甘く残酷な支配に溺れて~上司と部下の秘密な関係~

雛瀬智美

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第10話「君のことは絶対に逃がさない」

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午前7時、目を覚ました私は誘われるようにダイニングへ向かった。
私に用意してくれていた部屋は、床にマットレスが置いてあり
夏用の布団が敷かれていてとても快適でよく眠れた。
彼と一緒の部屋ではないのは少し寂しく思った。
(しょうがないんだけど。くっついて眠るだけでも安心するのは私だけかな。)
「慧一さん、おはようございます」
「おはよう? よく眠れたかな。
ご飯できてるから手を洗っておいで」
さわやかな笑顔に昨日の彼の面影はどこにもない。
激しくてどこか苦しそうな姿は、私を試して
レッスンと言い出した慧一さんとはまるで別人だった。
(きっととても誠実な人だから苦しんでいる)
手を洗いダイニングに戻ると慧一さんが向かいの椅子を引いてくれた。
テーブルに並べられた朝食は、和食で彩りも豊かで
健康を意識したメニューで、食欲をそそられる。
「昨日はごめん。怖かったよね……。
俺は33歳の男だけど……君を愛する人間なのだと思い知らされた。
愚かなくらいに」
「慧一さん?」
「愛のレッスンはもうやめるよ。
優香みたいな純真な子に対してふざけすぎだった。
許してくれるかな……?」
慧一さんは、罪悪感をにじませた瞳をしていた。
「愛のレッスンはさすがに戸惑ってたけど……、
私、あなたに触れられるのは好きなの。
いつももっと触れてほしくなる」
胸に手を押し当てると、とくんと心臓がひとつ鳴った。
「それは本気で言ってるの? 無理してるんじゃなくて」
「無理なんてしてないわ。
あなたは愛もないのにそういうことしないでしょ?」
「……そうだね。さあ、食事にしよう」
慧一さんは、目をすがめてこちらを見つめ小さく笑った。
食事を終えて一時間後、リビングのソファーでコーヒーを飲んでいた。
「今日はどうしようかな。せっかくの休みに君と一緒だし……」
「慧一さんとどこかにお出かけしたいです」
肩を抱かれ、右手で髪を梳かれた。
「うん。いいね。映画でも見に行こうか。
今はスマホで予約すれば端末でチケットを発券できるし便利だよね」
慧一さんはスマホで映画館のウェブサイトを開く。
私に見せてくれ、どの映画を観るか決めた。
濃厚なラブストーリーの洋画。
吹替ではなく字幕の方を選んで二枚予約した。
「素敵な鉢合わせがあるといいな」
「鉢合わせ?」
「……次はランチのお店だけどこれは、
映画の後で近くの商業施設にでも寄るかな」
「同じ課の誰かに会ったりしても大丈夫ですか?
会社にも近い映画館ですよね?」
慧一さんの居住するマンション自体、会社に近い場所にあった。
「その時は君が不倫してると思われたら大変だから、
指輪のことも含めて、さらっと話しちゃおう」
慧一さんは、自己完結し私の手に手を重ねた。
頬を寄せてささやく。
「ところで昨日の優香は、俺を誘惑する気だったの?」
「……くっつきたかったんです。
 慧一さんといるとドキドキするんだけど、
 それ以上に胸があったかくなるから」
「……俺が腐ってるのはよくわかった。 
 純粋に育ててくれたご両親とお兄様に感謝しなくちゃ」
「そうですね……。でも慧一さんは慧一さんのままでいてください」
 昨日のことを言われるとその後のことまで思い出してしまう。
 心臓が激しく鳴るのは恐怖や不安じゃなくて……。
 突然、唇が重なり離れる。
「うん。そのつもりだよ。
 君のことは絶対に逃がさない」
 口元に直接注ぎ込まれた言葉は、甘い毒みたいに
 じわりじわりと心と体を支配していく。
 次は肩口に頬を埋めて背中を抱かれた。
(支配といっても昔の交際相手からの束縛とは違う)
「優香、愛してるよ」
 背中にそっと腕を回したけど広い背中全部には届かなくて、
 指を折り曲げて触れた。耳元で返事をつぶやく。
 ぐいぐい迫ってきた彼にいつしか堕ちていたみたいだ。

