神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界は続くよどこまでも

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タロー様がニヤニヤしている。

く～！

「はいそこ、イチャイチャしない
　アキはどう思う？」

神様に、お母さんが女王として国をまとめる、という事に確認をしてきた。

「異世界の者が、上にいきなり立つと言うのは大丈夫なんでしょうか？
　この世界は、この世界の人々が納得した方を上に立たせるべきではないでしょうか？」

「それなら、一度国民に問うてみるか」




タロー様が魔族の王なら、神シムラクルは人や獣全てを纏める方だけど、決して自分では王にはならない。

人は愚かで、神が人のルールに近くなれば、神の仲間入りをしたと思うからかもしれない。
魔力を持たない人だからこそ、その中のルールを築いて欲しいのかもしれないと、最近は思うようになった。


「母君の意向を聞いて、叶うならフィルが宰相になって欲しい。」

「神様、俺はお母さんに女王とかなって欲しくないです。
　それに人は弱くないですから、勝手に誰かが立ちます。
　神様が手を出す必要はないと思いますよ。
　それに、精霊王たちもいます。
　愚かな事をすれば、精霊達も黙っていませんから。」

「ふむ。
　確かに、私が支配するのと変わらなくなるな。
　人に畏怖を覚えさせるくらいで十分であろう。」

何か問題があればまた、俺たちが出ていけば良いだけだ。
人は人の理の中で生きていけば良い。

それに、異世界の者が異世界のルールを入れるのは違う気がするしね。

「お母さんにはライカスや次の子のお世話が待ってるし、
　落ち着いた今、一緒に暮らしたいんだ。
　お母さんと一緒にご飯を食べたり、
　撫でて貰いたいの
　だから！
　女王なんかになっちゃダメなの！」

クスクス笑いながら、フィルが俺をなでなでしてくれた。

「アキちゃんは初めてお母さんに甘えられるんだもんな。
　俺もあそこの家の生活を知ってるけど
　本当に酷かったから。
　そりゃ、世の中にはもっと、ってあるとは思うけど、身近で知ってる中で目の当たりにしてきたリアルの方が、共感も強くなるから辛かったと思う。
　こんな素直で可愛い子だから、余計に汚い飛島には眩しくて怖かったのかもな。」

「ありがと、フィル」

「はぁー、あの頃ちゃんとアキちゃんを見てればよかったよー！！
　くそー！
　そしたら、絶対！
　俺が守って可愛がって、甘やかして
　ずーっと愛したのに！」

タロー様の俺を抱きしめる力が強くなって来たから、やめてー！

「ふ、フィル、
　アキは未来永劫、私のものだ
　他をあたれ」

なんかちっさい事でムキになってるし。
可愛い、タロー様

「もう良い年のおじいちゃんだろ？
　若者に譲っても良いんじゃないのー？」

フィルも、揶揄うし。

「タロー様と俺、どのくらいの年の差なんだろ？」

ふと、疑問を口にした。