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致命
「ふっふふふ」
「うふふふふ」
やがてどちらからともなく相好を崩し、互いに笑い合うアズールサとミゼリア。
このような形の出会いでなければもしかしたら無二の親友になっていたかもしれない、そう思わせる光景だった。
「なんなのだお前たち二人して余に伝わらぬ話をしおってからに! アズールサ、貴様ももうよいであろう!」
だがこの場で行われた秘密のやりとりに理解が追いつかない愚かな男が一人、焦れたように声を荒げた。
「おや、申し訳ございません殿下。ただいま話も終わりましたので、殿下の愛しいミゼリアさんをお返しいたします」
憤慨するマタトニアに謝罪と会釈をしてから、アズールサは改めてミゼリアに退室を促す。
「それではごきげんようアズールサ様。これからマタトニア様のことはわたくしに、どうぞすべてお任せくださいませ」
ミゼリアもまた優雅な所作でカーテシーを一つ行ってから、隣へと顔を向ける。
「では参りましょうか、マタトニア様」
「うむ、そうだな!」
再びマタトニアの腕を取ると胸にかき抱いて、仲睦まじい様子で部屋を出ていった。
「……楽しい一夜になると良いですね殿下、いえマタトニア」
二人が去るのを見届けた後アズールサは静かに独りごちる。
その声音はゾッとするほど平坦で、つぶやいた内容とは裏腹に、一種の憐れみすら感じさせた。
――愚かな王太子は気づかない。
自身が婚約者を捨てたのではなく見捨てられたということを。
我が身に迫る残酷な運命から唯一助かることができた選択肢を自ら潰したのだとは、やはり最後まで彼が気づくことはなかった。
「うふふふふ」
やがてどちらからともなく相好を崩し、互いに笑い合うアズールサとミゼリア。
このような形の出会いでなければもしかしたら無二の親友になっていたかもしれない、そう思わせる光景だった。
「なんなのだお前たち二人して余に伝わらぬ話をしおってからに! アズールサ、貴様ももうよいであろう!」
だがこの場で行われた秘密のやりとりに理解が追いつかない愚かな男が一人、焦れたように声を荒げた。
「おや、申し訳ございません殿下。ただいま話も終わりましたので、殿下の愛しいミゼリアさんをお返しいたします」
憤慨するマタトニアに謝罪と会釈をしてから、アズールサは改めてミゼリアに退室を促す。
「それではごきげんようアズールサ様。これからマタトニア様のことはわたくしに、どうぞすべてお任せくださいませ」
ミゼリアもまた優雅な所作でカーテシーを一つ行ってから、隣へと顔を向ける。
「では参りましょうか、マタトニア様」
「うむ、そうだな!」
再びマタトニアの腕を取ると胸にかき抱いて、仲睦まじい様子で部屋を出ていった。
「……楽しい一夜になると良いですね殿下、いえマタトニア」
二人が去るのを見届けた後アズールサは静かに独りごちる。
その声音はゾッとするほど平坦で、つぶやいた内容とは裏腹に、一種の憐れみすら感じさせた。
――愚かな王太子は気づかない。
自身が婚約者を捨てたのではなく見捨てられたということを。
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