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二回目の料理教室は葉月の家でする事になった。日中に家事代行サービスに依頼して、隅々まで掃除してもらったという台所は、どこもピカピカで恵は安堵した。葉月は恵の中で清潔な人間の部類に入るし、他人の家はどこも警戒するが、プロが綺麗にした場所に抵抗感はなかった。
「今日はハンバーグのリクエストなのでひき肉と玉ねぎ買ってきました」
毎回材料を買わせては申し訳ないので、今回は恵が買い物をした。
「うん、ご飯は言われた通り炊いてるよ」
「ありがとうございます。それじゃ始めますか」
「はい、先生。えっと、エプロンは?」
「持ってきてます」
そう言って恵は鞄の中から二枚エプロンを出して来た。一つは前回着用した花柄だ。
「また僕が花柄?」
笑いながら葉月が手を伸ばすと、今日はこっちをどうぞと洗濯済みの恵のエプロンを貸した。
「冗談だよ。別にいいのに」
「いえ、前回は気が回らなくてすいません、葉月さんに母の物を使わせて申し訳ないっす」
「気にしてないよ」
葉月は手渡されたエプロンを付けた。細かい事に気が回るのは、やはり営業向きだなと恵を褒める。
「葉月さんは俺を甘やかしすぎるんすよね」
「別に甘やかしてはいないよ。ただ褒めてるだけ。褒められるの嫌?」
「いえ、嫌じゃないっすけど、照れるというか、どういう反応を返せばいいのかよくわからなくなっちゃって」
「いつも世話焼く側だもんね」
そう言って葉月は頭を撫でようとした。いつもなら自然と避ける恵だが、今日はそのままじっとしていた。ヨシヨシと優しく手を動かすと、ハッとした恵は顔を赤らめてフライパンを探し出した。葉月は目を丸くしたが何も言わなかった。
「味噌汁も作りたいんですけど、いいっすか」
「勿論」
その後恵は口頭で指示するだけで、葉月は一人でハンバーグを作った。味噌汁も上手く出来た。食べながら恵が言う。
「葉月さん、元々要領いいから、すぐになんでも作れるようになりますよ」
「そうかな」
「はい。俺なんかが先生で申し訳ないくらいっすから」
「そんなことないよ。動画を見るのとは勝手が違うから、凄く勉強になるし助かるよ。ありがとう」
「そうっすか……、あの、葉月さん」
「うん?」
暫く躊躇っていたが、恵は口を開いた。
「葉月さんって色んな人に相談受けるって言ってましたよね」
恵は付け合わせのプチトマトをコロコロと皿の上で転がした。
「うん。営業先でもそうだし、プライベートの友達からも相談される事多いね」
「あの、突っ込んだこと訊いてもいいですか? 前ゲイの友達がいるって言ってましたけど、葉月さんって、基本女の人が好きなんですよね?」
「え?」
「男性でも女性でも距離近いけど、葉月さんは普通なんですか?」
「そういう言い方あまり好きじゃないな。普通とか普通じゃないとかって誰が決めるの。僕は可愛いなと思った人を好きになるから、性別で判断したりしない」
「じゃぁバイセクシャルって事ですか。すいません、失礼な事聞いてるって分かってるんです。でも少し悩んでて」
「どうしたの」
「いや、弟たちが……」
あの弟たち。葉月は自分に向けられた刺々しい眼差しを思い出した。ブラコン的執着だと思ったが、とうとうどちらかから告白されたのだろうか。あの雰囲気で行くと上の子かも。
恵はまた躊躇っていたが、深呼吸をして話した。
「弟たちがもしかしてそうなのかもしれないと思い始めて……」
グラスの氷が溶け始めてからりと音を鳴らす。
「……なんでそう思うの?」
「実は二人でなんかコソコソしてるなって前から思ってたんですけど、昨日、実際にイチャイチャしてるの見ちゃって……」
恵の顔は真っ赤だった。他人に家族の話をするのは凄く勇気が要っただろう。しかもかなりディープな話だ。
「あいつら、仲良くて。それは全然悪い事じゃないし、でも、半分だけど、血は繋がってて」
「半分?」
「あ、俺たち、全員異父兄弟なんで。でもこういうの、誰にも相談できなくて。葉月さんなら相談に乗ってもらえるかなって」
これは想像を超えて来たなと葉月は思った。だがいい機会かもしれない。
