妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。

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 妹にアルフレッドを奪われてから完全に私たち姉妹の関係は破綻した。
 だからもう、我慢することはやめた。
 両親もどこまで事情を把握しているかはさだかではないが、なにも言ってこないのでなにか話を振られない限りは妹を無視している。
 もっとも話を振られたところで、一言も返さず顔を背けて終わりだが。
 
 今ではお互い同じ家に住むだけの他人、いや、公爵家に巣食う卑しい豚にしか思ってはいない。
 身なりに気を遣わずぶくぶくと太って、本当に醜い豚。
 あいも変わらず周囲の人間はあれを過剰なまでに甘やかすけれど、端から見れば飼われる愛玩動物そのものだ。あるいは家畜。

 本当はあんなのともう一緒に暮らしたくないがしかし両親の庇護下にある以上、それもできないのが現状だ。
 ゆえに私に残された最後の砦はヴァンディール家嫡女としての権利。
 これだけは絶対に死守しなければならない。

 そして私が家督を継いだら、あの豚は即刻追い出してやる。
 我ながらささやかな復讐だとは思うが、された仕打ちを考えればこのぐらいして当然だろう。 
 むしろ殺さないだけ温情があるとさえ言える。

「そういえば今度王家主催の晩餐会があるらしいわねぇ。王城から招待状が届いていたわよ」

 と、自宅一階のテラスでくつろいでいたお母様が今思い出したかのように話題を切り出した。
 私は二階のバルコニーから静かに耳を傾ける。

「それ、あたしがアルに頼んでおいたやつだ! ふふ、彼ったらあたしのことが好きでたまらないみたいね。ちょっとお願いしたらすぐに行動してくれるなんてホントあたしって愛されてるぅ~」

 眼下でその巨体に似合わずにくねくねとしなをつくる妹に吐き気すら覚える。

 なにがあたしって愛されてる、だ。
 気持ち悪い、豚のくせに。
 お前が媚びたところでなにも可愛くないのに。
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