神獣ってモテますか?(モテないゲイは、魔法使いを目指す!@異世界版)

ビーバー父さん

文字の大きさ
141 / 166
異世界家族

21

しおりを挟む



今聞いたことが初めてだと言わんばかりのリアクションをするラエヴに、アウィスは違う、違うと否定する言葉を出した。

「何が違うの?
 ねぇ、なんの罪もない子の魂に無理やり突っ込んで、心が壊れていくと泣かせるのと、何が違うの?
 ねえ?
 楽しかった?
 うちの神様のシムラクルムを苦しめたかっただけだよね?
 意地悪じゃないとか言ってたけど、結果は最低な腹黒い意地悪だよね?
 自分がしでかした事でラエヴ様の体に負担が出ちゃって怖くなった?
 俊樹の魔力大したことなかったよ。
 だって、そっちの世界の精霊、死に絶えそうだったよ?
 てことはさ、ほっといても異世界間を渡ることはできなかったんだよ。
 でもさ、ラエヴ様の体を元に戻すためには、俊樹を排除しなきゃいけないから、神様に嘘の話をして、俺を使ったんだよね?
 自分たちではどうにもならないから。
 あの子の魂と癒着してるのを剥がすのは、一度あの子に死を与えないと出来なかったんだよ。
 うちの神様も俺のためとは言え、責任はある。
 だけどさ、これは無いよね?
 だから、俺、ラエヴ様の穴はそのままにすることにした。」

「な!」

アウィスが焦るけど、知らない。

「向こうの精霊界は俺の眷属だから、
 無理に魔力を使う事もさせない。
 この意味わかるよね?」

「アキ殿、弟はそんな、こと、を」

「考えなしにやった結果だよ。
 普通に人間に転生、もしくは放り込んだだけなら、何かしらのペナは出ても、ラエヴ様の一部を犠牲にする事は無かったと思うよ?
 でもさ、魔力を使う上で必要な精霊が死に絶える寸前なのに、魔力を与えてしかも魂をそのまま入れたら負荷は半端ないよね?
 精霊の代わりに、ラエヴ様の心臓もってかれても仕方ないじゃない」

「アウィス!
 これが事実なのか?!」

ラエヴがアウィスを怒鳴りつけた。

俺から殴られて顔半分腫らしてる、変態がえぐえぐと汚く泣きながら、暴露を始めた。

「だって、兄上様がシムラクルムなんかを好きだって言うから!
 僕のが、絶対好きだもん!
 最初はちょっと困らせてやれって思ったんだ。
 そのまま人で暮らすんじゃなくて、少し魔力を与えたらシムラクルムたちが焦って謝ってくると思ったんだもん!
 でも、魔力を取り込む力が強くで、魂もくっついちゃって、そしたら兄上様の体に異変が起きて、心臓を精霊たちの維持に持っていかれちゃって、どんどんどうにもならなくなっちゃうから、だから」

「やって良い事と悪い事ありますよね?」

神獣神の素の姿になっている俺は、長いツノに、長く白い髪、大きい翼、ふぁさふぁさの尻尾、翼を目一杯広げて怒りをあらわにしていた。

何がイイハナシダナー的に持っていってんだ!

鉄槌を下そうとした所で、神様が割って入ってきた。

「アキ、怒りを収めてくれ。
 私も、ラエヴに無理を承知でやらせた事の責任はある。
 だから、」

「分かりました。
 なら、あちらの精霊神を俺たちの世界へ連れて行きます。」

「アキ、それは怒りを収めていない」

「当たり前でしょ
 こんな卑劣なやり方で、救いを精霊達が求めてくるんですよ!」

「彼らも十分罰を受けた。」

「関係のない子供の魂と、沢山の精霊を犠牲にして、ね。」

しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺

ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。 その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。 呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!? 果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……! 男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?) ~~~~ 主人公総攻めのBLです。 一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。 ※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...