「僕で良ければ」
「ありがとうございます!」
「悩んでるのって、弟君たちがゲイなのが問題なの?」
「ゲイなのは別に悪い事じゃないんですけど、兄弟っていうのが、なんか倫理観が……」
「じゃぁ血がつながってなかったらOK?」
「……百歩譲って」
「何に百歩譲るの?」
「じょ、常識ですかね……」
「常識って誰が決めてるの」
「世間……じゃないでしょうか」
「じゃぁ世間が決めた常識に逆らってるから、荻野は彼らの行動が許せないんだね」
「許せないって訳じゃなくて、なんか悪い事に感じるんです」
「兄弟だから?」
「はい」
「彼らが一緒にいる事で誰かに迷惑が掛かるのかな。誰かを傷つけているの?」
「いえ、そういう訳じゃないですけど」
「じゃぁ荻野のお母さんがすごく怒ってるとか?」
「いえ、母は3回も離婚してるしそういうの疎いというか、気にしないタイプかもしれないけど。さすがに兄弟同士っていうのは……」
「お母さんに訊いたの?」
「訊いてはいないですけど」
「じゃぁお母さんが怒ってなくても、荻野は嫌なんだね」
「何となく……」
「何となく倫理に逆らってて、嫌に思うから、それは悪い事って事か。彼らがどれだけ思い悩んで選んだ道だとしても、誰にも迷惑かけていなくても、どれだけ二人でいて幸せで、他に何もいらないって思うほど想い合っていたとしても、荻野が嫌だと思うからそれは悪なんだね」
「……」
恵は言葉に詰まった。常識からかけ離れたことをするのは悪い事だと思う。社会というものは常識や倫理で律されて成立している筈だ。でも葉月に言われると、自分が嫌だと思う事の方が間違っている気がしてくる。誰にも迷惑を掛けず生きているのに、存在や好きなものさえ異常だとして断罪される。倫理に反するから。その倫理は一体どこから来て、誰が決めたのか。いや、でもやはり同じ血が流れている家族で……というのは許してはいけない気がする。
黙って考え込んでしまった恵を見て、葉月は嘆息した。
「ごめん。肉親の事だもんね。悩むよね。でも答えはあるようでないような気がするよ。荻野は弟たちが大事だろう。だから悩むんだもんな。きっと彼らも沢山悩んで決めたことじゃないかな。大学生と高校生だから世間知らずなところもあるだろうけど、それこそ荻野が支えてあげないといけない所かもしれない。だって二人ともお兄ちゃんが大好きだろう。そのお兄ちゃんに否定されたら多分一番堪えるんじゃないかな。だからずっと隠して来たんだろうから」
「そっか……」
食べ終わったお皿を片付けながら、葉月の口元が緩む。
「壁は俺の強い味方になるかもな」
茶碗を洗っていると、台所の前にある小窓の外でがさりと音がした。料理をしている間、熱気を逃すために窓を少し開けていた。葉月の家はアパートの一階で、前にアジサイの花壇がある。その前に駐輪場の壁があって、自分が所有しているバイクも部屋から見えた。風が強くなりそうだ。葉月は小窓を閉めた。
葉月は恵に食後のコーヒーを進めた。飲み終わって早々、恵は帰りますと腰を上げた。
「次も僕んちがいいんだけど、大丈夫?」
帰り際、玄関で葉月が訊く。
「勿論っす。今度は何の料理がいいですか?」
「そうだなぁ、肉じゃがとか食べてみたいかも」
「俺んちの味になっちゃいますけど、いいっすか?」
「僕甘めが好きなんだ」
「俺んち結構甘めだと思うんで、愛称いいかもっす」
「うん、あ、待って、髪の毛になんか付いてる」
葉月の顔が近づき、指で髪を触られたが、すぐに離れていった。元々会社でずっと一緒だから、葉月に耐性ができている気がした。一緒の料理を食べているし、余計に。
「じゃぁまた会社で。あ、あの、弟たちの事、誰にも」
「言わないよ、そんなプライベートで濃い話」
「お願いします。おやすみなさい」
恵はドアを閉めて、腹の底に有った錘が、少しだけ軽くなった気がした。罪深いかもしれない。けれど弟二人の棘の道を、心配して否定するのは違うのかもしれない。ただでさえ生きづらい社会の中で、家族にまで反対されて生きていくなんて苦しすぎる。二人はいつも恵の味方だった。自分も彼らにとっての味方でいてやらなければ、誰が彼らを護ってくれるだろう。根底にある倫理観は未だに警鐘を鳴らしているけれど、自分さえ耳を塞げばいい話だ。
