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異世界家族
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しおりを挟む「シムラクルム、あちらの世界に干渉は出来ないとはいえ、これは違うだろ!
叔父上たちが巻き込んだと思ってるから、良しとしたのか?」
タロー様が声を荒げた。
「別世界の神が、アキに会わせろとしつこくて」
「うん?」
タロー様が片眉を上げて、余計に不機嫌な顔をした。
「多分、わざと、だ。
わざと転生者として処理したんだ。
アキを欲しがってるんだ」
「はあ??!
なにそれ!!」
俺は怒りと驚きで、思ってもいなかった大声を上げた。
「その神にも兄弟神がいるであろう
そちらから、状況を聞き出して対処はできないのか?」
タロー様が意外にも冷静に神様に尋ねた。
「私は、嫌われていて…
だから、わざと転生者にされたのだ。」
胸糞が悪くなる。
「神様、何でそんな弱気なんですか?」
神様の態度もおかしい。
「分かりました。
タロー様とその別世界の神様に会いにいきましょう
埒が明きません!」
イライラとしながら、どこの神なのかを追求した。
「シムラクルム、言え!
時間が無い!
これで叔父上が死んだら、私でも生き返らせることは出来ない!
言え!!」
さすがにタロー様も限界が来たようだった。
「おおおじさま、命が危ないのですか?」
ライカスが俺達の雰囲気に気づいて、会話に入る様に駆け寄って来た。
「そうです!
ライカスがせっかく回復させたのに、
台無しにするんですか?!!」
イライラと焦りが収まらない。
「神様!
良い加減にしてください!」
「おかあさまは、シムラクルム叔父さまの知ってる事が知りたいのですね?」
ライカスの金色の瞳が揺らめいた。
「なら、探りましょう。
シムラクルム叔父さまの記憶を見ればいいのでしょ?」
「ま、待て!
言う!
連れて行く!」
ライカスが記憶を見るとか、正直怖い事を言うから、神様もさすがに口を開いた。
いや、確かにライカスは記憶を見れるんだ。
生まれてすぐ、タロー様の行動を浮気だとか色々責めてた。
実際は浮気の基準が違うと言うか、見ただけで浮気くらいの話だったから、あまり気にしていなかっただけで、実際は記憶を見れるんだ。
それを神様も理解していると言うことは、見られたくない記憶があると言うことか。
連れて来られた境界の様な何も無い空間で、神様と俺達の家族3人が待っていると、良くも悪くも洗練された紳士の様な男性が現れた。
まるでどっかの貴族か社長みたいに、三揃いのスーツを着こなして、俺達より年上に見えた。
タロー様が30代半ばくらいだとすると、40代前半くらいの雰囲気だ。
金髪を後ろに撫でつけて、オールバックにしている。
碧の瞳で猛禽類のようなしなやかな体で近づいて来た。
「やあ、シムラクルム
そろそろ、待ちくたびれていた所だったよ。」
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