91 / 166
異世界は続くよどこまでも
28
しおりを挟む場所を選ばずと言うか、いきなり全員が現れた。
「ねえさん!」
「解!」
なんか、キラッキラした男の人だなあ、叔父さんて。
「ご無沙汰しています。
お義姉さん」
「久しぶりです。
お義姉さん」
2人のロマンスグレーが、お母さんに凄く丁寧に腰を折って挨拶をした。
「相変わらず素敵ねー
一志さん、侑士さん
私の事でご迷惑をお掛けしました。」
「いえ、元はと言えば、こちらの関係が原因です。
亜希くんにはしなくて良い苦労をさせてしまいました。
親子の時間を奪ってしまい、本当に申し訳ないことをしました。
飛島は今度こそ、潰します。」
「亜希くん、鏡越しでも綺麗だったけど
はぁ~、物凄い美人さんだね~」
叔父さんは年齢不詳なドール顔で、なんかうっとりしてる。
「あの、解叔父さん
亜希です。
今までお母さんをありがとうございました!」
恥ずかしくて、真っ赤になって頭を下げると、その頭を撫で撫でされた。
「良い子だね~
フィルくんから、飛島の家での事を大体聞いたよ。
あんな環境でも、ねえさんの子は素晴らしい人に育ったね。
ありがとう、生まれて来てくれて。」
こんな事言われた事なかった。
タロー様達から言われる好きや、優しい感情とは違う、胸の奥から遺伝子に組み込まれた嬉しさと幸福感で、涙が溢れた。
鼻の奥が痛く、熱くなり溢れた涙を肉球の手では擦れなくて、赤ちゃんみたいに声をあげて泣いた。
「お、れ
いらない、子じゃ、ないんだね
よ、よかった、あ」
「アキ、大丈夫だ。
私もいる。
この世界もみんなも、お前が大好きなんだから、泣き止め」
タロー様が横から肩を抱いて、髪や額、こめかみにキスを落としてくれる。
それが嬉しくて、また、泣いた。
「叔父上、アキは私が命をかけて護ります。
母君も、この世界で孫たちと暮らして頂きたいと思います。」
解叔父さんと、脇にいるおじ様達が、え?孫?って同時に声を上げた。
そりゃそうだ、俺だっておかしいと思ったもん。
「はい、私とアキの子を」
「え、ズルイ!
俺も面倒みたい!
絶対可愛い子だって決まってるじゃん!!」
えーっと、まず、男同士なんだけど。
そこのツッコミは無いんですか?
「アキちゃん、子供産めるの?」
フィル!
意外とまともな神経してたか!
「お腹に宿す訳では無い。
だが、体を使って神力を混ぜ合わせるのだ。」
「それって!!
セックス!!」
言葉にするなよ!
バカフィル!
「亜希くん、俺も生まれたら抱っこしたい~!!」
「いや、まだまだ、先ですから!
解決しなきゃいけない事が、たくさんあるんで。」
違う方向に暴走してるよー!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
776
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる