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第1話
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私エミリー・アリードは、アリード侯爵家の令嬢だ。
アリード侯爵家のポーションは有名で、アシェル・ザライン王子との婚約が決まるほどだった。
そんな私は今日――貴族の人達が集まるパーティ会場で、婚約者アシェルの宣言に驚くこととなる。
「俺は成長の乏しいエミリーとの婚約を破棄し、聖女キアラを新たな婚約者とする!」
「アシェル王子の婚約者は優秀な人がなるべきです。お姉様より私の方が相応しいです!!」
婚約者だったアシェル王子の隣で、私の妹キアラが叫ぶ。
最近キアラが聖女になれたことは有名で、アシェルは私よりキアラの方がいいと考えていそう。
キアラが聖女になれたのは、私が調合した魔力向上ポーションを飲んでいたからだ。
そのことを考えると、キアラよりも私の方が優秀だと思うけど……婚約破棄は嬉しかったから、言い返さないでおこう。
私が黙っていると、アシェルが話し出す。
「アリード家は調合魔法使いを雇ったと聞いている。貴様の代わりはいるが、聖女の代わりはいないのだ」
ポーションを作る調合魔法は使える人が少ないけど、お父様は数日前に雇うことに成功した。
雇った調合魔法使いの人は私よりも魔力量が高くて、ポーションを多く作れる。
そのことを知ったアシェルは……私より、キアラを婚約者にしたくなったようだ。
アリード領地のポーションは、他のポーションよりも効果が凄いらしい。
ポーションの凄さがアリード領の力だと言われいるのは、私を酷使していることが発覚しないようにしたからだ。
私は調合魔法を覚えてから、今まで毎日ポーションを作り続けるよう家族に命令されていた。
アシェル王子の婚約者になると「王子の婚約者に相応しくなれ」と言い出して、ポーションを作る回数が増えてしまう。
毎日家族が魔力を限界まで使わせてくるせいで、私の魔力量は増加しなくなっていた。
今の生活は嫌だったけど、仕方ないことだと思っていた。
それでも――私は婚約破棄を言い渡されて、更に「代わりはいる」とアシェルに言われてしまう。
「代わりは、いるのですね……わかりました」
私はアシェル王子の婚約破棄を受け入れて、決意する。
今まで家族に命令されてポーションを作り続けてきた日々を、終わらせよう。
私はこの時から、家を出ようと考えている。
そして家を出た結果――私の代わりはいなかったようです。
アリード侯爵家のポーションは有名で、アシェル・ザライン王子との婚約が決まるほどだった。
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「俺は成長の乏しいエミリーとの婚約を破棄し、聖女キアラを新たな婚約者とする!」
「アシェル王子の婚約者は優秀な人がなるべきです。お姉様より私の方が相応しいです!!」
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最近キアラが聖女になれたことは有名で、アシェルは私よりキアラの方がいいと考えていそう。
キアラが聖女になれたのは、私が調合した魔力向上ポーションを飲んでいたからだ。
そのことを考えると、キアラよりも私の方が優秀だと思うけど……婚約破棄は嬉しかったから、言い返さないでおこう。
私が黙っていると、アシェルが話し出す。
「アリード家は調合魔法使いを雇ったと聞いている。貴様の代わりはいるが、聖女の代わりはいないのだ」
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雇った調合魔法使いの人は私よりも魔力量が高くて、ポーションを多く作れる。
そのことを知ったアシェルは……私より、キアラを婚約者にしたくなったようだ。
アリード領地のポーションは、他のポーションよりも効果が凄いらしい。
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それでも――私は婚約破棄を言い渡されて、更に「代わりはいる」とアシェルに言われてしまう。
「代わりは、いるのですね……わかりました」
私はアシェル王子の婚約破棄を受け入れて、決意する。
今まで家族に命令されてポーションを作り続けてきた日々を、終わらせよう。
私はこの時から、家を出ようと考えている。
そして家を出た結果――私の代わりはいなかったようです。
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