無能だと言われ続けた聖女は、自らを封印することにしました

天宮有

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第50話

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 数週間が経過して――私達はかなりの頻度で、森から街や村を行き来していた。
 モンスターの襲撃を対処したこともあって、被害はかなり減りつつある。

 国内の移動ならモンスターが狙わないからか、助けた街や村に人々が集まるようになったらしい。
 もし元凶がいるのなら、対処するために動くのではないかと考えたけど、そんな兆候は一切なかった。

 私が王都に向かって探るのが一番手っ取り早いけど、一時的でも森の生活を捨てたくない。
 これは聖女アビリコ、護衛のマリウスが解決すべき問題で、私がそこまでする必要はなかった。
 
■◇■◇■◇■◇■

 私は契約獣クロに乗って、街から森へ戻っている。
 屋敷にいる時は遊び、お出かけの機会も多いからか、クロは上機嫌だ。

 その隣を併走しているリカルドが、私に話しかける。

「フィーレ様がいるからこの周辺は安全だと、噂になっているようですね」

 警戒心を強めている様子なのは、いつこの騒動を起こしている元凶がやって来るかわからないからだ。
 私を捜索している隊がやって来たみたいだけど、それは街や村の人が追い払っているらしい。

「捜索隊が来ても、皆が追い出してくれているようね」

「はい。フィーレ様が国を出られては最悪だからでしょう。王都では暴動も起きているようです」

 私達は森に住む元聖女で、国王が用意した捜索隊は危険な森には入れない。
 街にやって来た時を狙おうとしたみたいだけど、街の人達が追い払ってくれている。

 私はローノック国が滅ぶか魔法協会の助けを得るまで、今の生活で構わないと思っている。
 そして――王都で元凶が行動を開始したことを、この時の私達は知ることができないでいた。
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