 一週間後、仕事が終わった後、私はある覚悟を決めていた。
 親友の菜都子に香住慧一課長とのことを話してしまおう。
 一番仲のいい彼女に言えないままこれ以上過ごすのは無理だと判断したのだ。
 指輪をしているから結婚しているかもと
 忠告してくれた彼女に、隠し続けることはできない。
「菜都子、お疲れさま。あのね……急なんだけど今日の夜、
 一緒にごはん食べにいかない?」
「優香が誘ってくれるの待ってた。
 彼に伝えとくから私はOKよ」
 誘いを喜んでくれた菜都子に、一言断りを入れる。
「わ、私も付き合っている人に言っておくね」
「うん!」
 菜都子もよく知っている人だと告げたら相当驚くだろうか。
 お互い、スマホを開く。
「ちょっと休憩室に」
 菜都子に伝えて休憩室に入った。
 この後のことを考えて緊張してきたのでお茶を飲んでから、
 慧一さんの連絡先を呼び出す。
 メッセージにするか悩んだが電話にした。
「慧一さん?」
「優香、どうしたの?」
「ごめん。急なんだけど今日は菜都子と
 一緒にご飯食べに行くことになったから一緒に帰れないの」
「もし無理じゃないなら俺も同席していいかな?
 君の説明の手間も省けるんじゃない?」
「っ……は、はい。よろしくお願いします」
若干、うろたえたが菜都子に紹介するチャンスだと受け止めた。
「俺の車で三人一緒に行けばいいとは思うけど……菜都子さんが緊張しちゃうかな」
「レストランで待ち合わせましょう。
 会社から三駅のところにある場所ですが、車ならすぐですよね?」
「……じゃあそれで」
慧一さんとの通話を終えて戻ると菜都子が手を振っていた。
「待っててくれてありがとう。菜都子は連絡取れた?」
「ええ。
 彼も残業になったしまた次の機会にデートしようって」
「実は私の彼が一緒なの……。レストランで待っててくれるんだけど。
 事後承諾でごめん」
「彼を紹介してくれるだなんて楽しみ」
 うなずいた。
 少し頬が熱くなる。
「優香、綺麗になったものね。何だかすごく女性っぽくなった」
「そ、そう?」
 まぶしいほどきれいな菜都子に言われるととてもうれしい。
 手を取り合い会社を出た。
 二人は同年齢で手をつなぎあうほど仲がいいのだ。
 地下鉄に乗り歩いた先にあるレストランに入る。
 店員さんに尋ねると少し前に眼鏡をかけた男性が待っているとのことだった。
 緊張で心臓がばくばくしてくる。
 そんな私の心境を知らないのか慧一さんは、笑顔で手を振っていた。
 こっちだよとでもいうように。
「二人ともお疲れさま」
 すがすがしい笑顔に一瞬気おされる。
 私は菜都子と隣り合い座った。
 正面には慧一さん。
「香住課長……」
 菜都子は私と慧一さんを見比べていた。
「言ってなくてごめんなさい。私、課長と付き合ってるの」
「で、でもあの……課長はご結婚されているのでは?」
 慧一さんは自分の左手を掲げて見せる。
 そこにはあの紛い物の指輪はない。
 知らない人が見れば結婚指輪と間違える銀色の指輪。
「会社のみんなや君にも秘密にしてたけど、
 あの指輪は結婚指輪なんかじゃなくてね……。
 誰も寄ってこないように守るためのものだったんだ」
 慧一さんは菜都子に向けて説明する。
 きょとんとした菜都子だったが、口元を押さえて笑い出した。
「菜都子?」
「課長は性別問わず大人気だから、しょうがないですよね」
「恋愛の形はどんなものも否定しないけど、俺は好きな子以外興味なくて」
 慧一さんは理解がある人のようだ。
「今日は優香が恋バナを聞かせてくれるって話だったんですけど、
 恋人の紹介になって楽しみにしてたんですよ。
 そっかあ。優香がどんどん綺麗になっていったのは、
 香住課長のおかげだったんですね。納得です」
 ぼ、ぼ、ぼと顔が朱に染まる。
「ち、違う。お腹がすいたから早く注文しましょ!」
「おや、優香? 俺以外の人で綺麗になったっていうの?」
「っ……慧……課長!」
 どう呼べばいいのか考えて妙な呼び方になってしまった。
「私と彼と一緒で社内恋愛カップルですね」
 菜都子の発言に、はっ、とする。
「君たちみたいに公にできないのが悲しい所だ。
 でも指輪は外しちゃおうかな。次は優香と二人で
 カップルリングを右手に嵌めるよ」
 正面からウィンクをされ勝手に心臓が跳ねた。
「課長と優香、とってもお似合いです。
 美男美女で」
「な、私はそんなんじゃ」
「プライベートだから菜都子さん……って呼んでいいかな?」
「もちろん」
「君から見てそう感じるんだね。認められた気がしてうれしいよ」
 慧一さんは菜都子がいても堂々としている。
 気まずさなど最初から感じていなさそうだった。
「さっきの……慧一さんは文句なくかっこいいけど私はって意味だから」
「……友達が言ってくれてるんだから素直に喜ぼう?」
 慧一さんがほがらかに笑い楽しく夕食の時間は終わった。
 太っ腹なことに彼は私と菜都子にごちそうしてくれ、
 彼女の最寄り駅まで送ってくれた。
 会社の中では内緒でも少しだけ胸のつかえがとれた気がする。
 菜都子を送った後、私のアパートの駐車場に停めた車内で、
 私と慧一さんは別れを惜しむように過ごしていた。
「慧一さん、いろいろありがとう」
「いいんだ。優香も嬉しそうだったし」
 助手席に座りなおすと恋人同士の雰囲気になる。
「菜都子には話しておきたかったからほっとしました」
「彼女も社内の人間と交際しているし、
 心強いよね」
「はい。あ、本当にもう指輪はしないんですか?」
 ダッシュボードに入れられている銀の指輪のことを考えた。
「しない。次の休みには君とカップルリングを買いに行って、
 来週の月曜日からは二人で嵌めていこう」
「はい」
 頭ごと抱きしめられて息をつく。
「私、慧一さんの腕の中が好きなんです。
 ずっといたい」
「はあ。なんで君はそんなに可愛いの?
 必死に理性でごまかそうとしても全部無駄にしてくる」
「正直になろうと思っているだけです。
 離れたくないって感じた初めての人だもの」
「会社では仕事以外での接触は、しないようにしよう。
 俺はもう限界だ」
「分かりました。それが無難ですね」
 抱擁する力が強くなる。
「素直な君にご褒美とお仕置き」
「っん……」
 ついばんで離れたキスに、もどかしさを覚える。
「もっと……欲しいです」
「自分で口を開けて、舌を出してごらん?」
 言われるままに唇を開いて舌を差し出した。
 気配を感じたのか舌が掬い取られ、絡められる。
 唾液を吸われ何度も交歓する。
 息が弾む。
 しっとりと濡れた唇同士が触れ合った。
「暗闇じゃ見えないけど、とろけそうな顔をしてるんだろうね」
「慧一さん、キスが上手いから」
「舞い上がっちゃうね」
 背中から腰まで大きな手が這う。
 ぞわぞわとしたものが駆け上がった。
「っ……、あ」
 首筋にちくり、痛みが刺す。
 彼が唇を押しあてて吸い上げていた。
 痛みを感じた後、陶酔を覚える。
「ここ、消えたらまた残してあげる。
 優香は俺のものだって証」
 茫然と彼の言葉を聞き入っていた。
「寝る前に鏡で確かめて。
 よく眠れるよ」
 抱きしめられた腕の中、肩の向こうで彼が薄く微笑んでいた気がする。
「っ……お、おやすみなさい」
 助手席から降りる。
 鏡で見るまでもなく月明かりに首筋が照らし出されていた。
(襟元だからボタンを留めれば隠れるけど……。
 これがキスマークっていわれるもの?)
 お風呂から出ても胸の高鳴りが収まらずなかなか眠れなかった。

