お狐様の恩返し

泡沫 呉羽

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久しぶりの外は楽しい

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 わぁ!お花が風に揺られ気持ちよさそう!あ、噴水ミッケ!……あっちは木がきれいな形だ。庭師って凄いんだね!

「ねぇ、外って気持ちいいね」

 ニアは一泊置いて答えてくれた。

「ええ、そうですね。ですが外も意外と危険なことが潜んでいるものなので覚えておいてくださいね」

 ニアが意味深なことを言った。外は確かに危険なことも多いって聞いたなぁ。そう言えば冒険者と呼ばれる職業があるらしい!街の外や王都外にでて魔獣を退治したりしてお金を稼ぐ腕に自身がないと難しい職業だって。一度見てみたいなぁ。ニアは知ってるのかな?

「冒険者って知ってる?冒険者ギルドって所で登録するんだって。魔獣を倒すなんてかっこいいよね!騎士みたいで憧れそう」

 車椅子を押してくれていたニアがピタリと足を止めた。あれ?どうしたの?

「一体…そうゆう情報どこから持ってきたんでしょうか。知ってますよ。私も時々依頼しますし、便利が良いので」

 依頼したことあるんだ!!ニアは欲しいものとかやっぱりあるんだね。何か今もあるのかな………

「ニアには欲しいものってあるの?」

 足を止めていたニアはゆっくりと歩き出し、何十秒もおいてから答えた。

「そう……ですね。私が欲しいのは後悔した過去をやり直せるチャンスでしょうか。時を戻すことは出来ないので無理なのですが」

 ニアも後悔した事があるらしい。僕にも勿論あるよ。身体が弱く産まれてしまったことだね。

「そっかぁ。僕もあるんだ。身体が弱く産まれたことでね、迷惑をかけてるから。母様も僕が嫌いだって言ってたし、双子の妹も。婚約者もこんな僕が嫌だって婚約を破棄したよ。………一生一人かもしれないね」

 静かに聞いていたニアは僕を抱き上げベンチに座らせてくれた。隣に座るように手で促すと了承とばかりに座ってくれた。

「……あなたの体調が戻って普通の生活になってもずっとチャンスが巡らなければ私がいい人を紹介しましょう…」

 ニアは優しいよね。僕が体調が良くなってもまた戻る可能性もあるわけだからなかなか巡らないと思うよ。なら、いっそ王族の席抜けちゃうのが楽なのかもしれないなぁ。
 
 ふぁ~。眠く…なって来……ちゃ…た。




♢♢♢ウィリアムが寝落ちした後のニア♢♢♢

 銀髪さんが肩に寄りかかってきた。どうやら寝落ちしたらしい。今日は春らしい気候だったから眠くなったんでしょう。私は部屋に運び毛布をかけて、自身に割り当てられた部屋に入る。ベットのフチに座り込み仮面を外して楽な姿勢になる。

「後悔…………ふぅ…一気に2つの事をすると疲れますね。どうも私も疲れが溜まってるようで柄にもなく弱音を吐いてしまいましたね」

 銀髪さんが生活に困らない体に戻せば私は世話係を辞めるつもり。もともとその予定だったんだけど………思ったより銀髪さんの心に私が存在してるようであっさりとやめさせてくれると良いんだけど。私は自身の前髪で隠している右目に触れる。この目だけ貰い物だからか全く言うことを聞かない。目の色を変えることができなかった。

「願わくは銀髪さんの人生に幸ありますように」

 私は祝福の言葉をかけ、銀髪さんの人生が幸せであるように少しだけ虚空に願ったのだった。


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