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第3話
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「カインは本気で、ミモザが物の声を聞こえると信じているのか!?」
ドルクが婚約を破棄した後に、カインが私の新しい婚約者になろうとしている。
それが信じられないようで、ドルクの驚愕した叫び声が夜会の場に響いていた。
公爵家の令息であるカインが私と婚約したい理由は、希少なスキルを持っているからだと思っていそう。
そんなドルクに対して、カインは冷静に話す。
「ミモザは物の声が聞こえるスキルを持ち、それを正しく使えるから婚約したいと思っただけだ」
「余計な発言が、ミモザの持つスキルの使い方だと言うのか!」
「ドルクがそう思っているだけで、俺はミモザに助けてもらった……婚約を破棄するのだから、何も気にしなくていいだろう?」
「そ、それは――」
「――お前は婚約破棄の原因がミモザにあると思わせたかったようだが、そんなことは俺が許さない」
ドルクが動揺している辺り、カインの推測通りのようだ。
婚約破棄の原因が私にあるのなら、ドルクが慰謝料を払うこともなくなる。
そんな目論見を察してしまうけど、先に婚約を破棄すると言ったのはドルクの方だ。
カインの発言に言い返せないようで、ドルクは思案してから言う。
「……本当にミモザが物の声を聞こえたとしても、何の役にも立たないスキルだ」
私の忠告を聞く人はカインしかいなかったから、ドルクは何の役にも立たないと思わせようとしている。
それは侯爵令息のドルクの嘘が原因だけど、公爵令息のカインが信じてくれた後なら助言を聞いてくれる人がいるかもしれない。
ドルクの発言を聞いても、カインは考えを変えず話す。
「お前の中ではそうかもしれないが、俺は助けて貰った。スキルの価値がわからず否定したのだから、お前とミモザとの関係は今日で終わりだ」
「うっっ……カインはこれから後悔することになるだろう!!」
「後悔するのはドルクの方だ。今後ミモザが活躍すれば、婚約を破棄したお前の評判が落ちるからな」
「ミモザが活躍するわけないだろ! 何を言っても婚約破棄を変えることはない!!」
そう言い、ドルクが私とカインの元から離れていく。
話が終わったことで注目されなくなり、カインが私の傍に来てくれた。
「ドルクはそこまで、ミモザとの婚約を破棄したかったのか」
「エイダ様と浮気していますし、夜会の場で公表したかったのでしょう」
「そうなのか……ドルクはエイダと仲がいいとは思っていたが、ミモザより優先するとは信じられないな」
ドルクの指輪から聞くことで知ったけど、カインは私の発言を信じてくれる。
これからエイダとドルクは婚約するはずで、早い内にカインと婚約しておきたい。
「もうドルク様のことはどうでもいいです。カイン様、本当に私と婚約するつもりですか?」
「ミモザが受け入れてくれるのなら婚約したいものだ」
「わかりました……これからドルク様はエイダ様と婚約するでしょう。早急に私達も婚約を公表したいものです」
「それは構わないが、何かあるのか?」
私の提案を受け入れてくれるけど、カインは理由を尋ねる。
ドルクの指輪から声が聞こえる私は、これから何が起こるのか予想できていた。
「ドルク様とエイダ様は、婚約後に後悔することになります。その後に私に助けを求めても、何もしたくありません」
「それなら、俺と婚約していた方がいいな……これから、ミモザの屋敷へ行くとしよう」
夜会の場にいた人達が証人で、婚約破棄の手続きは問題なくできそうだ。
私はドルクとの婚約を破棄して、カインと婚約するつもりでいる。
その後に元婚約者が後悔したとしても、何もするつもりはなかった。
ドルクが婚約を破棄した後に、カインが私の新しい婚約者になろうとしている。
それが信じられないようで、ドルクの驚愕した叫び声が夜会の場に響いていた。
公爵家の令息であるカインが私と婚約したい理由は、希少なスキルを持っているからだと思っていそう。
そんなドルクに対して、カインは冷静に話す。
「ミモザは物の声が聞こえるスキルを持ち、それを正しく使えるから婚約したいと思っただけだ」
「余計な発言が、ミモザの持つスキルの使い方だと言うのか!」
「ドルクがそう思っているだけで、俺はミモザに助けてもらった……婚約を破棄するのだから、何も気にしなくていいだろう?」
「そ、それは――」
「――お前は婚約破棄の原因がミモザにあると思わせたかったようだが、そんなことは俺が許さない」
ドルクが動揺している辺り、カインの推測通りのようだ。
婚約破棄の原因が私にあるのなら、ドルクが慰謝料を払うこともなくなる。
そんな目論見を察してしまうけど、先に婚約を破棄すると言ったのはドルクの方だ。
カインの発言に言い返せないようで、ドルクは思案してから言う。
「……本当にミモザが物の声を聞こえたとしても、何の役にも立たないスキルだ」
私の忠告を聞く人はカインしかいなかったから、ドルクは何の役にも立たないと思わせようとしている。
それは侯爵令息のドルクの嘘が原因だけど、公爵令息のカインが信じてくれた後なら助言を聞いてくれる人がいるかもしれない。
ドルクの発言を聞いても、カインは考えを変えず話す。
「お前の中ではそうかもしれないが、俺は助けて貰った。スキルの価値がわからず否定したのだから、お前とミモザとの関係は今日で終わりだ」
「うっっ……カインはこれから後悔することになるだろう!!」
「後悔するのはドルクの方だ。今後ミモザが活躍すれば、婚約を破棄したお前の評判が落ちるからな」
「ミモザが活躍するわけないだろ! 何を言っても婚約破棄を変えることはない!!」
そう言い、ドルクが私とカインの元から離れていく。
話が終わったことで注目されなくなり、カインが私の傍に来てくれた。
「ドルクはそこまで、ミモザとの婚約を破棄したかったのか」
「エイダ様と浮気していますし、夜会の場で公表したかったのでしょう」
「そうなのか……ドルクはエイダと仲がいいとは思っていたが、ミモザより優先するとは信じられないな」
ドルクの指輪から聞くことで知ったけど、カインは私の発言を信じてくれる。
これからエイダとドルクは婚約するはずで、早い内にカインと婚約しておきたい。
「もうドルク様のことはどうでもいいです。カイン様、本当に私と婚約するつもりですか?」
「ミモザが受け入れてくれるのなら婚約したいものだ」
「わかりました……これからドルク様はエイダ様と婚約するでしょう。早急に私達も婚約を公表したいものです」
「それは構わないが、何かあるのか?」
私の提案を受け入れてくれるけど、カインは理由を尋ねる。
ドルクの指輪から声が聞こえる私は、これから何が起こるのか予想できていた。
「ドルク様とエイダ様は、婚約後に後悔することになります。その後に私に助けを求めても、何もしたくありません」
「それなら、俺と婚約していた方がいいな……これから、ミモザの屋敷へ行くとしよう」
夜会の場にいた人達が証人で、婚約破棄の手続きは問題なくできそうだ。
私はドルクとの婚約を破棄して、カインと婚約するつもりでいる。
その後に元婚約者が後悔したとしても、何もするつもりはなかった。
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