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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む大きなテーブルに、大勢の人が席に着いていた。
1番奥に、タロー様が座っていて俺が部屋に入るとすぐ立って、迎えにきてくれた。
「アキ、私の隣へ」
「ありがとう」
テーブルを見渡すと、トリスタンも末席の方に座っていた。
タロー様の近くにいる方が、弟さんなのかな?
よく似ている。
執事さんが、俺のカトラリーを全てフォークとスプーンに替えてくれた。
「神獣様のお皿は全て切り分けてお出ししますので、ご安心を。
お食事を楽しめばよいのですよ。」
執事さんににっこり笑って、ありがとうと言うと、初めてその表情が崩れた。
「では、皆のもの、今上の神獣だ。
皆が名を呼ぶときはブランカと。
ここに私と暮らす故、よろしく頼む。」
シーンと静まり返った中で、執事さんが拍手をしたら、他の人たちも拍手をしてくれた。
さすがだ。
「アキ、美しいな。
その服も髪型も素晴らしく似合っている。
私に、アキの伴侶となる権利をくれまいか?」
「伴侶ですか?」
「伴侶だ。」
「あの、俺、男だし、お世継ぎは」
「世継ぎなど、私が最初で最後に決まっておる!
永遠を生きるのだから。
アキが逃げ出してきた神と同じよ。」
今日会ったばかりで、伴侶とか、わかんないよ。
神獣だから欲しいの?
「わからないです。」
「そうか、そうだな。
私もバカ精霊王の仲間入りをするところだった。
アキはそういう事から逃げてきたのだな?」
こくん、と頷いた。
「くっ!
もう、既に決めた、相手が?」
絞り出すような声で聞かれた。
「ううん」
首を振り否定した。
「好かれるなんて初めてだし、恋愛なんかした事ないから、騙されたり嘘つかれたりで、余計に分からなくなったの。」
「クソったれが!
あのバカ共め!
騙しただと?!
嘘を吐かれただと!!
万死に値する!」
タロー様が烈火の如く、俺の代わりに怒ってた。
「タロー様が代わりに怒ってくれたのが嬉しいです。」
嬉しくて隣を見ると、顔を赤くするタロー様がいた。
「アキ、これが美味いぞ
ホラ」
口をあーんって開けて食べさせてもらった。
「あむ
美味しい。
俺、この世界でご飯ほとんど食べないから、どんな物があるかも知らなかったよ」
「では、明日は、美味い物を食べに連れて行ってやる」
「本当?」
と言いかけた所で、多分タロー様の弟が割って入ってきた。
「神獣、ブランカよ、兄上には婚約者がおる、あまり近づくでない。」
タロー様を見た。
「いないぞ
あいつの妄言だ。
私は認めてもいないし、誰に聞かれてもいないと言える。
それに、いま、アキに結婚を申し込んだ所だ。
この意味が分かるな?
発言に注意しろ、そして、ブランカなどとお前如きが口にして良い名ではない。」
「酷いです、オプスクリタスさまぁ
私は身も心も捧げる所存ですのに」
いきなり後ろから、甘ったるい声で女か男がわからない魔族がタロー様に抱きついた。
あれ?
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