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異世界家族
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しおりを挟むやっと、ホッとした感じだ。
タロー様が抱き寄せてくれる。
「アキ、頑張ったな」
撫でてくれる大きな手がとても気持ち良くてすりすりした。
「ライも!」
ライカスをタロー様は脇に抱えて、反対側に俺を抱き寄せて、神様とこの世界と俺達の世界を一部繋げるために力を使った。
俺もその繋ぐ作業に力を使った。
時間の流れが違うから、どうしても全部は繋げられないから、トンネルと言うか通路の様な場所をワンクッション入れて繋いだ。
今いるこの空間を中継地点にして、それぞれの世界を結界で包んで、勝手に行き来はできない様にきちんと管理できる様にした。
いずれは、作り直さないと行けない時が来るとは思うけど。
神様には、俊樹の脅威は無くなった事を解叔父さんに伝えてもらうのと、俺の管理下になったあの世界に、いずれみんなを転生させたらどうだろうか、と思ったりしてる事は内緒だ。
あれからひと月程の時間が経ち、解叔父さんに何度か連絡をした。
飛島の家の方は正攻法で攻めてるから、時間もかかってるらしく、遅々として進んでいないらしかった。
ただ、俊樹と言う存在が無くなったので、人外の力が働くと言うことは避けられたと思っていた。
解叔父さんからの良い報告がないまま、時間が過ぎていくけど、さすがに日本の方に干渉する訳にはいかず、煮詰まり気味の時に、お母さんがライカスの面倒を見たいからお邪魔するわね、と言われた。
「亜希、少し焦りすぎよ。
解はね、周りに力を持った凄い人達がいるんだから。
ほんとなら、亜希をすぐに助けられたかもしれなかったのに、ごめんね」
「お母さん、俺、今の方が幸せだよ!
だって、探されてたら、タロー様に会えなかったよ。
それに、俺、結構美人でしょ?
だから、幸せなんだよ。
ただ、やっぱり家族が危険なのに、何も出来ないのが悔しいだけなんだ。」
「母上、私もアキも、叔父上たちの事は色々考えております。
まあ、最悪は、こちらと言うか
最近管理下になった方の世界に転生させればとか、考えてますけどね。」
タロー様が、俺が思ってた事を言ってしまった。
「っ!
それ!」
「うん?
まあ、手順と基準だな。
それに我らの管理下だ。
ルールは我らが決める事だしの」
「だって、ラエヴだってあれだけのリスクがあったじゃない!」
「あれは他の神の統治下の世界で、既に我らの世界へと作り変えられつつある。
アキがその布石をしてきたではないか」
タロー様が豪快に笑った。
そこで神様が今の状況とこれからの予測を話してくれた。
「アキ、新しく管理下にあるあの世界は時間の流れが早くて、専属で見るものが必要だ。
あの精霊神だけでは、世界が偏る
また、第二の彼奴らがでないとも限らない。」
さすがに他所の神様を辞任させて、その世界取り上げるなんて、今にさして思えばやり過ぎだったとは思ってる。
でも、ムカっ腹だったんだもん!
何かしら、対策は必要なんだよね。
時間の流れ、変えられないかなー。
応援ありがとうございます!
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