結婚してすぐ義姉から夫の浮気を聞きました

天宮有

文字の大きさ
4 / 10

第4話

しおりを挟む
 結婚式から2日が経ったけど、夫のザダクは屋敷に戻って来ない。
 私が魔法学園を卒業してた魔法使いと知った義姉ミリカは、来て欲しい場所があると私を馬車に乗せていた。

 私は馬車の椅子に座り、正面には義姉ミリカと義弟ザダクが並んで椅子に座っている。
 どこに向かうのか聞いていなかったから、ミリカの発言に私は驚くこととなる。

「私とザダクは冒険者として活動しているわ。貴方が入れば3人パーティね」

「どういうことでしょうか?」

「今日はパーティ合同の依頼があるから、私達の仲間として魔法を使ってもらうわ」

「それって……モンスターと戦えってことですよね」

 どうやら私は、これから強力なモンスターと戦うことになるらしい。
 戦えるよう学園で学んできたけど、実戦ははじめてで動揺してしまう。

 そんな私を眺めて、ザダクがミリカに言いたいことがありそうだ。

「あの、姉上は兄の妻であるキャシー様を、本当に戦わせるつもりなのですか?」

「キャシーの魔法使いとしての実力はこの2日間で聞いているし、遠くで魔法を使い攻撃するだけなら問題ないでしょう」

「それは……キャシー様は、大丈夫ですか?」

 気遣ってくれるザダクに対して、私は頷く。
 夫はいない現状で私が何をすればいいのかわからなかったから、義姉や義弟の手伝いができるのならしたかった。

「戦うことより、私がミリカ様やザダク様の力になれるのかが不安です」

「そこは気にしなくていいわよ。今からキャシーには私達と一緒に活動して、有名になってもらうわ」

「どういうことですか?」

「私とザダクは冒険者として有名だから、そこに1人加入すれば話題になるの。それに合わせてザダクの評判を落とすつもりよ」

 ザダクの評判を落とすのは、結婚初日から浮気したことを話せばよさそうだ。

 全て事実で、私が悪いのではなくザダクが悪いと思わせていく。
 そしてミリカとしては、領主であるザダクの父に勘当を言い渡してもらうつもりのようだ。

「あの愚兄を排除する時が来たわね。ラウドとしても、クノレナと結婚できるのだからいいんじゃないかしら?」

 果たして公爵家から排除された後に、男爵家のクノレナが受け入れてくれるのだろうか。
 それはわからないけど、今の私は冒険者の依頼に全力で取り組むだけだ。

■◇■◇■◇■◇■

 夜になって、依頼を終えた私は部屋で休んでいる。
 ミリカは今日のことを話したいようで、対面して話を聞くことにしていた。

「今日は合同の依頼でジャイアントゴーレムを倒したけど、キャシーはしっかり魔法が使えていたわね」

「学園で学んでいたからこそです……公爵家の人が、あんな巨大なモンスターに突撃して大丈夫なのでしょうか?」

 今日の依頼を思い出すと、屋敷ぐらい大きな鉄の人型モンスターにザダクが剣を振り戦っていた。

 私とミリカは遠距離から魔法を使って援護していたけど、ザダクはかなり危険だった気がする。
 それでも一番活躍していたのはザダクだったから、強いのは間違いなさそうだ。

「最悪の事態になっても兄がいるから平気よ。まあ、これから追い出すけどね」

 私は魔法で支援したことで、合同依頼で活躍している。
 それにより冒険者ギルドで話題となり、ザダクの浮気もミリカが広めていた。

 今日の出来事を思い出すと、気になることがあり私はミリカに尋ねる。

「ザダク様がジャイアントゴーレムに突撃していましたけど、魔法を使いませんでしたね」

「ザダクは魔法が使えないわ。その代わりに身体能力が高いのよ」

「学園で聞いたことがあります。魔力を外に出さず肉体を常に巡っているから、魔法が使えない人は身体能力が高くなる人がいるみたいです」

「そうみたいね。それが原因で誰とも婚約していないけど、今は婚約者がいなくてよかったと思っているわ」

 魔法をまったく使えない人は珍しくて、関わりたくない人がいるのかもしれない。
 私は気にしていないから、これから本当にザダクと結婚できそうだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした

今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。 二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。 しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。 元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。 そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。 が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。 このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。 ※ざまぁというよりは改心系です。 ※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。

天然と言えば何でも許されると思っていませんか

今川幸乃
恋愛
ソフィアの婚約者、アルバートはクラスの天然女子セラフィナのことばかり気にしている。 アルバートはいつも転んだセラフィナを助けたり宿題を忘れたら見せてあげたりとセラフィナのために行動していた。 ソフィアがそれとなくやめて欲しいと言っても、「困っているクラスメイトを助けるのは当然だ」と言って聞かず、挙句「そんなことを言うなんてがっかりだ」などと言い出す。 あまり言い過ぎると自分が悪女のようになってしまうと思ったソフィアはずっともやもやを抱えていたが、同じくクラスメイトのマクシミリアンという男子が相談に乗ってくれる。 そんな時、ソフィアはたまたまセラフィナの天然が擬態であることを発見してしまい、マクシミリアンとともにそれを指摘するが……

家が没落した時私を見放した幼馴染が今更すり寄ってきた

今川幸乃
恋愛
名門貴族ターナー公爵家のベティには、アレクという幼馴染がいた。 二人は互いに「将来結婚したい」と言うほどの仲良しだったが、ある時ターナー家は陰謀により潰されてしまう。 ベティはアレクに助けを求めたが「罪人とは仲良く出来ない」とあしらわれてしまった。 その後大貴族スコット家の養女になったベティはようやく幸せな暮らしを手に入れた。 が、彼女の前に再びアレクが現れる。 どうやらアレクには困りごとがあるらしかったが…

幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路

今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。 すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。 ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。 それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。 そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ…… ※短い……はず

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

悪役令嬢として、愛し合う二人の邪魔をしてきた報いは受けましょう──ですが、少々しつこすぎやしませんか。

ふまさ
恋愛
「──いい加減、ぼくにつきまとうのはやめろ!」  ぱんっ。  愛する人にはじめて頬を打たれたマイナの心臓が、どくん、と大きく跳ねた。  甘やかされて育ってきたマイナにとって、それはとてつもない衝撃だったのだろう。そのショックからか。前世のものであろう記憶が、マイナの頭の中を一気にぐるぐると駆け巡った。  ──え?  打たれた衝撃で横を向いていた顔を、真正面に向ける。王立学園の廊下には大勢の生徒が集まり、その中心には、三つの人影があった。一人は、マイナ。目の前には、この国の第一王子──ローランドがいて、その隣では、ローランドの愛する婚約者、伯爵令嬢のリリアンが怒りで目を吊り上げていた。

あの日々に戻りたくない!自称聖女の義妹に夫と娘を奪われた妃は、死に戻り聖女の力で復讐を果たす

青の雀
恋愛
公爵令嬢スカーレット・ロッテンマイヤーには、前世の記憶がある。 幼いときに政略で結ばれたジェミニ王国の第1王子ロベルトと20歳の時に結婚した。 スカーレットには、7歳年下の義妹リリアーヌがいるが、なぜかリリアーヌは、ロッテンマイヤー家に来た時から聖女様を名乗っている。 ロッテンマイヤーは、代々異能を輩出している家柄で、元は王族 物語は、前世、夫に殺されたところから始まる。

「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?

綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。 相手はとある貴族のご令嬢。 確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。 別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。 何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?

処理中です...