74 / 166
異世界は続くよどこまでも
11
しおりを挟む程なくして執事さん達が現れた。
「アキ様、御支度を始めさせていただきます。
昨夜から紋様が変わっておられますことと、身体の変化も含めて御衣装を数点ご用意致しましたが、美しさが増して素晴らしいツノが生えておりますな。」
「実は、ツノ、ちっちゃいけど最初からあって、隠してたんです。
朝起きたらこんな風になってました。」
「アキ様、此度の御衣装ですが婚姻として考え、パンツドレスに致しました。
如何でございましょうか?」
白の総レースでスワローテールのドレス版みたいな感じ。
「指輪を交換するわけではないが、この可愛い肉球は見せたくないな。
この肉球でもにゅもにゅされると、気持ち良くてな。
式の最中に思い出してしまう。
アキ、人の手足では嫌か?」
「タロー様が、そう言うなら。」
手足を人の形に変えた。
長い髪を丁寧に梳られ、沢山の人達の手で結い上げられ、片側に黒曜石の様な石が何重にも付いた物で、白い髪が飾られていく。
ホルダーネックの白いシャツに、白いスリムパンツ、上着に総レースで体に馴染む様に作られ、後ろ姿はスワローテールの様だけど裾の長さからドレスのスカートの様だった。
この裾、引きずるけどどうすればいいんだろう?
「アキが着飾るのは、素晴らしく嬉しいものだな。」
「左様でございますね。
この様な美しい方が、私どもの所に嫁して下さるとは。
ご主人様、今までで一番のご成果かと存じます。」
「うむ、確かにな。
我ながら、素晴らしいと思うわ」
えー、なんか、どんだけ周りから言われてたんだろう?
「タロー様の御支度は?」
「ん?
あー、正装するだけだしな。
すぐ済む。」
だからって、着替えてる間中いるとは。
そうだ、執事さんに髪飾りにもなってる黒曜石の粒を幾つかもらって、タロー様に送る装飾品を作ろう。
「執事さん、これと同じ石があったら貰えませんか?」
「畏まりました、すぐにお持ち致します。」
デザインを考えて、ずっと着けていてもらえるもの。
お互いのツノにイヤーカフの様な感じで被せるのは?
「アキ様、こちらで御座います。」
「ありがとうございます。」
石を手に持つと、魔力で金属を作る様に練り込んだ。
金の装飾品の中に、黒い石をちりばめる様に、また、紋様の一部を浮き上がらせた装飾になる様に。
固く、守護の魔法もかけた。
そして、お互いの命が尽きても尚、離れることのない魔法で作り上げた。
「アキ様の魔力、初めてこの目にしましたが、素晴らしいとしか表す言葉を持たないのが悔やまれます。」
「ふふふ
ありがとう。
タロー様、こちらを私から贈らせてください。
お互いのツノに着けられます。
一度着けたら、死んでも外せませんけどね。
どうですか?」
「死ぬことはないが、外せないと言うのが良い。
アキの魔力で作られた物を、この式で交わそう」
「では、こちらでお預かりしておきます。
ご主人様も、お早く御支度なさいませ。」
「うむ。
では着替えるか。」
え?ここで?
まあ、良いけどね。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺
ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。
その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。
呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!?
果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……!
男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?)
~~~~
主人公総攻めのBLです。
一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。
※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる