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14 王子様と死の気配
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俺、何でここにいるんだろう。
高貴な方の寝室にいきなり通されるとは思わなかった。礼儀作法は成金と言えど貴族、一応は習ったから大丈夫。
いや先生の話全然覚えてねーわ。死んだなこりゃ。
我が国、セルリアン王家からの先触れが来たのは昨日の夕方。若いオンナノコの柔肌のような、しっとりとした手触りの良い封筒。裏返して青い封蝋を見ると、王家の紋章が。
きっと親父はクソ面倒臭ぇの来たぞと思いながら開封して、俺に転送したのであろう手紙の内容をかいつまんで言うと、『第七王子のニコラウス様が、最近全然眠れていないんだ。だからあなたの御子息の力を貸して』とのこと。
貸してっつーか貸せよってことだ。相手方の気持ちはどうでも権力がでかすぎる。
このときは王子が眠れないからって、面識すらない余所の子供を夜中に貸せ、早く来いとか、王家すげーなーとしか思ってなかった。
添付された親父の手紙には走り書きで『行っとけ』とだけ書かれていた。雑すぎません?
勿論ブルーノ先輩にもすぐ手紙を見せに行った。相手が相手だから、断れとは言えなくて嫌な顔をするだろうなとは思ったけど、思った以上に嫌な顔をしていた。
いや、史上最高の悪人顔をしていて脚が震えた。黒い煙が見える気がするんだけど、これが魔力なんだろうか。わ、わーい。俺ニモ感知デキタゾー。
先輩は『僕が同伴するけど、それでも良いなら受けると返信して』と言った。初仕事一発目の依頼がこれで、守ってくれようとしている先輩に申し訳なくなったのが顔に出てたのか、ふっと笑っていつもの先輩に戻ってくれた。
手紙はクッシャクシャにして投げてたけど。後で拾った。
実は今回の依頼、急を要する内容のためかなりの弾丸スケジュールだ。手紙を受け取ったその場で即レスを要求された。早馬で駆けてきた騎士様に懇願されたのだ。
訪問日もその翌日。流石に当日に連れて行かれなかったのは失敗できない仕事であるため、学園のレイブン先生が放課後の特訓に付き合ってくれたからだ。
『コップの水を零れないように回せ』と、キセルをふかしながらむちゃくちゃ言ってくる先生の要求に悪態を吐きながらフラフラになるまで頑張った。
前みたいに事故らないよう、外で結界を張り続けてくれた新任の先生が一番ぐったりしていたかもしれない。
出迎えてくれた馬車はシンプルだけど、お金がかかっていることがよく分かる上品な美しさだった。
サスペンションの良さに興奮し、中も外も広い王城の規模に震え、使用人さんにまで緊張していたのは俺だけで、同伴してくれた先輩は憮然としていた。
応接室に通された後、先輩と別れて件の王子様の私室へ向かう。先輩、お茶に手をつけてなかったな。ちょっと使用人さんが不憫だ。
──────
初めて見るクソデカ天蓋ベッドに溜め息が出た。そこまでは良かった。ベッドのシーツに首まで埋まった、虚ろな顔を見るまでは。
神様が丹誠込めてお作りになったのであろう。
銀色なのであろう長い髪は、白髪のように枕元に散らばっている。そこから覗く整った造形の顔は、最早死人だ。
色を失い、髪と同じように白い肌。落ちくぼんだ眼瞼はどす黒い。数日前に手にした封筒のことが頭をよぎった。
植物の息の根を止めて作った薄い有機物より精気が感じられない。
焦点の合わない薄紫色の目だけが油を塗ったようにギラギラ光っている。生きている。今は。
魂が糸一本で留まっているかのようだ。
初めて感じた死の感触に、作法への不安や、勝手に思い描いていた王子様像が消し飛んだ。
出来るだろうか。俺は今から、この人を地上に繋ぎ留めないとならない。
「…はじ、初めまして。突然の訪問、お許し下さい。僕はジュスティ家次男の、イレネオと申します。殿下に鎮静の魔術を施しに参りました」
「安楽死か…?」
「えっと…、休息です。息抜き、静養するためのものです」
言い方が無礼だっただろうか。静かにパニックを起こしていた俺の挨拶は、簡素過ぎたかもしれない。王子はどろりと視線を向け、第一声は強制安楽死を疑うものだった。
ああ、これは本当に弱ってらっしゃる。
話すのも辛そうだ。ベッドの横に用意された椅子に出来るだけ静かに掛け、右手に杖を持つ。
左手は彼のお腹の辺りにそっと置く。嫌がられるかもと思ったが、身動ぎもせずこちらをぼんやりと見ていた。
──さあ本番だ。
揺蕩う雲海 揺籃の如く
御身を抱き 守り包めよ
下れ下れよ 綿羽の如く
乗せた手をトン、トン、と小さく叩きながら、既知のメロディーに載せた呪文を詠唱する。
今にも真っ黒な空へ飛んでいきそうな彼を真綿で優しく包み、体内に籠もった熱を散らし。
ゆっくり、そっと、揺らしながら地上へ下ろす。
魔力の残滓である光の粒が、薄暗い部屋でプラネタリウムのように回転する。
部屋の外へ飛ばさないよう意識をすると、零れる残滓は渦を描く。これを2度、3度と繰り返した。学園では一発でみんな眠った呪文である。
王子様が強固な覚醒の呪いにかけられていることが嫌でも分かる。
彼の瞳に残滓の星が映り込む。やがて揺れるテンポに合わせたように、彼の目蓋がうつら、うつらと落ちてゆく。
手応えを感じた俺はようやくホッと息をついた。
……規則正しい寝息が聞こえる。
けぶる睫毛が落ちた寝顔は、俺が見たことがないはずの、彼の幼年期を思わせた。
起こさないようそっと退出し、身振りで案内してくれる執事さんに付いて歩いた。もう外は真っ暗だし、挨拶をして早々に帰ろうと思ってたのに。
執事さんが突然膝を折り、声を上げて泣き出してしまった。やだ、お爺ちゃん!どうしたの。貰い泣きしちゃう。俺そういうの弱いんだって!
手紙には書かれていなかったが、王子様は丸々6日間眠れていなかったらしい。うつらうつらと船をこぐ様子はあれど、寝台に乗ると目が冴えてしまう。
幻覚を見る頻度が増え、食欲を失い、少しずつ壊れていく彼を様々な方法で眠らせようとした。
最初頼っていた睡眠薬は耐性がついて効かなくなり、安眠香もおまじない程度。秘密裏に行った医療魔術すら効かず、医療魔術の最高権威が出張先から帰るのを待つしかなかった。そこで学園長が俺を王家に紹介したのだ。
今日眠れなかったら一週間の大台である。改めてゾッとした。
成功した安心感から気が緩み、ふと感じた疑問を口にしてしまった。
「あの、殿下って魔術が効きにくい方だったり…あっ」
身体のことについて訊ねるのは無礼だったり、機密だったりしたかもしれない。すみませんと謝る俺に、ようやく涙を止めた執事さんが言った。
「いいのです。ですがどうぞ御内密に。その通り、殿下は魔術をかけることは出来ても、かけられることはほぼ不可能です。王族にはままあることです。完全にできないわけではありせんので、今回は僅かな可能性に賭けたのです」
魔術で害されないけど、益されることもできない。なんでも思い通りにはいかないものだ。
なんだか凄い体験をしてしまったとぼんやり応接室に戻ると、パッと顔を上げた先輩が出迎えてくれた。人前で抱きしめないで欲しいけど、生きている人の感触になんだかホッとした。
帰りの馬車では俺を膝に乗せたがる先輩と普通に座ってほしい俺とでバトルしたが、結局負けた。御者さんが笑いを噛み殺して微振動していた。恥だ。
生きてるのが一番だけど、元気過ぎるのもちょっとどうかと思います。
明日休みたいとゴネながら寮へ戻る先輩を見送り、明日は休日の俺は家まで送って貰った。勝手知ったる邸で入浴を済ませ、ベッドに入ってもしばらく眠れなかった。
いつもなら3秒で眠れるのに、流石に緊張していたみたいだ。
あの硝子細工みたいな王子様は真面目で優しすぎる人なのかなぁ、お育ちが良い人だろうから、自分に厳しくしすぎるのかもしれない、などと勝手に妄想していた。
俺に寝かしつけられてウトウトしている彼の顔を思い出すと、自然と目蓋が落ちてきた。
高貴な方の寝室にいきなり通されるとは思わなかった。礼儀作法は成金と言えど貴族、一応は習ったから大丈夫。
いや先生の話全然覚えてねーわ。死んだなこりゃ。
我が国、セルリアン王家からの先触れが来たのは昨日の夕方。若いオンナノコの柔肌のような、しっとりとした手触りの良い封筒。裏返して青い封蝋を見ると、王家の紋章が。
きっと親父はクソ面倒臭ぇの来たぞと思いながら開封して、俺に転送したのであろう手紙の内容をかいつまんで言うと、『第七王子のニコラウス様が、最近全然眠れていないんだ。だからあなたの御子息の力を貸して』とのこと。
貸してっつーか貸せよってことだ。相手方の気持ちはどうでも権力がでかすぎる。
このときは王子が眠れないからって、面識すらない余所の子供を夜中に貸せ、早く来いとか、王家すげーなーとしか思ってなかった。
添付された親父の手紙には走り書きで『行っとけ』とだけ書かれていた。雑すぎません?
