甘く残酷な支配に溺れて~上司と部下の秘密な関係~

雛瀬智美

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第18話「二度目の逢瀬と彼の計画」(※※※)

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  午後8時、私、慧一さん、朔兄ちゃんはカラオケに入店した。
 夜にこの三人でカラオケに行くというシチュエーションに違和感を抱いている。
 いつも通り距離の近い慧一さんにしてやられっぱなしの
 朔兄ちゃんだが、もはや抵抗するのもあきらめたようだ。
 長身の男性二人に左右から手を繋がれて、どうしたらいいか分からない。
「優香、朔くん、夜はお高くつくし
 どうせならフリータイムでいいよね」
 カウンターで代表者として店員さんに尋ねられた
 慧一さんは私と朔兄ちゃんに笑みを向けた。
(意外に常識的。勝手に決めちゃうと思った)
「……三時間とフリータイム、変わんねえならそれでいいんじゃね」
「私もそれでいい」
 慧一さんはフリータイムでお願いしますと店員さんに伝え、
 お煙草は吸われますかにいいえと答えていた。
 ドリンクバー用のグラスを三人がそれぞれ受け取る。
「メロンソーダにソフトクリーム載せちゃおうかな」
「ソフトㇳクリームバーつきはいいな。
 俺は、とりあえずコーヒーフロートにしよう」
「何仲良く、ソフトクリームバーの前に立ってるの」
 慧一さんが、何やら横で頬を膨らませていたのでフォローを入れる。
「慧一さんもフロート作りましょう?
 別でいれてもいいですけど」
「じゃあ優香と同じソーダフロートにする」
 公衆の面前で肩に頭を乗せるのはやめてほしい。
 朔兄ちゃんは見て見ぬ振りをしている。
 全員が飲み物にソフトクリームをトッピングした。
 スプーンとストローと一緒にトレイに載せて部屋まで運んだ。
「慧一さんが嫌煙家なのは買いポイントだな」
「吸わないよ。ギャンブルと煙草はやらない
 真面目すぎる男なんです」
「俺もそう」
 案外、仲が良い。
 お酒が二人の距離をなくしてしまったようだ。
「ふふっ」
「優香が上機嫌でよかったあ。
 やっぱり義兄弟は仲良くしとくべきだよ」
「……調子に乗らないでくれ」
 慧一さんは朔兄をさらっと無視し肩に腕を回した。
 私の腰も抱いている。
 それでよく歩けるものだ。
 化粧室も近い位置にある部屋で安堵するが、
 通路が二方向から展開されているため迷う不安がある。
「優香、トイレから戻った時に迷わないでね」
「ついていってやろうか?」
「迷わないわ。結構です」
 部屋に入る前に過保護な二人に心配され、心外だった。
「エアコンの温度は、28度くらいでいいかな」
 兄と私は、慧一さんにOKを伝えた。
「そういや、お兄ちゃんには伝えておかなくちゃね」
 テーブルの上に飲み物を置いた途端、慧一さんは口を開いた。
 兄は慧一さんを見もせず自作のコーヒーフロートに口をつけた。
「慧一さん、やめてね!」
「優香と俺はこの間……」
 嫌な予感がしたので背伸びして慧一さんの口を手で押さえた。
 もごもごと苦しそうだが鼻呼吸しているので問題はない。
「わかったから言わなくていい……」
 朔兄ちゃんへのアドバイスだけならまだいいが、
 筒抜けは嫌すぎる。
(元々、筒抜けだったけど!)
「大丈夫。優香をこの上なく大事にしていくから。
 朔くんと一緒に」
「……俺のことを出すな」
「もう! 時間がもったいないから曲入れようよ!」
「優香、一年ぶりに三年目の浮気をコラボしようよ」
「古いし縁起でもねぇ」
「慧一さんがいいなら歌いますけど……
 三年経って浮気したら料理に毒を入れますからね」
「優香も古いな」
 一曲目は、私と慧一さんが三年目の浮気を入れ、
 次は朔兄が17歳の地図を入れた。
 いちいち腰を抱いて歌うのはやめてほしかったが、
 慧一さんが悦にひたっていたので我慢した。
 朔兄は、私に大げさなほどの拍手をした。
 兄は、次の曲をなりきって歌った。
 慧一さんと私は盛大な拍手を送る。
「朔くん、世代じゃないよね?」
「親の影響で好きなんだよ。優香も15の夜、好きだろ」
「……ふふふ。できないことをできるから」
 今の時代では書けない歌詞だ。
「慧一さん、マジで浮気はやめとけよ」
「浮つく気分にはならないから」
 ソフトクリームが溶けかけて甘さが増したドリンクを飲み干す。
 なんだかんだ三人で三時間盛り上がった。
 カラオケ行ったらポテトでしょと
 慧一さんは謎の理論を持ち出し電話でオーダーしたり、
 朔兄ちゃんが三人分のドリンクのお代わりを取りにいってくれたり
 和やかな時間になった。
 車に乗り込み、感想を伝えあう。
「朔くんのラルク、よかった。
 あんなハイトーンヴォイス出せるんだ。
 尊敬する!」
「お気遣いいただきすみません……」
 兄は急にへりくだった。
「お兄ちゃん、ラルクが一番好きだもんね。
 かっこいいし、もっと聞きたかった!」
「優香、演歌もいけるのすごいよ。
 どう?
 結婚式はお召し変えを四回しちゃう?
 最初が純白のウェディグドレス、後は和装を三回」
「てめぇら、そんな話になってんのか。
 一回や……」
 後部座席から兄の頭をどついた。
 帰りは私が後部座席に乗ることにした。
(最低!)
「責任は取る男なんだって。
 優香はそれだけ大事だったからすぐ関係を進めなかったんだ」
 堂々と言い放つ慧一さんに呆れる。
「わ、わかったから早く車を出しましょう。
 エンジンかけて動かないのは迷惑よ」
「はーい」
「慧一さんは、悔しいけど認めざるを得ないな」
 舌打ちする兄。
 兄の住むマンションまで送った時、
 慧一さんは運転席から降りて兄を抱擁(ハグ)していた。
 背中ではなく肩に腕を回して男同士という雰囲気がした。
 兄も応えているのを助手席の窓から確認し、
 私は勝手にうれしくなっていた。
「慧一さん、どんだけお兄ちゃんが好きなの?」
「大好きだよ。これからもっと仲良くなりたいなあ」
「浮気はやめてね」
「おや。優香は実兄と恋人の浮気を心配するのかい?」
