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異世界は続くよどこまでも
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服従魔法なんてすぐ解除できると思っていた。
あの俊樹相手に、駆け引きとか裏をかくなんて無理な話だったのかもしれない。
ライカスだけは逃がしてやれたし、あとはタロー様を残してしまうことが心残りだけど。
正直、死んで消えてもいいと思っている。
タロー様以外の人が触るとか、意に沿わないことをしなきゃいけないとか、俺には無理だから。
「衣装だけは綺麗に作ってもらったじゃないか
獣に着せるって大変だろうけど」
「くそ!
お前を殺してや」
ギャッ!!
NGワードで首輪から電気と針が出る仕組みの様で、痺れる様な痛みと疼痛がもたらされた。
「言葉に気をつけろよ?
いいか、今のお前はただの飼い猫なんだよ
生かすも殺すも僕次第だ
無駄鳴きも許さないからな」
服従魔法の首輪は、時に絞めてもきた。
無言で睨むしか俺には術が無くなっていた。
「いいねー
さあ、皇太子妃神獣神アキが出来上がる時が来たな。」
シムラクルムと精霊王、そして諸侯及び志願した者たちで、人間の国へ向かっていた。
黒雲が出来たかのような大軍を先頭切っているのは、大地の精霊王セルゲートだった。
甲冑に身を固め、怒りの為に額には深いシワを寄せて、その力で大地を割りながら走っていた。
わざわざ、人間の国の大地を割りそれを根絶やしにする勢いで走るセルゲートを止める者はおらず、他の者達も続いて代償を与えて行った。
王都での婚儀が始められていた。
国民達は口々に祝いの言葉を投げかけ、神獣神アキを娶る皇太子に、何かしらの期待を寄せていた。
それは意に沿わない服従のせいだとわかっていながら、神が自分達により良い生活や恩恵を永続的に齎すと信じて疑わなかったからだった。
「ここに皇太子エドアルト・ラル・コンフィライアスと神獣神アキとの婚姻が成立した事を認める
真名の交換を」
ダメ、出来ない!
絶対嫌!
「真名の交換を!」
舌を噛みちぎって、喋れないようにすれば良い。
皇太子エドアルトの下卑た笑いに吐き気を覚えながら、舌を思いっきり噛みちぎった。
ゴブッ
痛みに目眩がしたが、溢れ出る血が白い婚姻の衣装を汚し、俺は否を表した。
もし治癒魔法を掛けられても、なんどでも噛みちぎってやる!
壇上で血を吹き出した俺を見て、観客達は悲鳴を上げたり、国王と式を取り仕切っていた教皇のような奴は慌てて近衛騎士たちに俺を取り押さえさせ、剣を首に当てながら口に猿轡を噛ませた。
しばらくの間の時間稼ぎは出来た。
「大魔法使い!
こいつの真名を言わせろ!!」
服従魔法が作用すると言わざるおえない。
ダメ!絶対ダメだ!
取り押さえていた近衛騎士が当てていた剣に、俺は思いっきり首を当て自ら頭を振り下げて切り裂いた。
血飛沫と血溜まりが出来て行くのがわかる。
出血し、ビクンビクンと体が痙攣するのを他人事のように感じていた。
これなら、みんなに迷惑をかけなくて済む。
ライカスの成長が見られないけど、仕方ないか。
床に、生臭く血を撒き散らして死にゆく俺を、俊樹が高笑いしているかと思ったら、呆然としていた。
視線は、俺ではない方向を見据えて。
あの俊樹相手に、駆け引きとか裏をかくなんて無理な話だったのかもしれない。
ライカスだけは逃がしてやれたし、あとはタロー様を残してしまうことが心残りだけど。
正直、死んで消えてもいいと思っている。
タロー様以外の人が触るとか、意に沿わないことをしなきゃいけないとか、俺には無理だから。
「衣装だけは綺麗に作ってもらったじゃないか
獣に着せるって大変だろうけど」
「くそ!
お前を殺してや」
ギャッ!!
NGワードで首輪から電気と針が出る仕組みの様で、痺れる様な痛みと疼痛がもたらされた。
「言葉に気をつけろよ?
いいか、今のお前はただの飼い猫なんだよ
生かすも殺すも僕次第だ
無駄鳴きも許さないからな」
服従魔法の首輪は、時に絞めてもきた。
無言で睨むしか俺には術が無くなっていた。
「いいねー
さあ、皇太子妃神獣神アキが出来上がる時が来たな。」
シムラクルムと精霊王、そして諸侯及び志願した者たちで、人間の国へ向かっていた。
黒雲が出来たかのような大軍を先頭切っているのは、大地の精霊王セルゲートだった。
甲冑に身を固め、怒りの為に額には深いシワを寄せて、その力で大地を割りながら走っていた。
わざわざ、人間の国の大地を割りそれを根絶やしにする勢いで走るセルゲートを止める者はおらず、他の者達も続いて代償を与えて行った。
王都での婚儀が始められていた。
国民達は口々に祝いの言葉を投げかけ、神獣神アキを娶る皇太子に、何かしらの期待を寄せていた。
それは意に沿わない服従のせいだとわかっていながら、神が自分達により良い生活や恩恵を永続的に齎すと信じて疑わなかったからだった。
「ここに皇太子エドアルト・ラル・コンフィライアスと神獣神アキとの婚姻が成立した事を認める
真名の交換を」
ダメ、出来ない!
絶対嫌!
「真名の交換を!」
舌を噛みちぎって、喋れないようにすれば良い。
皇太子エドアルトの下卑た笑いに吐き気を覚えながら、舌を思いっきり噛みちぎった。
ゴブッ
痛みに目眩がしたが、溢れ出る血が白い婚姻の衣装を汚し、俺は否を表した。
もし治癒魔法を掛けられても、なんどでも噛みちぎってやる!
壇上で血を吹き出した俺を見て、観客達は悲鳴を上げたり、国王と式を取り仕切っていた教皇のような奴は慌てて近衛騎士たちに俺を取り押さえさせ、剣を首に当てながら口に猿轡を噛ませた。
しばらくの間の時間稼ぎは出来た。
「大魔法使い!
こいつの真名を言わせろ!!」
服従魔法が作用すると言わざるおえない。
ダメ!絶対ダメだ!
取り押さえていた近衛騎士が当てていた剣に、俺は思いっきり首を当て自ら頭を振り下げて切り裂いた。
血飛沫と血溜まりが出来て行くのがわかる。
出血し、ビクンビクンと体が痙攣するのを他人事のように感じていた。
これなら、みんなに迷惑をかけなくて済む。
ライカスの成長が見られないけど、仕方ないか。
床に、生臭く血を撒き散らして死にゆく俺を、俊樹が高笑いしているかと思ったら、呆然としていた。
視線は、俺ではない方向を見据えて。
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