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異世界は続くよどこまでも
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しおりを挟む「貴様、お母様に何をした!」
霞行く視界の中で、タロー様と同じツノを持ち、白い翼に尻尾、金色の瞳をした青年が降り立った。
長い黒髪に白い色がメッシュの様に混じり、ライカスの持ち物と同じ特徴の青年だった。
「 」
声も出せない。
ライカス。
良かった。
膨大な魔力を纏いながら、俺に近づいて抱き上げられた。
力強く、俺よりも遥かに大きく成長して。
「服従魔法を解除するから、待って」
首輪をいとも簡単に外してくれた。
「お前たち人間を許さない。」
ライカスは低く唸る様に、言葉を吐いた。
ありがとう、そう言えずに俺は目を閉じた。
「お母様?
お母様!!
ダメ!
死んじゃう!
死んじゃダメ!
お父様!
助けて!
お母様を死なせないで!!」
雷鳴が鳴り響き、暗雲と共に闇の神であり、魔王オプスクリタスが執事カスティアと顕現した。
「アキ!!
カスティア!
治癒を!」
「はっ!
ライカス様、落ち着いてください。
アキ様の体の傷を癒します。」
「うん、早く!」
カスティアに任せて、オプスクリタスは人間たちと、大魔法使いの俊樹に向き直った。
「覚悟はできておるな?
私の伴侶を拐い、服従魔法で捕らえるなど言語道断だ。
まず、罰を与えよう。
国王よ、お主には煉獄の炎で生きたまま焼かれ続けるが良い。
死ぬ事は許さぬ
永劫、再生を繰り返せ。」
その言葉で、国王は霧散した。
行き先は死の国である。
「同じく、ここに集いし人間供は、生きたまま引きちぎられ、風が吹けば再生し永劫に繰り返せ。」
いやだとか、許してくれと叫ぶ者達に、オプスクリタスは悠然と微笑み、死の国へと送った。
残るは皇太子と大魔法使いの俊樹だった
「さて、人の王の子よ
何が目的で、我が伴侶を拐った?
心して答えよ」
尻餅をつき、腰が抜け這いずるように後ずさった。
「私は国民の為に!」
「国、国民、良い言い訳だな。
だが、相手が悪かったな。
神に手を出す愚かな行為で、今見た通りの罰が下された。
お前はそれでも、国民の為か?
国民はお前ら王侯貴族のために働きたくない、だから、神を拐い服従させればより良くなるとでも思ったか?」
オプスクリタスがその手を掲げ、皇太子を消し去ろうとした時、大地の精霊王セルゲートが地を割り、皇太子を割れた大地へと突き落とした。
「この様な奴は死の国などより大地のマグマで溶かしてしまえばよい」
「ふ、はっはっは!
セルゲート、お前も随分無茶をする」
オプスクリタスが笑い声をあげた。
「アキ様の事なれば。
当たり前の事でございます。」
皇太子の影にいた俊樹に目をやった二人が、その体を拘束した。
「勝てもしない戦を仕掛けたか教えてもらえまいか?」
オプスクリタスは眼光を鋭くして睨みつけると、俊樹に問いただした。
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