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異世界家族
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しおりを挟む別室に行くときに、一志叔父さんが笑いながら俺の頭を撫でた。
「アキちゃん、いいもの見せて貰ったよ。
俺たちは子供なんて望めないけど、
まるで孫の誕生に立ち会ったような気持ちを味合わせて貰った
それに、親父がこっちに来るっていうのも、心が軽くなったよ」
解叔父さんの旦那さんたちは、正直、俺でもドキドキしてしまうくらいかっこよかった。
「解叔父さん、幸せですね~」
「アキまで、もう~」
いやいや、こんな可愛いシニアってどうなんだ。
それに皆背が高くて、俺と解叔父さんはセミだった。
電柱にセミ。
「お母さまにはライカスがいますから、大丈夫ですよ。」
「あぁ、それなら私も立候補するね」
神様が加わった。
そして、なんの牽制なのか分からないけど、ライカスが大人の姿になった。
「え~ライカス君は大人なんだね
それに凄いカッコいい!」
解叔父さんがキラキラした目で見てるけど、ダメですからね。
「はい、私はお母さまだけしか愛しませんから」
「いや、ライカス…
魔力でできた子だから、血のつながりっていうのとは違うけど」
モラルがね!
「さて、櫂砥の体を作ってもらえるかい?
解、いいかい?」
魔力を練る。
櫂砥さんの生前、一番解叔父さんが好きだった頃の姿を再現できるように、歌った。
すると、ライカスも一緒に歌って、櫂砥さんの体が器とは言えない転生したときに入る体が出来上がっていた。
「ライカス、これは、もう転生だよ。
アキ、櫂砥をここに転生でいいの?」
「ふふ、もう、仕方ないですよね?
神様だって、正直ここまでになるとは思ってなかったでしょ?」
「まぁね、これじゃぁ
ライカス、アキが凄く好きなんだね」
「私が、お母さまを幸せにすると決めていますから」
皆が苦笑いをしてライカスにがんばれ、と声をかけていた。
「神様、櫂砥さんの魂を入れましょう」
神様が魂を取り出し、俺がその魂を体になじむように入れようと手を当てていたら、その上からライカスの大きな手が被さって俺の魔力に同調するように後ろから抱きしめてきた。
や、これ、ダメ、集中しなきゃ!
魂が定着すると、緊張からどっと疲労感があふれ、フラついたところをライカスから抱きしめられた。
「アキ、大丈夫かい?」
神様が俺をライカスから奪い、抱きかかえた。
「さすがに、今日は双子のことと、体を作ってからの魂の定着はきつかったみたいです」
確かに、命二つ分の魔力と、体と命の為の魔力を使えば枯渇するのかもしれない。
「ごめん、みんな、少し疲れました。」
意識が遠くなりそうな時に、体になじんだ櫂砥さんが目を覚ましてすぐ、俺を神様と支えてくれた。
凄い、カッコいい人だね、解叔父さんの旦那さんて。
「シムラクルム叔父さん、私が」
「いやいや、たまには実家の母上のところでゆっくるするのがいいと思うから、私がこのまま連れて帰るよ。
櫂砥も連れて行って、家族で水入らずの時間を過ごした方がいいんだよ。
それに、アキも向こうの事情を知りたいだろうしね」
ライカスがムッとしながらも、なら、自分もと言いかけて、双子はどうするんだい?という神様の言葉に黙って引き下がるしかなかった。
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