、すごい」
「本物の犬より、使えるだろう」
クライヴが、口笛を吹くと、ホークスが現れた。彼の使い魔である鷹に似た魔物である。
ホークスは、羽音を立てて、2人の前に舞い降りた。
「ホークス、ケルベロスを呼んできてくれないか。子供の面倒を見てほしいんだ」
クライヴは、魔物の言葉を理解できるわけではない。
ホークスが、主人であるクライヴの言葉を理解しているのだ。よく懐いていると思う。
ケルベロスの場合は、魔物といっても使いまでにできるレベルの存在ではないため、
人と会話をすることができるのだ。
もっとも、クライヴに一目いちもく置いているから、会話に応じている部分もあるが。
ルシアは、クライヴのおこぼれに預かっていると思っている。
「さあ。いけ」
ホークスは、魔界へのゲートへと向かっていった。
ルシアとクライヴが、出かける支度をし終わった頃、ホークスが戻ってきた。
後ろからやってくるのは、ケルベロスらしき、獣だ。
少しサイスが小さい気がする。
『 ルシア、久し振りだな』
「ケルベロスさん、犬になってくれたんですね」
「怒るな。ルシアの言葉には他意がない」
『貴様に言われずともわかっている』
すっとぼけたルシアの言葉に、機嫌を悪くすることなく、ケルベロスは愛想よく尻尾を振った。
ふわふわの体をルシアに擦り寄せてくる。
「おい」
『私は犬だが。そして、ルシアは主だ』
ケルベロスは、ぺろり、とルシアの手を舐める。
くすぐったくて笑っていたら、ますますクライヴは、不機嫌になった。
それに、気づかずルシアは、背をかがめて、ケルベロスに視線を合わせる。
「今日はありがとうございます。
主なんて恐れ多いですが、来てくださって嬉しいです」
『 他ならぬルシアの頼みなら致し方あるまい』
「ルシア、お前は俺の存在関係なく、地獄の番犬に気に入られているんだぞ。すごいことだ」
面白くなさそうな様子が、伝わってきて、
きょとんと首を傾げる。
「ヤキモチ妬かなくても」
『そうじゃない、この小僧は、私に嫉妬しているのだ』
ケルベロスは、うるうると瞳を潤ませてルシアを見上げた。
たまらなくなって、手を伸ばした彼女に、ケルベロスは、自ら頭を擦り寄せた。
「黙れ。誇り(プライド)はどうした? 」
「クライヴ、ケルベロスさんは、アルフの子守りに来てくださったんですよ。お礼を言ってください」
せっかく来てくれたケルベロスに、無礼な態度を取り続ける
クライヴ。何が彼を苛立たせているのか、ルシアには検討もつかなかった。
ケルベロスは、男ではなく、雄だ。
魔物に、嫉妬心を抱くなんて、
そんな、可愛らしい人だったのか。
「……感謝している」
半ば、むすっ、としているクライヴに、ルシアは心の中で
吹き出していた。
『ふむ。あ、ルシア、首の下をかいてくれ。この姿になった途端、痒くて仕方がない」
「これで、いいですか」
そーろりと、胸のあたりを撫でると、ケルベロスは満足そうに、吠えた。犬の鳴き声で。
「か、可愛い!」
「ケルベロス、アルフはこの部屋で寝ている。ぐずったら、優しくあやしてくれ。
お腹が空いたら、ミルクを温めてやってほしい」
クライヴは、虫の好かない様子で、アルフの子供部屋を開けた。
『わかった』
「よろしくお願いしますね。用事がすんだら帰りますので、一緒にご飯食べましょ」
『待っているぞ』
「おい、わんこ、頭を撫でてやろうか。
首の下をモフれば気持ちいいんだったか」
ルシアは、子供部屋の中で、アルフを抱き上げて頭を撫でていた。
後ろでは、一児の父親が、大人げない態度で、地獄の番犬と
対峙していた。ルシアには聞こえていないのをいいことに。
悪ノリしているケルベロスに、ノってみたクライヴだったが、
『それは、ルシアの役目だ。ライアン・クライヴの気持ちだけは受け止めておこう』
至極真面目な調子で、返された。クライヴは、無言を貫く。
