神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界は続くよどこまでも

29

「じゃあ、生まれたら！
　ね、絶対教えてよ？」

解叔父さん。
これは、本当に血は争えないってやつか。
同じ匂いがするｗ

もう一つ、すご～く気になることが。

叔父さんと俺、身長があんまり変わらない気がする。
母さんと並んで、あれ？って。

「あの、解叔父さん
　身長、いくつですか？」
　
「え、俺？　
　亜希くんと変わらないと思うけど？
　165だよ。」

えぇ！？

「お、俺、おっきくなったから、175くらいだと思ってた……」

凄いショック！
俺も165くらいしか無いんじゃん！！

「うむ、アキは小さくて可愛いからな。
　安心しろ」

「安心とかじゃないですよ！
　俺、ちょっとは大きくなった気がしてたのに！
　実際は、1センチも変わってないし～！！」

俺はジタバタしながら、身長の低さを呪った。

叔父さんの旦那様達（達だよ、達！！複数形！まぁ、叔父さん可愛いし若い頃はモテたんだろうなとは思うけど。イケメンさん達を一本釣りですか）からも謝罪されて、正直良く分からないまま、受け入れるしかなかった。
謝ったら許さなきゃいけないって、日本の文化なのかなぁ。
子供の頃の、かなり辛い思い出が、時々頭を過ると苦い顔つきになるのは分かってる。
でも、これって結果でしかないんだよな。
忘れることはできないけど、時が解決するってこういうのだろうな。

「一志叔父さん、侑士叔父さん、気にしてないって言葉は出せませんけど、今更で結果ですから。
　でも、お母さんの体を守ってくれて、本当に感謝してます。
　お母さんがいるって知って、凄く嬉しかったし。
　お母さんがどんな人か楽しみだったから。
　いらない子で捨てられたんじゃないって分かっただけでも、本当に良かった。
　だから、ありがとうございます」

ペコっと頭を下げた。
この人たちの家の財力で、お母さんの体は維持されてた。

その経済力があるなら、俺を探して取り返して欲しかったけど、お母さんが頼れないって思ってた理由が解叔父さんの指先の怪我の原因のせいなんだって聞かされたら、何も言えなかった。

「アキは、アキのままでいい。
　悩んでも、苦しんでも、悲しくても、アキはアキが思ったものを信じればいい。
　最初の約束は？
　そろそろ彼らを返したいんだけど。
　こっちで使った人形を代わりに持たせるから、息を引き取ったってことで手続きをすればいい。
　人間と変わらないように、2人で作ったようだからな。
　フィルに渡してたこの鏡で、こちらへ必要があれば連絡するがよい」

「神様！！
　ありがとう！！」

もう、絶対連絡なんか取れないんじゃないかって思ってたのに、最後の最後は本当に優しい。



お母さんの体にうまく精神体を入れた。

なんだか、お母さんの仮の体を持ってる3人の姿が、ちょっと何とも言えず…。
でも俺の隣にはちゃんと自分の肉体で、俺たちの子供を今かと待ち構えてるお母さんがいて、なんだか面白かった。
きっと、このお母さんと一緒に育ったら、一杯笑って、一杯怒って、一杯嬉しかったって思うよ。