 金曜日、慧一さんは約束をあっさりと破った。
 少し早めに出勤した私は社内の静けさの中、仕事の準備をしていた。
 私と同様、早く出社した慧一さんが現れたのはその時だった。
 黒縁の眼鏡をかけ整髪料でセットした課長の姿。
 見慣れた香住慧一の姿だが、左手薬指の指輪はない。
「おはようございます」
「おはよう」
「三島さん、一緒にコーヒーでもどう?」
「……はい」
 まだ課には誰も出社していないのをいいことに
 大胆に誘ってきた慧一さんの誘いに乗ってしまった。
 休憩室に入った途端、彼の行動をとがめる。
「接触しないんじゃなかったんですか?」
「優香がこんなに早く来てたから……うっかり
 くっつきたくなったんだ」
 長身をかがめて肩に頬を寄せてくる。
「コーヒー、飲まないの?」
「君に淹れてほしいな」
 甘えたように口にした慧一さんがかわいらしくて、
 コーヒーを淹れた。自分の分はミルクと砂糖も添えた。
 慧一さんは素の彼で、コーヒーカップを傾ける。
「優香が淹れたコーヒーは美味しい。
インスタントが最上級のコーヒー豆と同じ味になる」
「誰が淹れても同じです」
「俺への愛があるからかな?」
 慧一さんはくすっと、笑う。
「まだ二人きりだからこうしてるんだよ。
 他に社員が来たらそっけない態度に努める。鬼の努力で」
 重い決意を語るみたいに言う人だ。
 彼はコーヒーを飲んでカップを片づけている。
「そうだ。痕は確認した?
 賢い君だから怪しまれるようなことはしてないね?」
 首筋への視線を感じ、かあっ、と頬が熱くなる。
 ブラウスの襟元に隠れて見えないそれは、彼の独占欲を示すもの。
「絆創膏なんて貼ってませんよ」
「逆にしてたら誰かに指摘されたかな?」
 慧一さん……いや香住課長は軽く一度キスをして、先に休憩室を出て行った。
 コーヒーを飲み干しカップを片づける。
(なんて人なの……)
 普通にいい人じゃなくて腹黒だ。






    
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