葉月に相談したのは間違いじゃなかったと、恵は胸をなでおろした
「今日はハンバーグのリクエストなのでひき肉と玉ねぎ買ってきました」
毎回材料を買わせては申し訳ないので、今回は恵が買い物をした。
「うん、ご飯は言われた通り炊いてるよ」
「ありがとうございます。それじゃ始めますか」
「はい、先生。えっと、エプロンは?」
「持ってきてます」
そう言って恵は鞄の中から二枚エプロンを出して来た。一つは前回着用した花柄だ。
「また僕が花柄?」
笑いながら葉月が手を伸ばすと、今日はこっちをどうぞと洗濯済みの恵のエプロンを貸した。
「冗談だよ。別にいいのに」
「いえ、前回は気が回らなくてすいません、葉月さんに母の物を使わせて申し訳ないっす」
「気にしてないよ」
葉月は手渡されたエプロンを付けた。細かい事に気が回るのは、やはり営業向きだなと恵を褒める。
「葉月さんは俺を甘やかしすぎるんすよね」
「別に甘やかしてはいないよ。ただ褒めてるだけ。褒められるの嫌?」
「いえ、嫌じゃないっすけど、照れるというか、どういう反応を返せばいいのかよくわからなくなっちゃって」
「いつも世話焼く側だもんね」
そう言って葉月は頭を撫でようとした。いつもなら自然と避ける恵だが、今日はそのままじっとしていた。ヨシヨシと優しく手を動かすと、ハッとした恵は顔を赤らめてフライパンを探し出した。葉月は目を丸くしたが何も言わなかった。
「味噌汁も作りたいんですけど、いいっすか」
「勿論」
その後恵は口頭で指示するだけで、葉月は一人でハンバーグを作った。味噌汁も上手く出来た。食べながら恵が言う。
「葉月さん、元々要領いいから、すぐになんでも作れるようになりますよ」
「そうかな」
「はい。俺なんかが先生で申し訳ないくらいっすから」
「そんなことないよ。動画を見るのとは勝手が違うから、凄く勉強になるし助かるよ。ありがとう」
「そうっすか……、あの、葉月さん」
「うん?」
暫く躊躇っていたが、恵は口を開いた。
「葉月さんって色んな人に相談受けるって言ってましたよね」
恵は付け合わせのプチトマトをコロコロと皿の上で転がした。
「うん。営業先でもそうだし、プライベートの友達からも相談される事多いね」
「あの、突っ込んだこと訊いてもいいですか? 前ゲイの友達がいるって言ってましたけど、葉月さんって、基本女の人が好きなんですよね?」
「え?」
「男性でも女性でも距離近いけど、葉月さんは普通なんですか?」
「そういう言い方あまり好きじゃないな。普通とか普通じゃないとかって誰が決めるの。僕は可愛いなと思った人を好きになるから、性別で判断したりしない」
「じゃぁバイセクシャルって事ですか。すいません、失礼な事聞いてるって分かってるんです。でも少し悩んでて」
「どうしたの」
「いや、弟たちが……」
あの弟たち。葉月は自分に向けられた刺々しい眼差しを思い出した。ブラコン的執着だと思ったが、とうとうどちらかから告白されたのだろうか。あの雰囲気で行くと上の子かも。
恵はまた躊躇っていたが、深呼吸をして話した。
「弟たちがもしかしてそうなのかもしれないと思い始めて……」
グラスの氷が溶け始めてからりと音を鳴らす。
「……なんでそう思うの?」
「実は二人でなんかコソコソしてるなって前から思ってたんですけど、昨日、実際にイチャイチャしてるの見ちゃって……」
恵の顔は真っ赤だった。他人に家族の話をするのは凄く勇気が要っただろう。しかもかなりディープな話だ。
「あいつら、仲良くて。それは全然悪い事じゃないし、でも、半分だけど、血は繋がってて」
「半分?」
「あ、俺たち、全員異父兄弟なんで。でもこういうの、誰にも相談できなくて。葉月さんなら相談に乗ってもらえるかなって」
これは想像を超えて来たなと葉月は思った。だがいい機会かもしれない。
「僕で良ければ」
「ありがとうございます!」
「悩んでるのって、弟君たちがゲイなのが問題なの?」
「ゲイなのは別に悪い事じゃないんですけど、兄弟っていうのが、なんか倫理観が……」
