破滅した令嬢は時間が戻ったので、破滅しないよう動きます

天宮有

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第8話

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 私はレインから、テルマについての報告を受けていた。

 懐柔するのは無理そうだけど、危険なのはベネサとダーロス王子だけ。
 
 それがわかっただけでも十分で、私はテーブル越しに対面しているレインに頭を下げる。

「レイン様。調査してくださり、本当にありがとうございました」

「頭を上げてください。私は、リーゼ様の為に動けただけで嬉しいです」
 
 満面の笑顔でそう言ってくれるレインを見て、私も嬉しくなっていた。

 時間が戻る前に何度も見たことがあって……今なら、素敵だと想える。

 ――その想いを伝えるのは、破滅を乗り越えてからにしよう。

 そう決意した私は、レインにこれからのことを話す。

「ここ半月で、ベネサ達の目的はわかりつつあります……半月後、私はベネサに反撃をしようと思っています」

「反撃ですか。悪評が立つ行為はベネサの計画だと思います」

 レインは心配しているけど、今の私はそんな行動をとらない。

 未来を知っているからこそ、私は反撃の方法を閃いている。

 時間が戻ったということは隠しながら、私は今後の行動をレインに話す。

 レインは協力することに賛同してくれて――半月が経とうとしていた。
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