神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界は続くよどこまでも

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俺も書く練習しなきゃ。

こちらの文字を書くのは初めてだったけど、すんなり書けた。
ワオ!
すごい俺!

凄いのは多分、万能の能力のおかげだな。

タロー様には真名なので紙に書き記す訳にはいかないから、どうしようかと考えていたら、真名を呼ばせれば形は分かるようになるから、なぞるそうだ。
マジか!

全然、時間稼ぎ出来なかった。

「タロー様、俺の真名は生まれた時にお母さんがつけてくれたそうです。
 記憶には無いんですけどね。」

「母君との大切な絆だな。
 私もアキの母君とも多少は繋がる事が出来るだろう。
 私も母君を探す手伝いができるな」

そうか、お母さんを探すのにタロー様もいれば、百人力だ!

ともり亜希あき
 俺の真名を呼んで」

「伴 亜希
 我が伴侶となりて、真名を刻まん」

タロー様の時と同じように光が溢れて包まれると、俺と同じ左半身に蔦のような模様が浮かんで、消えた。

「明日は、書き記す時に同じことを言うのだぞ。
 伴侶として、世界に名をきざむのだ。」

「はい」

明日、俺はこの人の伴侶になるんだ。
抱きしめてくれるこの腕を離さない。

「まだ、夜には早いが、許せアキ」

寝室まで抱き上げられて、皆がいる廊下を悠然と歩く。
誰もが祝福してくれるとは思わないけど、一人でもいるならその想いに応えたい。
だから、いま、愛される事を隠したりしない。
だってこの人は俺の唯一無二の人だから。
誰も俺たちの間には入らせない。

「アキ
 周りをご覧。
 皆が幸せそうだ。」

顔をあげて、周りの使用人や公務中の貴族たちも、一様に微笑んでくれていた。

「俺は、タロー様の伴侶として認めて貰えてるんだね」

「あぁ、むしろ早くしろとせっつかれておったわ
 甲斐性無しとまで言われておったぞ」

「甲斐性無し、ですか。
 ふふふ、確かに
 俺を甘やかし過ぎだしね」

「何を言う
 甘やかせるのは甲斐性がある証拠ではないか。」

「これも、トリスタンの赤ちゃん返りのおかげですね。
 あのヤキモチが無かったら今ごろ、どこか別な場所に行ってましたよ。」 

「間一髪だな。」

会話が聞こえてる人たちは、クスクス笑っているのが分かる。
蔑むような笑じゃなく、暖かい笑い。



寝室の前には警備隊員が立っていた。

「ご苦労様
 伴侶のアキはこれから、私の部屋が寝室になる、しっかり警備を頼むぞ」

「はっ!」

何言ってるのー!!
もう、恥ずかしい!

「みな、喜んでおります!」

「うむ、ありがとう」

「神獣ブランカ様、この度はおめでとうございます。
 魔王様を甲斐性無しのまま終わらせないで頂いて、ありがとうございます。
 我ら皆が、本当に喜んでおります。
 幸せにしてもらって下さい!」

「ありがとうございます。
 幸せにしてもらいます!」

タロー様がちょっとヤキモチを妬いたのがわかった。
真名って、こんなのも分かるんだ。



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