「慧一さんは人たらしだから、
 お兄ちゃんが惑わされないか気になったのよ」
 最初、バジリスクと揶揄したのが信じられない。
 慧一さんはギアを入れ、車を発進させる。
 私のアパートの部屋に着くと降りるのが名残惜しくなってくる。
「お泊りしたいー。何の用意もないからコンビニ行く?」
 唐突に言われ顔が赤くなる。
 結ばれたら、次を求めるのが自然なのか。
「……はい」
 日付が変わって30分が経とうとしている。
 慧一さんは近くのコンビニに行き、泊まるのに必要なものを
 買いそろえた。私も一緒にお店に入っていた。
 明日のおやつにしようとシュークリーム二つを
 買ってくれ、コンビニを出る。
 アパートに着き、買い物袋を持っていない方の手を繋ぎ合う。
 慧一さんの荷物とシュークリームは別の袋にしてもらった。
 私がシュークリームの袋を持っている。
「……言っときますけど、私のベッドはシングルで狭いですからね。 
 身長が高い慧一さんにはきついと思います。
 ソファーは折り畳み式でベッドにもできますが」
「限られたスペースだと密着感が味わえるという醍醐味がね」
 何やら楽し気な慧一さんと共にアパートの部屋へ向かう。
 部屋に入ると慧一さんにお風呂を勧めた。
 お風呂は二人で入るのは窮屈なので、
 別々がちょうどいいので有無を言わさない。
 ほんのり残念そうな慧一さんが、待ってるからおいでとか、
 何やら言っていたが華麗にスルーさせてもらった。
 一緒に入ったりしたら、スムーズに洗えず
 のぼせ上がる危険性が高かった。
 私が手持無沙汰になりお茶を飲みながら寝室で
 待っていると鼻歌を歌いながら慧一さんが戻ってきた。
「いいお風呂だった。ありがとう」
「はやっ」
「俺はシャワーだけどお風呂溜めといたからね」
 ぽん、と頭を撫でる慧一さん。
 私は慌ててチェストから着替えを取り出しお風呂へと向かった。
 お言葉に甘えてゆっくりお風呂に浸かって出てきたら、
 テーブルの上に置かれていたかわいい封筒に驚愕した。
 さっきまではなかったものだ。
「慧一さん、な、なんですか」
 笑顔で促され私は恐る恐る封筒を開ける。
「……必要ないです。大体、お兄ちゃんの分も
 含めて全部奢ってもらったのにここまで
 してもらう筋合いないですからね!
 愛人でも何でもないんだから」
「優香みたいな愛人なら欲しい……あ、冗談だよ」
 睨みつけたら慧一さんは口ごもった。
「じゃあ。今度これでラブホでもいこう?」
「……それなら」
 奇妙な提案だがつき返した封筒を受け取ってくれたのでよしとする。
「慧一さん、ありがとう」
「ううん。優香、もっとこっちへおいで」
 ソファーはベッドの形に変えられる。 
 私はソファーではなく慧一さんの身体の上に乗った。
 しっかり腕を掴まれ乗せられたので逃げられない。
「シングルベッドの方が狭くないかなあ」
 使い心地を確かめたかったらしい。
 慧一さんはするりと起き上がり、
 難なく私を横抱きにした。
「ベッドで待ってて」
 大人しくベッドで待っていると慧一さんは、
 小さな箱を持ってきた。
 コンビニで買っていた時は、見ないようにしていたが、
 目の当たりにすると生々しい。
(もちろん、大事なことだけれど)
「一個じゃ足りないしね」
「し、知らない」
「ドラッグストアで買った方がいいよね。今度はそうする」
「……ええ」
 この会話はそろそろ終了したい。
 もぞもぞと起き上がり相手の動向を見守る。
 ぎしり。ベッドがきしむ音がした。
 長身の大きな体の男性と二人で使う場所ではない。
「優香、今日は楽しかったね」
「本当に楽しかった」
 もぞもぞと入ってきた慧一さんが私の背中越しにしゃべる。
 耳元に声が降りかかる。
「慧一さん、お酒買えばよかったのに」
「素面で触れたいから。
 お酒を飲みながら二度目の夜は嫌だった」
 肩を抱かれる。
 顎をつままれ、顔を傾けられると唇が重なる。
「んっ……」
「本当は君の誕生日を初めて記念日にしたかった。
 もう触れちゃったから戻れないね」
 何とも上唇をついばまれる。
「入籍する日は、また別だもの」
 頬に唇が落とされくすぐったくて、
 身をよじる。
 その隙に舌が首筋をなぞり下降していく。
 ボタンが外され、下着姿にされるまでわずかな時間だった。
「この部屋でするって悪いことしてる気分」
「……やめてもいいのよ」
 いたずらに言葉を返してみる。
「今更、無理な相談だよ」
 熱い身体を押しつけられ、息を漏らす。
 慧一さんは灼熱の炎を身に宿している。
「っ……ああ」
 鎖骨を吸い上げられ、腰をくねらせる。
「感じやすくてかわいい。好き」
 あらわになったふくらみを大きな手がもてあそぶ。
(舌の動きを例えたら、変態で
 危ない人になったみたいだ)
 胸への執拗な愛撫で、つま先がつる。
 腰もしびれていた。
「優香、イっちゃった?」
 舌なめずりをする彼は、
 私を落とした毒蛇。
 甘くて紳士で侮れない9歳年上の上司。
 この人に何か月も翻弄された。
「っ……違うの」
「嬉しいよ。こんなにも夢中になって溺れてくれて」
 下腹部に伸ばされた手が、ゆらりうごめく。
 あっけなく暴かれてしまう。
「とろとろだね」
 指が動く度、水音が立つ。
 さっきのわななきよりも静かな快感が、
 じわりと押し寄せては、満ちる。
 慧一さんの左手が口元に向かう。
 薬指が差し入れられたので、彼の命じるままにくわえた。
「声を聞かれたくないんでしょう?」
「……ふ……うっ」
 いたずらな指が、ナカに入ってくる。
 今日は性急だった。
「ここではあまり長くできないね」
 耳たぶを食まれささやかれる。
 指が浅い場所を刺激し、声なき声をあげた。
 気がついた時、慧一さんが覆いかぶさり腰をおし抱いていた。
 突きつけられた彼自身が、そこに入ってくる。
 ゆっくりと確実に収まったソレ。
 息を吐く。
 落ちた涙をキスがすくう。
「この前よりやわらかいね。
 上手に受け入れてくれてる」
 説明され羞恥を煽られる。
 動き出した彼に応じるように背中を抱く。
 波に揺られたまま、弾けた。
 頂きをきつく噛まれた瞬間、彼を絞めつけていた。

