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異世界来ちゃったのかな?
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しおりを挟む何故か、俺にはダブって見えるから、男か女か分からなかったんだ。
そして、ダブって見えてる女の姿が、まあ、綺麗?だけど化粧の濃い連獅子みたいな人だった。
性格の悪さが顔に出てるって言うか。
「あのー、先代の神獣ですよね?
罪を問われて散らされたはずですが、まだ、この世界にしがみつくなんて、なんか秘伝の書みたいなのがあるんですか?」
興味深くて聞いてしまった。
「!!!」
みんなが一斉にこっちを見た。
怖いよ、なんで?
「え?皆さんこの人が先代の生まれ変わりみたいですけど、分からなかったんですか?
なんか、元々の姿とダブって見えてるんで、そういう風に生まれてきたのかと思いましたよ。
ははは、凄いなーって感心してたんですけど。」
「アキ、こいつ、そうなのか?」
「ブランカ様、これが?」
タロー様と執事さんが、確認した。
「はい、そうですね。
ね?先代さん
どうやったら、そんな事できるんですか?」
「散る前に魔法を使ったのよ!
入れる体に入っただけよ!」
あー、悪霊みたい。
この人可哀想。
「チカちゃん、スズキくん、イーリスさん、出てきて」
紅い焔の鬣を纏った戦闘体制のチカちゃんと、俺を守護するためにイーリスさんと程よい大きさで待機しているスズキくんが脇についた。
「ね、先代さん、ちゃんと生まれ直して、好きな人をさがしてください。
じゃないと、消さなきゃいけません。」
神獣として、やるべき事が魂に刻まれてるように、スッと入ってきた。
「何よ、アンタ!
その獣たち!」
「えーっと、貴方が神獣としての役割を果たせばきっと、貴方にもいたはずの子達ですね。」
「何を言ってんの?
私はここの攻略対象を、攻略するのよ!」
「あのさ、俺、乙女ゲームとかわかんないけど、それでも自分が好きな人と相愛になれれば、幸せじゃないの?
フェースライザーなんて、未だに君の服を用意して、好きなお風呂の仕様にして、天蓋付きの君と過ごしたベッドで一人で寝てるんだよ?
フェースライザーの為に、生まれ直してあげてよ。
俺は神獣だから欲しがって貰えたけど、先代さんは、先代さんだからフェースライザーが愛したんでしょ?
お願いだから、フェースライザー、待ってるんだよ、貴方を!」
「だって、魅了魔法で」
「魅了魔法なんて、とっくに切れてんだよ!!!
分かれよ!!
アンタさ、あんなに愛されてんじゃん!!」
「なんで泣くのよ!?」
「俺を騙して嘘ついて、それでもアンタを待ちたいから、俺を抱こうとしたんだよ、あのバカは!
だから、分かれよ!」
「そんな」
「あいつの側にいたいか、いたくないか、だけ選べ!!
俺は金輪際、お前らと関わる気はない。」
「分かった。
あの人の側にもいられない。
だから、消して」
「分かった。
チカちゃん、浄化の焔でこの魂を焼き尽くして」
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まあ、先代の魂だけを燃やし尽くして、今度こそ消した。
なんの涙かはわかっていたけど、袖でグイっと拭いて、みんなに向き直った。
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