神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界来ちゃったのかな?

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屋敷に入ると執事風、と言うか、執事が現れた。

「ご主人様、無事のご帰還、何よりでございます。」

うん、羊の目だ。
半月を横にした、目。

「うむ、この子は神獣アキ
 身なりを整えてくれ」

お姫様抱っこのまま、執事さんに渡されて、そのまま浴室へ運ばれた。

「あの、降ろしてください、歩けますから。」

「いいえ、ご主人様よりお預かりしたお客様であり、ましてや神獣様ですから。
 ご安心ください、落としたりしませんよ」

ロマンスグレーな、美中年な執事さんは綺麗な姿勢で俺を運ぶと、浴室で洗い始めた。

ほかの人じゃないの?

「自分で洗いますから!」

「観察させていただきましたが、その肉球では、些か難しいかと存じます。
 長い御髪も洗えませんでしょう」

凄い恥ずかしい事に、真顔でご奉仕!されるのは非常に恥ずかしい!!

「綺麗な御髪に、素晴らしい毛並みですね。
 今上の神獣様はもしかすると最後の神獣様かもしれませんね。」

「最後の神獣?」

「はい、七精霊王全員から真名を捧げられ永遠を生きる方です。
 我が主人である魔王様もまた、神として永遠を生きる方。
 貴方様も、真名を捧げられれば永遠を生きる事になります。」 

「そう、らしいね。
 俺はもう少し成長したかったけど。」

「な、んと、すでに、真名を?」

「はい」

「失礼、神獣様はおいくつで?」

「この世界に生まれて2年ほどです。」

「まさか。
 素晴らしい!
 ご主人様もお人が悪い。
 そうでしたか。
 ほっほっ、神獣様、きちんと髪も結上げ、身なりを整えたら、お食事になさいましょう。
 多少の雑音もございますが、
 私が全て沈黙させましょう。」

「何か言われるって事ですか?」

綺麗に泡を落として、体の水滴を拭いながら、マントくらい大きいタオルで体を包んでくれると、髪を乾かしながら、結い上げてくれた。
女の子じゃないのに、編み込みされたり、飾りをつけられたり、ケモミミにパチンって瞬間痛みを感じて見たら、小さい真珠がいくつもついたピアスが付けられていた。
まるで三日月を象る様な、真珠と白金の装飾。
流れ落ちる様な細い金の鎖が何重にもなったものを首にかけられた。

服は、翼のせいでセパレートかと思ったら、白と桜色のグラデーションで染められたブラウスに、パンツだった。
ベストも着て、背中の翼はなるべく小さくしたけど、ちゃんと穴から出せるようにスリットが入っていた。

尻尾も同じように出せた。

凄い!

「執事さん、凄いですね!
 尻尾とか翼とか!
 それに素敵なデザインです!」

「ほっほっほっ
 魔王様の配下にはこの様に翼も尻尾も、果てはツノもありますからね。
 慣れてるんですよ。
 お針子には、とても喜ばれたと伝えておきましょう。」

「はい、ぜったいにお伝えくださいね!」

初めての服が嬉しくて、くるくる回ってたら鏡を持ってきてくれた。

これも初めて!

「執事さん!
 俺、服着るのも初めてで、鏡で自分を見るのも初めてなんですよ!
 凄いですね!」

「神獣様、ご自分の姿、お顔を御覧なさいませ。
 素晴らしく美しい方ですよ。
 白い髪、素晴らしい毛並み、白に縁取られながらも、しっかりとした形の瞳、奇跡の様な造形美です。」

「ふふ、それは褒めすぎですよ」

「いいえ、すぐにおわかりになりますよ。」

支度が終わり、執事さんに案内されて屋敷の中の大きな扉が開かれた。
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