神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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いざ独りになりたいって言っても、すでに独りじゃないし。
俺ってバカ。

ただの構ってちゃんじゃん。

番だとか思うから悲しくなるんだ。

普通に、精霊王と、神獣って距離を保てば問題ないんだ。
坦々と神獣としてやらなければいけないことをして、お母さんを救って、そしたらどっかへ行けばいいんだ。
最初から、そう思ってたのに。
初心に帰らないと。

チカちゃんに顔を埋めて宙ぶらりんな状態で考えていた。

『アキ様、前方から不審な者たちが近づいてきます。
 如何いたしますか?』

「人間?」

『人間ですね』

「この空を人間が来れるの?」

『翼竜か鳳ならば人を乗せても可能かと』

「人間でもそういうのに乗れるの?」

『何かの服従魔法を使えば』

「そんな、服従魔法なんて
 とにかく、見つからないように、全速力で逃げよう!!」

『御意』


チカちゃんは回れ右をして、全速力で駆けた。
多分、コレ、俺より速い。


『アキ様、前方に魔王軍です』

「え、それは、まずいのかな?
 前にラドルが仲が悪いわけじゃないって言ってたし」

黒い雲みたいなのがと思っていたら、魔王軍の集団だった。

え、ナニコレ、戦争でもするの?

斥候隊が一団から抜けてこちらに駆けてきた。

黒いカラスの様な翼に黒い軍服。
漫画の悪魔っぽいイメージの顔。

大きさは精霊王と変わらないくらいだった。

「そこの者、何者だ」

えっと真名は名乗ってはいけないから

「ブランカと申します。
 これは私の眷属にて守護のチカ
 空の領域を犯してしまっておりましたら、申し訳ありません
 すぐに立ち去りますので」

「ブランカとやら、どこに属す者だ?」

「属すとは?」

「人間の密偵ではないのか?」

「私は、半獣なれば、このような姿で力も弱く、
 生まれた時にはまだ子猫の姿で、森に居りました。
 それゆえ、世界を知らず。
 いま、初めてこのチカと飛んでみただけにございます。
 立ち去りますゆえ、どうかお咎めなくお願いします。」

「お咎めは魔王様が判断される、まずは来い!」

「あの、本当に、何も無いですから!
 ただ、森から出て見たかっただけなのです」

「黙れ!
 来るんだ!」


『アキ様、闘いますか?』
ダメ、無用な戦いは避けたい。

「わかりました。」

斥候隊の面々に前方、後方、左右を囲まれて魔王軍へ連れていかれた。


魔王軍の中央にいたそれこそ、漫画に出てくるような羊とか山羊?みたいな捻じれた大きなツノに、漆黒の髪、漆黒の瞳で見つめる人物こそが魔王だった。

「魔王様、前方にいた不審な者を捕えまして、尋問したところ半獣のブランカと名乗りました」

「お前、半獣じゃないな」

「何?!」

斥候隊は殺気立ったが、次の言葉で、唖然とした。

「神獣か」

あ、バレた。
そりゃそうか、この世で俺しかいない種族でこの姿だしな。
真っ白な神獣。

「申し訳ありません。
 無用な争いを避けたかったので」

俺を連れてきた斥候隊が焦っていた。

「ならば、何故このようなところにる?」

「はい、神の結界領域をうっかり出てしまい、迷子になっていました。
 どうしようか迷っていたところ、人間の集団がなぜか空から来ましたので
 関わりにならないように逃げてきた次第です。」

嘘じゃないよ。
うっかり出たわけじゃないけど。
迷子でもなくて、どこに行こうか悩んでただけだから。

「神の領域にいたのか。
 それなら、お前の顔を見たことがなくても仕方ないな」
 
幽かに笑んで、納得した。

本当の事言えば良かったのかな。

それにしても、神様の趣味なのか、美形しかいないこの世界。
魔王様も、やっぱり美形です。
しかも、闇属性だからか、なんか儚い感じで綺麗としか形容できない。
あ、でも、モブはそんなことないか?
いや、俺の元の世界でかっこいいよね、って言われるレベルはある。

そんなことを考えていたら、魔王から手を取られてチカちゃんから降ろされた。
翼あるから自分でも飛べるんだけど、なぜか魔王に横抱きにされてます。
お姫様抱っこです。

え?
え?
何で?

なんで?
なんでよ?
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