神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

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異世界は続くよどこまでも

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遅れて、シムラクルム達軍勢が王都を占拠してから、オプスクリタス達の前に現れた。

「オプスクリタス、そいつは例のボンクラ兄貴だ。」

「まさか!!」

一番に驚きの声を上げたのは、フィルだった。

「フィル…」

「まさか、本当に俊樹なのか?」

神に落とされる時、その容姿も変えさせられた。
こんなに醜い姿にされるとは思っていなかったからだ。
誤算だったのだ。
亜希を見つけて、何としても連れ帰りその財産を掠め取るために。
自分の人生設計の足掛かりとしての存在でしかないが、必要不可欠だったからだ。

「だから何だ
 お前がこいつの事に余計な口を挟むから、こんな世界に来る羽目になったんだ!
 あのままにしておけば、僕は有り余る財産で好きな研究を続けられたのに!
 その上、こんな醜い姿にされて!」

「それは、お前の本性だぞ
 哀れだな。
 フィルは性格は悪いが、中身はまだまともだっただけだ。
 亜希に至っては神獣になれるだけの要素がありすぎたからな。」

神シムラクルムが淡々と告げた。

「僕が、こんな醜い者だったというのか!」

「最初から、言っただろ?
 亜希を大事にしてこなかった奴が何を言ってるんだって
 だから、それに見合った姿にしただけだ。
 それでもいいと、亜希に依存していたのはお前の方だろ?
 亜希の親が遺した遺産もだろうが、亜希の優しさに溺れて、痛めつけていただけだろう?
 この世界で独り生きるのが辛いと泣けばいい。
 亜希を独りにしていたように、独りになればいい。
 私は見合った罰を下しただけだ。
 愚か者め。
 ただ、最後の温情で魔力を与えたが、もう、それも必要あるまい。
 今日限り、その姿で只人として生きるが良い
 それが貴様への罰だ。」

プライドや欲望の強い俊樹にとって、醜いまま、何の力もない自分は死ぬことより辛い罰だった。

「そうか、なら私からは、もし自死したとしても死の国での罰を受けてもらおう。
 その後、その業のまま転生させてやる」

冷酷な笑いを浮かべてオプスクリタスが、その先の運命も告げた。

がくりと肩を落とした俊樹に、フィルは憐んだ目を向けた。

「なあ、俊樹
 なんで一言謝罪をしないんだ?
 俺は、あきちゃんに酷い事をした
 そして、ちゃんと謝ったよ。
 あんな綺麗な子を気持ち悪いとか、
 お前、本当に醜いよ」

「僕は、周りから愛されて当たり前なんだ!
 僕は悪くない!」

肩を竦めてフィルが頭を振った。

「俊樹よ、お前をこの世界とは違う世界へ跳ばす。
 そこで償え」

神シムラクルムが俊樹を跳ばした。




「お父様!
 お母様が目を開けない!」

「ご主人様、アキ様のご容体が!」

オプスクリタスが振り向くと、体の傷は癒えたものの、蒼白な顔に息をしていないアキの体が横たわっていた。


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