 狭苦しい浴槽に二人で浸かる。
「……だから嫌だったの」
 大きな体に抱え込まれている。
 慧一さんは、長い指で頂きをつまみこすり上げる。
 ふくらみを揉みしだき柔らかさを確かめている。
「ちょっと触るくらいいいじゃない」
 下腹部も触っているのだからちょっとではない。
 頂きも甘く噛まれている。
 鎖骨から下には赤い印が残されていて、
 キスマークが更新された。
 水面でも自分の肌が見えて情熱の名残を思い出させる。
 中途半端に刺激しないでほしい。
「足りてないんじゃない。
 もう一回、しちゃう?」
「……っ」
 慧一さんはいつの間にやら準備を整えていて、
 私は抗えないまま波に揺られることになった。
 お湯を入れてない空の浴槽の中で、
 慧一さんの上に座って私たちは抱き合った。
 ベッドの上より感じてしまい声を押し殺すのに必死だった。
 へとへとになった私は、慧一さんがブランチを作ってくれると言うので、
 おまかせすることにした。
「優香、スクランブルエッグはマヨネーズを入れてみたよ。
 ブロッコリーは塩ゆで、
 あとはクノー〇のコーンポタージュを使わせてもらった」
 作ってくれた料理を説明してくれる。
「美味しそう! 適当な食材だけでも残っててよかった」
「一緒にご飯を食べるっていいよね。
 好きな人となら何を食べても美味しい」
「慧一さんは料理の手際もいいから
 お手伝いは逆に邪魔になるわね」
「そんなことないよ。優香と一緒にキッチンに立つの楽しいし」
 料理を作ってくれたお礼に私がコーヒーを淹れた。
 インスタントでもドリップコーヒーなので、
 とっておきの時用だ。
「うん。いい香りだ」
 コーヒーカップを持つ慧一さんにも見とれてしまい、重症だ。
 愛しあった後だからかすべてが輝いて見える。
「スリルがあって楽しかったねぇ」
「スリルは必要がないんです!
 何もしないならいくらでも泊まってほしいですけど」
「住みづらくなっちゃうか。
 結婚したら、ここから引っ越すんだし関係ないんじゃない?」
「そんな印象を残して去りたくないわ」
「デリケートだね」
「慧一さんのようにいい所に住んでるわけじゃないので」
 じゃれ合っているだけ。
「俺も優香がいつ来てもいいように準備しておくからね」
 純粋な微笑みにどきりとした。

