その執着は今更です。

ビーバー父さん

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時逆魔法の依頼

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 宥められても、拗ねて拗らせた感情はなかなか素直になれなかった。

「団長、陛下にフクロウを送って、あの王様呼んでやってくれよ」

「ルイはどうしたい?」

 知りたい気持ちはある。
 だけど、違ったら?

「私たちはルイが不安に思ってることを一つずつ解決してあげる事が出来る。
 だけど、それを決断するのは、君しか出来ないんだよ。
 それに、君がルドヴィカの息子じゃなくても、大事なルイである事は絶対に変わらない。
 ルイが好きだ」

「団長はずるいけど、俺は最初から好きだったぜ!
 あの木の上で、俺を引っ張り上げてくれた時からな」

 それはつり橋効果なのでは。

「不安です。
 その、ルドヴィカさんを好きだった二人だから、空似でも似ている僕に気持ちがあるんだって思うと、二人の好意を受け止めて考えるのも怖い」

 どんな事でも好きだと好意を貰うのは嬉しい、だからこそ期待を裏切りたくない。

「たとえ君が魔物だったとしたって。変わらないよ」

 優しく低いバリトンが、張り詰めて信じちゃいけないと言う気持ちを崩してしまい、うんと頷いてしまった。

 その時、静かに空気を滑るようにさっきと同じフクロウが団長の方に止まるのが分かった。

「いい子だ、陛下にルイの状態と今後の為に、時逆の魔法を使いたいと伝えるよ」

 バサッバサッとゆっくり羽ばたいて浮いたと思ったら、低空飛行の後空気の壁を通り抜けて消えた。

 まるで昔読んだハリー・〇ッターのフクロウみたいだった。

 







 王弟殿下から聞かされていた事と、陛下と話した内容に食い違いがあった。
 
 やっと回り始めた頭でこの一年の事を思い返してみた。
 まずは婚姻が決まったのは、陛下の独断だとマカロンがかなり憤慨していた。
 それを王妃と王弟殿下が何て言ってたっけ。

『公爵家ならば、お前がまだローレンツォと交流できるではないか。
 妾がモンブラン公爵を推挙してやったのだ』

 王妃が私との婚姻を提案したと言っていた。

『本当なら私だったんだけどねぇ、陛下に反目の意志があるように取られたら困るから、ね。
 頼むよ。
 結婚したって遊んでも良いんだし、男だから何かの証明がいるわけでも無いんだ。
 王室は彼のスキルだけが欲しいんだし、彼を離れかなんかで飼うくらいでいいじゃないか。
 気楽にさ』
 
 王弟殿下も候補だったのに、最もらしい事を言って辞退したと言っていた。

『フィナンシェ様、妾は其方が婚姻するにはアレでは身分差が大きすぎる。
 公爵ならば十分後ろ盾にはなれよう?』

 他にも公爵家はあったのに、陛下の甥だから?
 何故王族と縁故関係の必要があったんだ?

『陛下はアレを、目の届く所におきたいだけであろう。
 忌々しい上に、王太子がアレを見つけてしまっては……』

『私が娶れば、解決は早そうだが』

『おぬしは、ダメに決まって居ろう』

 クスクスと笑い合う二人を見て、結婚したくない私は心底どうでも良かった事を覚えている。
 あの時の会話に違和感も何も感じなかった。

 だがしかし、今の私ならあの会話がおかしいと分かる。
 陛下の決定を、何故王弟殿下と王妃が私に通達したのか、情報を改ざんしたからだ。
 使者なら陛下勅命の書が出される、だけど、王弟や王妃がその使者を途中で止めてしまったら?
 勅命書を渡されていない理由が、そこにあるのだと怖い想像が出来た。
 


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