神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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「何となく恥ずかしいから、ラシルにだけね」

ツノはまた隠した。

「アキ様は鏡を一度ちゃんと見た方がいいですね。
 服も誂えたのをきちんと着ましょう」
 
そう言えば、昨日はなんだかんだで着てなかった。

モフモフの毛があると、その辺、鈍感になるな~。

「あ、おはよう、ラシル」

「ふふ、おはようございます。
 アキ様」

何となく、漫画みたいに、朝のキスをしてみた。

昨夜の恥ずかしさやら、お尻の痛みやら、色々思い出して顔の熱が上がるのが分かった。

「恥ずかしいね、なんか」

「それ、私もですよ。」

ラシルが鼻の辺りを赤くして、同じだと言ってくれた。

こんな事が嬉しいなんて、思わなかった。






昨日の事もあるので、朝からお風呂に連れていかれた。
あのローマ風?ライオンの口からお湯が出てるやつ、嫌だなぁって思って入ってみたら、すでに造り替えられてた。
ラシルの精霊さんたちはどんだけ働きものなの!!!!

俺がこんなのが良いって言ったわけじゃないのに、凄く好きな形が出来上がってた。

浅めで広くもなく狭くもなく、長く入ってもあまり苦しくなさそうな。
結構貧乏性だから、水がたくさん必要なのはつい遠慮して節水を心がけてしまうくらいなので、気兼ねなく入れる。

ラシルが後ろから抱きかかえるようにしてくれて、俺は気持ちよく寄りかかれた。
不安にならない広さって大事。
広すぎると、だめ。

白くて長い髪がお湯に浮いて揺蕩ってる。
自分の姿はこういうので確認するしかなかったけど、鏡って見た方が良いのかな?

「アキ様は本当に綺麗な姿をしているんですよ。
 まさか、見たことなかったとは思いませんでしたけど。」

「う~ん最初に、イメージを具現化したときに、人って言うかこの姿の前のちびっちゃい姿になった時は見たんだよ?
 人間に近い方が、魔獣って思われないんじゃないか、とか
 お話ししてみれば何とかなるんじゃないかって。
 子猫みたいな姿の時は、しゃべれなかったから」

その時に、亜希の姿をイメージはしたけど。
ただの、エア亜希だったから、今の肉体的にちゃんと変化した姿は見てない。
自分のふぁさふぁさした尻尾で、かなりの満足だったし、今更、顔がどんなだろうと関係ないって思ってた。
みんなが、可愛いって言ってくれる、それだけが嬉しかったから。

あんまり気にしてないし、正直今でも、どうでもいい感は否めない。

それに、お母さんにとって、今の亜希では分からないだろうし、アキとしてお母さんを探すのか、亜希としてなのか。
どちらがいいのか悩んでる。

「アキ様、何か悩み事がございますか?」

「ううん、おかあさんに俺はどんな姿で会ったら良いのか分からなくて」

お湯につかりながら、ゆったりと図々しくもラシルに体重を預けて話した。

「まずは夢を紡ぐのでしたっけ?
 きっと、アキ様のお母上様ですから、どんなアキ様でもわかってしまうと思いますよ」

そうなのかな?

「もし、分からなければ、我らがアキ様の母となり、父となりますよ。
 みんなこぞってなりたがると思いますよ。
 それこそ、お泊りの順番を決めたように、必死でしょうね」

クスクスとラシルが笑った。



お風呂から出ると、白に少し青みがかった色の布でできた服があった。
翼の出せる切れ目?と尻尾が出る切れ目があって、上下のセパレートタイプのドレスみたいなの!

あれ?

ドレス?

あれ?

あれぇ?????

「ね、これ、スカートだよね?」

「あ、これは!
 ごめん!
 精霊たち、間違ってますね!
 すぐ片付けさせますから!!」

あ、もしかして、前の子の?
ここに来たこと無かったんじゃないの?

「間違っちゃったんだね。
 うん。
 わかった」

大丈夫、いつもの自分に戻ろう。

うん!平気!
俺、何にも気にしない。
だってちゃんとシてないし!
まだ、綺麗な体、とも言えないけど、最終段階まではいってないし!
不幸中の幸い!

前の子も同じような仕様だったのかな?
どんな姿か聞いたことなかったけど。

神獣って言うくらいだから、やっぱり獣の姿なら、尻尾くらいあるしね。

一生懸命、自分に言い聞かせた。

だって、そうしないと裏切られた気持ちで泣きたくなるから。

お風呂が解放的になってて助かった。

4枚の翼を一番大きく出して、飛ぼうとた。

「アキさま!
 アキ様、待って!
 待ってください!!」

「うん、いいよ~
 大丈夫!
 気にしてないから!」

多分、うまく笑えたと思う。

大きく羽ばたくと、一気に空へ飛び出した。
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