 月日は流れ、私の誕生日がやってきた。
 有給の申請は先月の内にしておいたので、
 今日はいよいよ鎌倉に出発だ。
 二人揃って有休をとることを誰も怪しまない会社に、
 ちょっとだけ怖くなる。
「優香、お誕生日おめでとう!
 お決まりだけど深紅の薔薇を君に」 
 アパートの玄関にやってきた慧一さんは、
 大きなバラの花束を抱えていた。
 数えたら99本あった。
「ありがとう……」
「泣くのはまだ早いよ。
 プレゼントは旅行先で渡すんだからね」
 頬を落ちる涙を指先で拭う。
「慧一さん、無粋なことを聞くんですが」
「何だい」
「課長と、直属の部下が
 同じ日に休みを取るなんて怪しまれますよね。ふつうは」
「……その分、挽回すればいいから。
 今日は金曜日でしょ。月曜日は仲良く残業しよう。
 もちろん、部長含めて皆にお土産は渡してね」
「……わかりました」
 どうやら私は週明けから残業が決定しているようだ。
 慧一さんは気づいているだろうか。
 仲良く同じ日に有給休暇を取り、週明けに
 その二人が残業をする。
 残業することまではみんな知らないだろうが、おかしい。
(こんな会社、ありえませんからね!)
「プライベートまでそんな顔しないの。
 今日は入籍記念の旅行でしょ。
 まずは役所の休日窓口でこ婚姻届を出すところからスタート」
 午前八時。
 早朝からよくしゃべる人だ。
「月曜日に二人が指輪嵌めて出勤してたら、そういうことかと
 みんな納得してくれるよね」
 段取りが整っている。
「そうですね!」
 元気よく返事をする。
 アパートの扉を閉め、鍵をかけた。









 




















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