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異世界家族
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しおりを挟む夕食時に、それは起こった。
「ほんと、こっちの世界の食い物は不味いなぁ
お前ら、こんな物よく食ってられるな
餌だろ、コレ」
一応、整った顔に生まれ直しても、下卑た根性は変わらなかった。
俺たちが人間だった頃は、裏で画策していた事が、今は魔法もあり、貴族としての地位もありで隠す必要が無くなったのだろう、最悪だった。
害虫としか言いようがない。
「ったく、早く魔力をレベルアップして、日本へ帰りたいんだよなあ。
コレだけの金貨や財宝、それに魔力があれば、俺は世界を牛耳れる!
地球に魔法がない限り、俺が頂点に立つのは決まった事だしな。
あの気持ち悪い亜希すら必要ない、素晴らしい力だ。」
7日は必要ないな。
この状況で新人の使用人たちは辞めていくのがよく分かる。
だが、古参の使用人たちは、何故か耐えている。
不思議に思い、メイド長に首を傾げて問いかけてみた。
「あぁ、昔から感の強い子だったんだけど、あんな態度をとる子じゃなかったのよ。
小さい頃は優しくて、私たち使用人にまで、感謝を言ってくれる子だったの。
魔法が使えるようになった頃から、段々と人が変わってしまったように横暴で、命を粗末にする様になって、今ではこの通りよ。」
魔法が使えるようになってから?
それっていつ?
「そうねぇ
7歳の洗礼式の時かしら。」
待って、この世界は時間の流れが早い。
一度は、ラエヴが勝手に放り込んで転生という形で辻褄を合わせてる。
神様やタロー様の世界の約二週間が一年に当たるとすれば、7歳の洗礼式でアウィスが無理やりこの魂と結びつけて、世界の住人にしたのであれば、大体四ヶ月強という日数が合う気がする。
本来のこの魂が俺を手当てした子で、いま、横暴を働くこれが俊樹としたら、納得が行った。
世界の住人なら生まれ直すだろう。
魂を剥ぎ取って分離なんて、アウィスにもラエヴにもその力は無い。
そして、タロー様にも。
俺が先代の神獣だったあの女の魂を消し去った様には出来ないんだ。
だから、俺か。
アウィスが兄神ラエヴにも言えてなかった事実なのかもしれない。
まさか、辻褄合わせをしたのに、本当の生まれ直しじゃなく、既にある魂と体を横取りさせた様なものだから、ラエヴの体の犠牲は更に大きくなったのだろう。
どうやって、魂を引き剥がすか。
出来れば優しいあの子の魂を残してやりたい。
これが、俺の決断に任せる、という事か。
正直、アウィスも神なのだと。
まるで試練のように、確かな事は告げずにピースを当て嵌めさせ、答えを見つけろと言わんばかりのこの内容に、些か腹も立った。
バカにするな!
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