勿論ブルーノ先輩にもすぐ手紙を見せに行った。相手が相手だから、断れとは言えなくて嫌な顔をするだろうなとは思ったけど、思った以上に嫌な顔をしていた。
いや、史上最高の悪人顔をしていて脚が震えた。黒い煙が見える気がするんだけど、これが魔力なんだろうか。わ、わーい。俺ニモ感知デキタゾー。
先輩は『僕が同伴するけど、それでも良いなら受けると返信して』と言った。初仕事一発目の依頼がこれで、守ってくれようとしている先輩に申し訳なくなったのが顔に出てたのか、ふっと笑っていつもの先輩に戻ってくれた。
手紙はクッシャクシャにして投げてたけど。後で拾った。
実は今回の依頼、急を要する内容のためかなりの弾丸スケジュールだ。手紙を受け取ったその場で即レスを要求された。早馬で駆けてきた騎士様に懇願されたのだ。
訪問日もその翌日。流石に当日に連れて行かれなかったのは失敗できない仕事であるため、学園のレイブン先生が放課後の特訓に付き合ってくれたからだ。
『コップの水を零れないように回せ』と、キセルをふかしながらむちゃくちゃ言ってくる先生の要求に悪態を吐きながらフラフラになるまで頑張った。
前みたいに事故らないよう、外で結界を張り続けてくれた新任の先生が一番ぐったりしていたかもしれない。
出迎えてくれた馬車はシンプルだけど、お金がかかっていることがよく分かる上品な美しさだった。
サスペンションの良さに興奮し、中も外も広い王城の規模に震え、使用人さんにまで緊張していたのは俺だけで、同伴してくれた先輩は憮然としていた。
応接室に通された後、先輩と別れて件の王子様の私室へ向かう。先輩、お茶に手をつけてなかったな。ちょっと使用人さんが不憫だ。
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初めて見るクソデカ天蓋ベッドに溜め息が出た。そこまでは良かった。ベッドのシーツに首まで埋まった、虚ろな顔を見るまでは。
神様が丹誠込めてお作りになったのであろう。
銀色なのであろう長い髪は、白髪のように枕元に散らばっている。そこから覗く整った造形の顔は、最早死人だ。
色を失い、髪と同じように白い肌。落ちくぼんだ眼瞼はどす黒い。数日前に手にした封筒のことが頭をよぎった。
植物の息の根を止めて作った薄い有機物より精気が感じられない。
焦点の合わない薄紫色の目だけが油を塗ったようにギラギラ光っている。生きている。今は。
魂が糸一本で留まっているかのようだ。
初めて感じた死の感触に、作法への不安や、勝手に思い描いていた王子様像が消し飛んだ。
出来るだろうか。俺は今から、この人を地上に繋ぎ留めないとならない。
「…はじ、初めまして。突然の訪問、お許し下さい。僕はジュスティ家次男の、イレネオと申します。殿下に鎮静の魔術を施しに参りました」
「安楽死か…?」
「えっと…、休息です。息抜き、静養するためのものです」
言い方が無礼だっただろうか。静かにパニックを起こしていた俺の挨拶は、簡素過ぎたかもしれない。王子はどろりと視線を向け、第一声は強制安楽死を疑うものだった。
ああ、これは本当に弱ってらっしゃる。
話すのも辛そうだ。ベッドの横に用意された椅子に出来るだけ静かに掛け、右手に杖を持つ。
左手は彼のお腹の辺りにそっと置く。嫌がられるかもと思ったが、身動ぎもせずこちらをぼんやりと見ていた。
──さあ本番だ。
揺蕩う雲海 揺籃の如く
御身を抱き 守り包めよ
下れ下れよ 綿羽の如く
乗せた手をトン、トン、と小さく叩きながら、既知のメロディーに載せた呪文を詠唱する。
今にも真っ黒な空へ飛んでいきそうな彼を真綿で優しく包み、体内に籠もった熱を散らし。
ゆっくり、そっと、揺らしながら地上へ下ろす。
魔力の残滓である光の粒が、薄暗い部屋でプラネタリウムのように回転する。
部屋の外へ飛ばさないよう意識をすると、零れる残滓は渦を描く。これを2度、3度と繰り返した。学園では一発でみんな眠った呪文である。
王子様が強固な覚醒の呪いにかけられていることが嫌でも分かる。
