私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました

天宮有

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第25話

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ルアン視点

 俺は城から屋敷に戻り、現状に絶望するしかなかった。

「陛下は魔法協会に協力を求めたようだが……来るのは遅くなるだろう」

 陛下はまだ楽観的に考えていて、そこに安藤するしかない。

 俺はエルノアとの会話を思い返す。
 エリオース国から消えているはずで、そこには安堵していた。

「エルノアは……この国から出ているから、もう2度と会うことはないだろう」

 呟くことで落ち着くも、確認はしていない。
 それでも……国には絶対いないと現実逃避をすることで、俺は精神を安定させている。

「それでも、もし国にいたらどうなるか……念の為捜索し、王家より先に見つけ出すしかない!」

 エリオース国にいないのなら、それでいい。
 もしいた場合は……説得し、ルドレスト家に戻せば全て解決する。

「実の妹を始末できなかったとでも言えばいいだろう……もし拒むのなら、ルドレスト家が総力をあげて始末するまでだ!」

 もし妹エルノアがエリオース国に滞在しているのなら、俺は対処できると確信している。

 そして、現状が想像以上に最悪だと理解したのは……取り返しのつかない事態になった時だった。
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