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異世界家族
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しおりを挟む「亜希、俺は櫂砥達と向こうに帰るよ。
ライくんのおかげで、不自由があった部分も元通りに回復させて貰った。
飛島をどうにかしないといけないしな。」
解叔父さんは、早々に帰ることを告げて来た。
「私たちの争いに、亜希君を巻き込んでしまって、申し訳なかった。
君が連れ去られた時に、捜していれば
あの家で辛く寂しい生活を送る事もなかったのに。」
一志叔父さんが、深々と頭を下げて謝る。
確かに、捜してくれてればとは思ったけど、タラレバは何も生み出さないことをよく知っている。
「皆さん、俺はもう、この世界の一部であり、全てなんです。
神様や伴侶のタロー様、カスティアや精霊王、ライカスに聖獣たち、お母さんにフィルもいます。
それに、これでも神獣神なんですよ。
タロー様と闇の責務も担っています。
だからもう謝らないでください。
これからも、俺達は家族って単位で
ずっと過ごして行くんですよ。」
本田家の人たちに別れじゃないと挨拶をして、この場はお開きになり神様が皆んなを向こうの世界へ帰した。
神様の浮かない表情が気になり、声を掛けるとありえない話が飛び込んで来た。
「アキ、気になることがあるんだ。
あの俊樹がもしかしたら、向こうの世界へ帰ったかもしれないんだ。」
俺は俊樹が神様によって裁かれた所は見ていない。
意識がなく、殆ど死んでいたからだ。
「別な世界に飛ばしたって聞いてます。
それなのに、何故?」
「飛ばした先は他の神が治める世界で
転生者として扱われたようなんだ。」
それって、よくあるチートスキルでどうにかなっちゃうやつ?
「こちらで、魔力を取り上げたのに
もしかしたら別な世界で新たに魔力を付与されたかも知れないって事ですか?」
神様にしては歯切れの悪いものの言い方をする。
「分からないんだ。
送り込むときは、別世界の神と話し合いをしておいたんだが、その下の者が取り違えたようなんだ。
その世界だけで生きるなら、それも構わなかったが、世界を移動したようなんだ。」
「それは、向こうの世界だけじゃなく、
この世界へも舞い戻る可能性があるってことですよね?」
「そうだ。」
「力を持って、向こうの世界へ行ったなら
解叔父さんたちに、普通ではない力で攻撃されるのではないですか?
もしかして、爆発物は俊樹では無いんですか?」
俺は神様を責めるような口調になっていたと思う。
「なら、この世界で叔父さん達を守った方がよかったじゃないですか!!
なんで!
なんでだよ!」
体の傷を治しただけで、太刀打ちできない力の相手のもとへ送るような真似をさせるんだ!
「人を沢山入れてはいけないの前に、
俺たちがした事も原因じゃないか!
何で最初から言わなかったの?」
タロー様も知らなかったらしく、俺の肩を抱きながら、神様の横っ面を張り飛ばした。
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