彼の瞳に残滓の星が映り込む。やがて揺れるテンポに合わせたように、彼の目蓋がうつら、うつらと落ちてゆく。
手応えを感じた俺はようやくホッと息をついた。
……規則正しい寝息が聞こえる。
けぶる睫毛が落ちた寝顔は、俺が見たことがないはずの、彼の幼年期を思わせた。
起こさないようそっと退出し、身振りで案内してくれる執事さんに付いて歩いた。もう外は真っ暗だし、挨拶をして早々に帰ろうと思ってたのに。
執事さんが突然膝を折り、声を上げて泣き出してしまった。やだ、お爺ちゃん!どうしたの。貰い泣きしちゃう。俺そういうの弱いんだって!
手紙には書かれていなかったが、王子様は丸々6日間眠れていなかったらしい。うつらうつらと船をこぐ様子はあれど、寝台に乗ると目が冴えてしまう。
幻覚を見る頻度が増え、食欲を失い、少しずつ壊れていく彼を様々な方法で眠らせようとした。
最初頼っていた睡眠薬は耐性がついて効かなくなり、安眠香もおまじない程度。秘密裏に行った医療魔術すら効かず、医療魔術の最高権威が出張先から帰るのを待つしかなかった。そこで学園長が俺を王家に紹介したのだ。
今日眠れなかったら一週間の大台である。改めてゾッとした。
成功した安心感から気が緩み、ふと感じた疑問を口にしてしまった。
「あの、殿下って魔術が効きにくい方だったり…あっ」
身体のことについて訊ねるのは無礼だったり、機密だったりしたかもしれない。すみませんと謝る俺に、ようやく涙を止めた執事さんが言った。
「いいのです。ですがどうぞ御内密に。その通り、殿下は魔術をかけることは出来ても、かけられることはほぼ不可能です。王族にはままあることです。完全にできないわけではありせんので、今回は僅かな可能性に賭けたのです」
魔術で害されないけど、益されることもできない。なんでも思い通りにはいかないものだ。
なんだか凄い体験をしてしまったとぼんやり応接室に戻ると、パッと顔を上げた先輩が出迎えてくれた。人前で抱きしめないで欲しいけど、生きている人の感触になんだかホッとした。
帰りの馬車では俺を膝に乗せたがる先輩と普通に座ってほしい俺とでバトルしたが、結局負けた。御者さんが笑いを噛み殺して微振動していた。恥だ。
生きてるのが一番だけど、元気過ぎるのもちょっとどうかと思います。
明日休みたいとゴネながら寮へ戻る先輩を見送り、明日は休日の俺は家まで送って貰った。勝手知ったる邸で入浴を済ませ、ベッドに入ってもしばらく眠れなかった。
いつもなら3秒で眠れるのに、流石に緊張していたみたいだ。
あの硝子細工みたいな王子様は真面目で優しすぎる人なのかなぁ、お育ちが良い人だろうから、自分に厳しくしすぎるのかもしれない、などと勝手に妄想していた。
俺に寝かしつけられてウトウトしている彼の顔を思い出すと、自然と目蓋が落ちてきた。
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─────────
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個人的に、癖のあるキャラクターが好きなので、二人とも読み始めと印象が変化します。ご注意ください。
※主人公はメガネキャラですが、純粋に視力が悪くてメガネ着用というわけではないので、メガネ属性好きで読み始められる方はご注意ください。
※悠斗くん、穏やかで優しげな王子様キャラですが、途中で印象が変わる場合がありますので、キラキラ王子様がお好きな方はご注意ください。
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※ムーンライトノベルズにて連載していたものを加筆修正したものになります。
部分的に表現などが異なりますが、大筋のストーリーに変更はありません。
おそらく、より読みやすくなっているかと思います。
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