その執着は今更です。

ビーバー父さん

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盗賊団カヌレ

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 フクロウが返事を持って来る事はなかった。

「王室で何かあったか?」

 団長が先ほどと違って時間がかかり過ぎている事を怪訝に思い、お城に潜入させているカヌレの団員に連絡を取るように指示をした。

「ルイ、せっかく君が幸せになる為に、国外へ出そうとしていた陛下の思惑が悪い方向へ行ったかもしれない」

「逃がそうとしていたって言ってたけど、ほんとだったんだ」

 口先だけの話だと思い込んでいたし、これまでが辛すぎて陛下のはなしなんて全く信用していなかった。

「ルイ、お前が望む幸せを掴めるように約束する、絶対約束するから、戻ってくれないか?
 時逆の魔法で真実が分かって、お前が陛下の子でなくても、例え陛下の子で王位継承に巻き込まれたとしても、必ず私が外へ逃がしてやる、約束する。
 今、分かった事実を詳らかにしなければ、国がさらに乱れもっと悪い方向へしか行かなくなる可能性が出て来た」

「団長、ルイを巻き込まないわけには、いかねぇのか?」

「フクロウが帰って来ない。
 緊急事態だと考えて良いと思う」

 僕は二人が考えてる先の事も、今の事も全く理解が出来ていなかった。
 そんなタイミングで、カヌレ団の一人が部屋に駆け込んできた。

「団長、副団長!! モンブラン公爵家からルイの拉致依頼が来ました!
 生死は問わず、ルイという冒険者を公爵邸へ運んでくるようにと」

「運んで、と言う事は殺してという意味だな」

「公爵は僕を殺したかったんだ」

「カヌレ盗賊団への依頼って事は、王族からの依頼しかないはずなのに、モンブランからって事は、モンブラン公爵家に王妃か王弟の手の者が潜入してるってことだ」

 本質に近い事を言われた気がした。
 公爵家も危ないって事を言ってるようだった。

「ここに居るのも、余り良くない。
 正直、危険だ」

「僕がどうすればいいんですか?」

 面倒だけど、面倒で逃げられない状況なんだと、腹をくくった。

「返事を出せ、ルイを確保した、と」

 それ同時に、モンブラン公爵家へ潜入出来る者は全員潜入しろ、と付け加えていた。









 今まで私は何をして来たんだ!
 爺やが呆れたのも当たり前だ。

 いまやっと回り始めた頭は、ギモーブは敵だと警鐘を鳴らしていた。



 コンコンコン

「入れ」

「旦那様、今しがた連絡が来ました。
 ローレンツォ様が捕まったそうです。
 仕事が早くて助かりました」

 ローレンツォが捕まっただと?

「傷つけたりしなかったか?」

 さっきまでの意識が朦朧としてた時の冷たい自分を思い出して、無表情を装いながら演技をした。

「どうなさいました?」

「いや、風呂に入ったら眩暈がして、な。
 ローレンツォが見つかって、私の腕に戻って来ると思ったら、安堵で力が抜けてしまったようだ」

「そうですね、最近は余りお休みになられていませんでしたから」

「どのくらいでローレンツォは戻って来るんだ?」

 どうか無事でいてくれ。

「明日の昼には、こちらへ」

「そうか、では今日安心して休むとしよう」

 ベッドへ行こうとしたところで、ギモーブは部屋を出て行った。

 どうしたらいい?
 考えるんだ、誰に、誰が、こんな時爺やがいれば!
 私はなんて愚かだったんだろうか。

 ギモーブの目を盗んで、爺やに連絡を取るにはどうしたら良いんだろうか。

「どうすればいいんだ!」

 頭を抱えてどれ程考えても、私には人脈も無ければ、権力もない事が痛感させられるだけだった。

「しっ! お静かに」

 まるで気配がしなかった。
 それどころか、どこから入って来ることが出来たのか、と思うほどだった。

「モンブラン公爵様、お尋ねいたしますが、ルイ様を拘束したいのですか?」

「決してそんなつもりは無い!」

「では、我らの言うとおりに動いてください。
 団長からの命であり、ルイ様の希望でございます」

 ルイからの希望、それならいくらでも聞き入れてやるとも!



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