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狐面が………
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初めて魔法を教えてくれてからだいぶ経った。僕は他にもマナーから学業まで全部教えてくれるようになったんだ。て言ってもまだ初級だけどね。僕の年17だけどね、普通は学園に通って中等学生としているはずなんだよ。僕?行ってないよ。確か、15が入学時期で、16、17が中等学生、18で高等学生だ。夏が来ていて暑い……。ニア曰く覚えがいいから秋からでも学園に通う事ができるでしょうって。楽しみだね。でも学園って寮なんだよね~。国立学園の第1~第3のどこかに通うことにはなりそう…………。
「ニア、学園って楽しいの?」
机に向かっていたニアはゆっくりとこっちに歩いてきて窓を開けてくれた。
「私は行く機会はなかったのでわかりかねますが、聞いたところでは友だちと遊んだりと楽しいと。ただ……虐めなどはどこもあるようですね。銀髪さんは王子ですから通う義務が本来あります。貴族たちが多い学校に通うことになりますので休学というだけでハンデとなります。なので今のうちに追い越したいと思っております」
なるほど………。やっぱりニアは凄い情報通だね。学園今なら選べるんだよね。どこがいいかなぁ…。
「第1学園は規律や血統など家柄など重視してる貴族が多く、また学力が物凄く高いですね。代わりに少々教員がへこへこしてる感じですね。貴族ならここに入って当然というような感じになっており入学率が高いです。第2学園は伯爵位より下か次男など跡継ぎではないものが多い印象です。また、富豪や商家の者なども通っております。第1学園を追い越すという目標で教員があついですね。まぁ、第1学園の落ちたときの保険で入る人も多いです。最後に第3学園では、平民でも入ることができ、将来性のある才能など持ってる人を特に歓迎しております。1と2学園に馬鹿にされている学園ですが、交流の場を多く設けたりしており、ルールを守ったうえで学業を出来ます。私が思うに本気で取り組んだなら他の学園にも引けを取らないと思いますよ」
わぁ!凄い……。多分僕のために調べたんだろう。情報がいっぱい。ニアは言いたいことを言ったので机に戻ろうと背を向けた。ありがとうね!
「そういえば言うのを忘れていたのですがぎ……………」
――カラン
言い忘れたことがあったらしくこっちに振り向いたのだが言葉の最中で狐面が床に音にたてて落ちた。………うん、落ちた。
「…………」
僕は無言になった。
「…………………………」
ニアも無言。静かな空間で僕の心臓はうるさく騒ぐ。だって、だって……。ニアの前髪で右目は見れないけど綺麗な金色の瞳が素敵な人だったから。絶世の美女と言うのはニアのことだろうと僕は思う。白い肌も、揺れる金色のポニーテールも恥ずかしさでうるうるとした瞳も全部が全部綺麗だったから。
「あ、あの……ソレ、とってもらえません……か?」
僕は見惚れてた。やばい、何がやばいって?全部だよ!?理性飛ぶかと思ったじゃん!!まだ心臓バクバクしてるし………。仮面を手に取り気づいたのは紐が切れていることだった。
「えっと…紐が切れたみたい…だね。…そこの棚にこれと同じくらいの紐あるけど……使う?」
ニアは両手で顔を覆い、ちらっと指の間から覗いたりしている。多分本人は見えていることに気づいてないよ。
「そう…ですね。特別製の紐だったので……それが出来るまでの間…使わせて…くだ…さ…い」
あわわ!いつも淡々としていて仕事をなんでもこなすかっこいいニアが照れて恥ずかしそうにしている美女で僕ギャップで死にそうなんだけど!?耐えろ僕!!ニアは震える手で仮面を受け取り棚から紐を取り自室に籠もった。ニアが出てくるまで僕は心臓がバクバクとなる音を聞きながらさっきのニアが忘れられなかった。
「ニア、学園って楽しいの?」
机に向かっていたニアはゆっくりとこっちに歩いてきて窓を開けてくれた。
「私は行く機会はなかったのでわかりかねますが、聞いたところでは友だちと遊んだりと楽しいと。ただ……虐めなどはどこもあるようですね。銀髪さんは王子ですから通う義務が本来あります。貴族たちが多い学校に通うことになりますので休学というだけでハンデとなります。なので今のうちに追い越したいと思っております」
なるほど………。やっぱりニアは凄い情報通だね。学園今なら選べるんだよね。どこがいいかなぁ…。
「第1学園は規律や血統など家柄など重視してる貴族が多く、また学力が物凄く高いですね。代わりに少々教員がへこへこしてる感じですね。貴族ならここに入って当然というような感じになっており入学率が高いです。第2学園は伯爵位より下か次男など跡継ぎではないものが多い印象です。また、富豪や商家の者なども通っております。第1学園を追い越すという目標で教員があついですね。まぁ、第1学園の落ちたときの保険で入る人も多いです。最後に第3学園では、平民でも入ることができ、将来性のある才能など持ってる人を特に歓迎しております。1と2学園に馬鹿にされている学園ですが、交流の場を多く設けたりしており、ルールを守ったうえで学業を出来ます。私が思うに本気で取り組んだなら他の学園にも引けを取らないと思いますよ」
わぁ!凄い……。多分僕のために調べたんだろう。情報がいっぱい。ニアは言いたいことを言ったので机に戻ろうと背を向けた。ありがとうね!
「そういえば言うのを忘れていたのですがぎ……………」
――カラン
言い忘れたことがあったらしくこっちに振り向いたのだが言葉の最中で狐面が床に音にたてて落ちた。………うん、落ちた。
「…………」
僕は無言になった。
「…………………………」
ニアも無言。静かな空間で僕の心臓はうるさく騒ぐ。だって、だって……。ニアの前髪で右目は見れないけど綺麗な金色の瞳が素敵な人だったから。絶世の美女と言うのはニアのことだろうと僕は思う。白い肌も、揺れる金色のポニーテールも恥ずかしさでうるうるとした瞳も全部が全部綺麗だったから。
「あ、あの……ソレ、とってもらえません……か?」
僕は見惚れてた。やばい、何がやばいって?全部だよ!?理性飛ぶかと思ったじゃん!!まだ心臓バクバクしてるし………。仮面を手に取り気づいたのは紐が切れていることだった。
「えっと…紐が切れたみたい…だね。…そこの棚にこれと同じくらいの紐あるけど……使う?」
ニアは両手で顔を覆い、ちらっと指の間から覗いたりしている。多分本人は見えていることに気づいてないよ。
「そう…ですね。特別製の紐だったので……それが出来るまでの間…使わせて…くだ…さ…い」
あわわ!いつも淡々としていて仕事をなんでもこなすかっこいいニアが照れて恥ずかしそうにしている美女で僕ギャップで死にそうなんだけど!?耐えろ僕!!ニアは震える手で仮面を受け取り棚から紐を取り自室に籠もった。ニアが出てくるまで僕は心臓がバクバクとなる音を聞きながらさっきのニアが忘れられなかった。
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