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サンルームに、移動してから1日の流れが感じ取れるようになった。
子供が生まれてからは、
空いていた隣の部屋を子供部屋にして、
ベビーベッドを置いた。ここで長い時間を過ごすことも多い。
ルシアと違い、クライヴは、外で仕事に出かけることがある。
公爵として領地の管理の他、時には王城に呼ばれることもあるらしい。
この時代で、ルシアが過ごすようになってからも、彼は定期的に外へ出かけていた。
時折ふらっといなくなり、気づけば戻っていたし、あまり詮索すべきではないとあのころは思っていた。
話してくれたのは、結婚してからだ。
公爵として領地を任されている彼はれっきとした貴族であって、ただの黒魔術師ではないのだ。
外へ出かける際は、貴族的な装いになる。
ため息が盛れるほど、美しく気品があって、
ルシアは打ち震えているが、当の本人は照れくさそうだ。
帰城するとすぐに黒魔術師の服装に着替えてしまう。
城内を歩きながら、たわいない会話をするのも常だ。
廊下には時を刻むものが、壁にかけられている。
秒針が、動き1分、一刻を教えてくれる便利な時計というものは、
クライヴの生まれたこの時代に、作られたものだ。
ルシアがいた時代では、日が昇り落ちることで時間を測っていた。
庭園で、時間を計っていたのと同じように。
「便利ですよね」
「そうだな。改装工事で取り付けたのはよかった」
「……ねえ、クライヴ? 魔術師がいるのなら、魔法に関連した不思議な場所もありますか? 」
「……この領地は、そういうのだらけだが」
ルシアはクライヴに、あっさりと返され、
ふと思いついたことを口にした。
クライヴは、フェアウェル公爵だ。
元の生家は、おとり潰しになり、領地は国へと返還されたらしく、彼が新たに賜ったのは、
別の土地だった。広大な領地・フェアウェル。
フェアウェルは、別れを意味している。
「フェアウェル公爵領って、さみしい名前ですよね」
「俺に似合いだろ。ルシアもフェアウェル公爵夫人になってしまったが」
苦笑する夫に、ルシアは小さく笑った。
「私達は別れませんもの」
「そりゃ、そうだな」
別れだなんて、名前のついた土地を与えられるなんて、何の皮肉だろう。
この領地に、クライヴの両親は弔われているのだろうか。何か思案しているのが、
顔に出ていたのか、クライヴが、上から見下ろしてきた
。踵の高い靴を履いても、彼との身長差は、補えない。
ルシアが古い時代の人間だから、小柄というわけではなく
クライヴによればこの時代の女性の平均身長より高めなのだが、クライヴが長身すぎるのだ。
「どうした? 」
「ご両親のお墓は、あるんでしょうか」
「一応な。この領地内に作ったよ。
お飾りのようなもので、墓だけだが」
「……クライヴ、水くさいじゃないですか。
私達は結婚したんですよ……連れてってください」
「……ずっと、考えていたけれどできなかった」
彼が、父母を自らの手にかけたことをルシアは知っている。
前に聞いた時、彼は自分をさらに痛めつけるような表情をしていた。
「……罪の意識があったから弔ったのではないの? 」
ふいに、顎を捉えられる。間近から、紺碧の眼差しに見つめられ、ぞくっとした。
「……じゃあ、いくか」
「いいんですか」
「お前は、俺の妻だからな」
手を繋がれて、微笑んだ。いつだって、ルシアの願いを退けたことがない。
愛し合うように、なって、時を重ねて彼は更に甘くなった。
そんなクライヴに対し、ルシアは真っ直ぐな愛情を返す。きっと、愛に飢えてきた人だから、
ありったけの愛を注ぎあおう。一方的ではなく。
「お墓参りに行ってくる間、アルフのこと、どうしましょう? 」
「……アルフはまだ赤子で、ホークスでは役に立たないかもしれないから、ケルベロスでも呼ぶか」
「地獄の番犬ですよ」
「大丈夫だ。人間世界の犬に化けれるから」
「……それは、すごい」
「本物の犬より、使えるだろう」
