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3話

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「うわお!やっぱり武術ができる人がいると効率が違うね!」

 いや、普通に撃っているだけなんだが。レンは心底この光景を楽しそうに見ている。もう、4体ほど撃ち込んだが結果は目覚めないとわからないな。

「あ、この4体で終わりにしようか。疲れたでしょ?」

 その言葉に私は頷いた。実際慣れない武器を使うのはとても疲れるのだ。いつ目覚めても良いように一応クロスボウに装填てしておくとしよう。

「あ、おきた!!」

 凄いな。本当に凶暴化してない。4体とも同じように森に返って行った。

「実験は成功だね。陛下に報告しないとっとぉわぁ!」

 走って森をくだろうとし、レンはまたコケた。

「うぅ……またコケた。王宮までついてきてほしいんだけど…いい?」

 つまり介護をして欲しいということだな。同じ相手に2度もコケたところを見られてかなり恥ずかしかったのか顔が赤い。とりあえず頷き、2個目のハンカチを渡した。

「今日あったのがヒスイで良かったよ。皆、僕の実験には付き合いたくないみたいで近づいたら逃げるんだよね。」

 暗黙のルールと噂のせいだろう。優秀なものや期待がかけられているやつほど嫉妬などが一身に飛ぶものだから。
魔道具狂いで話しかけられるとずっと気が済むまで魔道具の話をされるらしいと私も聞いたことがある。

「ヒスイはさ、貴族なんだよね?騎士になるの反対されなかった?」

 いきなり聞くのか。あぁ、勿論反対された。私を養女にした理由は知らないが王太子の婚約者にしてあげるから刀など捨てろってよく言ってたな。それは男にすることだ、お前は刺繍でもしてればいいんだ、無駄な知識はつけるなとかな。私は王太子そもそも嫌いだしそんな座要らんな。
私はコクリと頷いた。

「そっかあ。そりゃあ自分の可愛い子を危ない目に合わせたくはないだろうからね」

 のんびりと歩きながら見当違いなことをレンは言った。
私は良い駒だろう。最初は反対してたが、名誉と金が入った瞬間考えを伯爵は変えた。子どもの名誉は他の貴族への自慢にもできるし、王宮にいるわけだからいくらでも王太子に近づけるわけだ。更には給料が高いので騎士の地位と引き換えに毎月8割り仕送りを送らせれる。
 8割はとりすぎと思うだろうが寮は基本無料だし、無料で使える食堂もある。私は普段お金は使わないからそれでも全然構わなかった。余ったお金は基本は貯金しているから、いざとなったら使おうと思っている。

「着いたね。ありがとう。」

 王宮についたようだ。正門前で分かれ私はお昼を食べに食堂に向かった。今日の日替わりは売り切れだな。仕方がないレギュラーメニューから選ぶとするか。ハンバーグ定食にしよう。
 席について食べようとすると横からハンバーグを横取りされた。そのまま野菜をハンバーグのあった場所に置かれた。それを合図に色んな人の野菜が置かれていき野菜定食とかす。豚汁もとられ、代わりにセロリのスープが置かれている。よくある嫌がらせだ。別に野菜は嫌いじゃないからこれはこれでありだと思う。

「ふんっ、女は野菜でも食べて男に嫌われないように体重維持しないとなぁ?ヒスイは筋肉だらけだからなぁ」

 筋肉は何でかついてる感じがしない。何故か細腕のままだし、太りにくい体質みたいでどうなに食べてもこの方1度も太ってない。でも、確実に強くはなっているのだ。不思議でたまらないな。
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