その瞳の先

sherry

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そして新入生歓迎会を翌日に控え俺は親衛隊集会を開いていた。

「明日はいよいよ歓迎会です。会長との距離を縮める機会となりますが、不穏な空気もあり、1人で行動せず複数での行動をするようにしてください。明日は思いきり楽しみましょう」

そう亜蓮が来てから約二週間少しずつ学園にも慣れ始めた。
だからこそ今少しまずい状況である。

まず、常に役員達と一緒にいる亜蓮、明日は役員達も忙しく構ってはいられない
そして役員達の親衛隊がそろそろ動き出す気がする。

そして最近同じ親衛隊内で制裁が行われている。
今のところ俺のとこはないが、チャラ男会計のところでは月島が動きだしたという。
何でも会計の部屋に呼ばれ行ってみれば親衛隊員が部屋から出てきた。その後月島に「あの子気に入ったから手出さないでね」と・・・
今までは親衛隊員に対してそんなことは言わなかった。本気なのかとと問えば「亜蓮からの紹介だから」と言われたそうだ。

まさかそこで亜蓮が出てくるとは、何がしたいのかその隊員もその後隊内で大きく振る舞っているという。
月島は自分が一番会計との関係があるため特に気にしていなかったが、そのお気に入りの隊員の周りから喰っているという事態が起こり今までは気まぐれなりにも分け隔てなく関係を持っていた会計が内部のトップが変わるやもしれない事態に統制が取れなくなってきている。
そして今回月島派とお気に入り派に分かれ内部制裁が起こった。
被害者は月島派。その生徒は今だ寮から出てきていない。

親衛隊は各対象者を支え守らなければいけない。
憧れや熱情で親衛隊は成り立っているといっても過言ではない。
対象者からすればいい迷惑なのかもしれない。しかし影から支えているからこそ自由に行動出来るということもまた分かって欲しい。
それは生徒会という組織には必要不可欠なのだ。
何故なら、支持率がなければ統制は取れない。5人という少数精鋭でこの学園を統治しなければいけないからだ。例え体だけの関係であっても

会計様はどうするおつもりだろう?このまま月島達が居なくなれば隊の統制はおろか自身の身に危険が及ぶ可能性だってある。

他の役員だってそうだ。このまま何事もなく新歓が終わればいいと心から願う。

集会が終わり一部の隊員から

「隊長、隊長は会長様と付き合っているというのは分かりますが、そこらで手を繋いだり抱きついたりというのは如何なものかと。私は部活をしておりますので度々お二人が寮に帰るのを見ます。」

「私も来ないだの日曜日お二人で腕を組んで出掛けるのをお見かけしました。」

「確かにお二人が仲がいいのは分かりますが、少しやりすぎではありませんか?」

どういう事だ?確かに付き合っていることは公表している。その上で俺たちは周りの目があるところでは行動を控えている。しかも最近は亜蓮が来てから2人で出掛けてもいなければ会ってもいない。

「すまない。気を付けてはいるのだがこれからはもっと皆のことを考えて行動する」

隊員達が言うのも無理はない。付き合っていることを知りながら、湊斗を支えよう守ろうとしてくれている。
身に覚えがないが心当たりがない訳ではない。
亜蓮・・・俺と身長は違えど後ろ姿はほとんど変わらない。同じ髪色だからこそパッと見ただけでは判断出来ないのだ。
俺にはなにも言わない2人、やはりこのまま終わりを迎えるのだろうか。

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