クライヴが、口笛を吹くと、ホークスが現れた。彼の使い魔である鷹に似た魔物である。
ホークスは、羽音を立てて、2人の前に舞い降りた。
「ホークス、ケルベロスを呼んできてくれないか。子供の面倒を見てほしいんだ」
クライヴは、魔物の言葉を理解できるわけではない。
ホークスが、主人であるクライヴの言葉を理解しているのだ。よく懐いていると思う。
ケルベロスの場合は、魔物といっても使いまでにできるレベルの存在ではないため、
人と会話をすることができるのだ。
もっとも、クライヴに一目いちもく置いているから、会話に応じている部分もあるが。
ルシアは、クライヴのおこぼれに預かっていると思っている。
「さあ。いけ」
ホークスは、魔界へのゲートへと向かっていった。
ルシアとクライヴが、出かける支度をし終わった頃、ホークスが戻ってきた。
後ろからやってくるのは、ケルベロスらしき、獣だ。
少しサイスが小さい気がする。
『 ルシア、久し振りだな』
「ケルベロスさん、犬になってくれたんですね」
「怒るな。ルシアの言葉には他意がない」
『貴様に言われずともわかっている』
すっとぼけたルシアの言葉に、機嫌を悪くすることなく、ケルベロスは愛想よく尻尾を振った。
ふわふわの体をルシアに擦り寄せてくる。
「おい」
『私は犬だが。そして、ルシアは主だ』
ケルベロスは、ぺろり、とルシアの手を舐める。
くすぐったくて笑っていたら、ますますクライヴは、不機嫌になった。
それに、気づかずルシアは、背をかがめて、ケルベロスに視線を合わせる。
「今日はありがとうございます。
主なんて恐れ多いですが、来てくださって嬉しいです」
『 他ならぬルシアの頼みなら致し方あるまい』
「ルシア、お前は俺の存在関係なく、地獄の番犬に気に入られているんだぞ。すごいことだ」
面白くなさそうな様子が、伝わってきて、
きょとんと首を傾げる。
「ヤキモチ妬かなくても」
『そうじゃない、この小僧は、私に嫉妬しているのだ』
ケルベロスは、うるうると瞳を潤ませてルシアを見上げた。
たまらなくなって、手を伸ばした彼女に、ケルベロスは、自ら頭を擦り寄せた。
「黙れ。誇り(プライド)はどうした? 」
「クライヴ、ケルベロスさんは、アルフの子守りに来てくださったんですよ。お礼を言ってください」
せっかく来てくれたケルベロスに、無礼な態度を取り続ける
クライヴ。何が彼を苛立たせているのか、ルシアには検討もつかなかった。
ケルベロスは、男ではなく、雄だ。
魔物に、嫉妬心を抱くなんて、
そんな、可愛らしい人だったのか。
「……感謝している」
半ば、むすっ、としているクライヴに、ルシアは心の中で
吹き出していた。
『ふむ。あ、ルシア、首の下をかいてくれ。この姿になった途端、痒くて仕方がない」
「これで、いいですか」
そーろりと、胸のあたりを撫でると、ケルベロスは満足そうに、吠えた。犬の鳴き声で。
「か、可愛い!」
「ケルベロス、アルフはこの部屋で寝ている。ぐずったら、優しくあやしてくれ。
お腹が空いたら、ミルクを温めてやってほしい」
クライヴは、虫の好かない様子で、アルフの子供部屋を開けた。
『わかった』
「よろしくお願いしますね。用事がすんだら帰りますので、一緒にご飯食べましょ」
『待っているぞ』
「おい、わんこ、頭を撫でてやろうか。
首の下をモフれば気持ちいいんだったか」
ルシアは、子供部屋の中で、アルフを抱き上げて頭を撫でていた。
後ろでは、一児の父親が、大人げない態度で、地獄の番犬と
対峙していた。ルシアには聞こえていないのをいいことに。
悪ノリしているケルベロスに、ノってみたクライヴだったが、
『それは、ルシアの役目だ。ライアン・クライヴの気持ちだけは受け止めておこう』
至極真面目な調子で、返された。クライヴは、無言を貫く。
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