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第49話

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 私達は屋敷に戻り、居間でリカルドと話をしている。
 ローノック国の問題は国が解決すべきで、周辺以外の街や村には行かなくていいと決意していた。

 国の問題は今の聖女が解決すべきで、無理なら魔法協会に謝罪して新たな聖女を選んでもらえばいい。
 錬金者に聞いた話だと、条件を出されて国王が激怒して突っぱねたらしい。

 多額でも払えないわけではなかったようで、それなら拒んだ国王が悪い。
 私でもわかる解決方法を拒んだ時点で、この国のため動く気は一切なかった。

 今後の行動を話すと、リカルドが不安そうにしている。
 それが気になって、私は尋ねていた。

「リカルド、何か気になっていることがあるの?」

「はい。このままモンスター達の思惑通り進んでいて、フィーレ様に危機が迫らないかを心配していました」

 心配してくれることが嬉しくなりながら、私は返答する。

「負の感情を得ているのは、殺害するよりも効果が大きいから……人がいないと、得る負の感情も減るからね」

 力を蓄えているのか、何らかの準備をしているのか。
 今はモンスターの思惑通りに進んでいるから、私に危機が迫らないかを心配してくれている。

「暫くは様子を見て……本当に焦っているのなら、国王が行動に出るはずよ」

 元凶が王都に存在している可能性が高く、ローノック王は必死に原因を探っているはず。
 そして私が街で活躍していることが耳に入っていてもおかしくなくて、助けを求めてもおかしくない。

 聖女に戻る気はないし、この国が滅ぶのならそれで構わないと思っている。
 それでも得体の知れない存在だけは、この国に住む人達のために対処しておきたかった。
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