「じゃぁ血がつながってなかったらOK?」
「……百歩譲って」
「何に百歩譲るの?」
「じょ、常識ですかね……」
「常識って誰が決めてるの」
「世間……じゃないでしょうか」
「じゃぁ世間が決めた常識に逆らってるから、荻野は彼らの行動が許せないんだね」
「許せないって訳じゃなくて、なんか悪い事に感じるんです」
「兄弟だから?」
「はい」
「彼らが一緒にいる事で誰かに迷惑が掛かるのかな。誰かを傷つけているの?」
「いえ、そういう訳じゃないですけど」
「じゃぁ荻野のお母さんがすごく怒ってるとか?」
「いえ、母は3回も離婚してるしそういうの疎いというか、気にしないタイプかもしれないけど。さすがに兄弟同士っていうのは……」
「お母さんに訊いたの?」
「訊いてはいないですけど」
「じゃぁお母さんが怒ってなくても、荻野は嫌なんだね」
「何となく……」
「何となく倫理に逆らってて、嫌に思うから、それは悪い事って事か。彼らがどれだけ思い悩んで選んだ道だとしても、誰にも迷惑かけていなくても、どれだけ二人でいて幸せで、他に何もいらないって思うほど想い合っていたとしても、荻野が嫌だと思うからそれは悪なんだね」
「……」
恵は言葉に詰まった。常識からかけ離れたことをするのは悪い事だと思う。社会というものは常識や倫理で律されて成立している筈だ。でも葉月に言われると、自分が嫌だと思う事の方が間違っている気がしてくる。誰にも迷惑を掛けず生きているのに、存在や好きなものさえ異常だとして断罪される。倫理に反するから。その倫理は一体どこから来て、誰が決めたのか。いや、でもやはり同じ血が流れている家族で……というのは許してはいけない気がする。
黙って考え込んでしまった恵を見て、葉月は嘆息した。
「ごめん。肉親の事だもんね。悩むよね。でも答えはあるようでないような気がするよ。荻野は弟たちが大事だろう。だから悩むんだもんな。きっと彼らも沢山悩んで決めたことじゃないかな。大学生と高校生だから世間知らずなところもあるだろうけど、それこそ荻野が支えてあげないといけない所かもしれない。だって二人ともお兄ちゃんが大好きだろう。そのお兄ちゃんに否定されたら多分一番堪えるんじゃないかな。だからずっと隠して来たんだろうから」
「そっか……」
食べ終わったお皿を片付けながら、葉月の口元が緩む。
「壁は俺の強い味方になるかもな」
茶碗を洗っていると、台所の前にある小窓の外でがさりと音がした。料理をしている間、熱気を逃すために窓を少し開けていた。葉月の家はアパートの一階で、前にアジサイの花壇がある。その前に駐輪場の壁があって、自分が所有しているバイクも部屋から見えた。風が強くなりそうだ。葉月は小窓を閉めた。
葉月は恵に食後のコーヒーを進めた。飲み終わって早々、恵は帰りますと腰を上げた。
「次も僕んちがいいんだけど、大丈夫?」
帰り際、玄関で葉月が訊く。
「勿論っす。今度は何の料理がいいですか?」
「そうだなぁ、肉じゃがとか食べてみたいかも」
「俺んちの味になっちゃいますけど、いいっすか?」
「僕甘めが好きなんだ」
「俺んち結構甘めだと思うんで、愛称いいかもっす」
「うん、あ、待って、髪の毛になんか付いてる」
葉月の顔が近づき、指で髪を触られたが、すぐに離れていった。元々会社でずっと一緒だから、葉月に耐性ができている気がした。一緒の料理を食べているし、余計に。
「じゃぁまた会社で。あ、あの、弟たちの事、誰にも」
「言わないよ、そんなプライベートで濃い話」
「お願いします。おやすみなさい」
恵はドアを閉めて、腹の底に有った錘が、少しだけ軽くなった気がした。罪深いかもしれない。けれど弟二人の棘の道を、心配して否定するのは違うのかもしれない。ただでさえ生きづらい社会の中で、家族にまで反対されて生きていくなんて苦しすぎる。二人はいつも恵の味方だった。自分も彼らにとっての味方でいてやらなければ、誰が彼らを護ってくれるだろう。根底にある倫理観は未だに警鐘を鳴らしているけれど、自分さえ耳を塞げばいい話だ。
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