24 / 55
第24話
しおりを挟む
ルアン視点
元妹エルノアが婚約破棄を受けて消えてから、10日が経過していた。
俺は城に呼び出され、怒る陛下から追及されている。
「ルアンよ……貴様は、本当に妹エルノアを始末したのだろうな!?」
「勿論です! 魔法の使えない愚昧など一太刀でした!!」
魔法が使えないと強調することで、確実に倒したことを伝える。
実際はエルノアは魔法を使い返り討ちに合うも、魔法を使えないと信じていない王家はこれで騙せていた。
「そうだよな……もしエルノアが魔法を使い返り討ちにしたのなら、貴様の命はないはずだ」
「っっ……」
陛下の隣にいるドスラ第二王子が、俺に対して話す。
命を奪おうとしたのだから、返り討ちに合ったのなら命を奪われていないとおかしい。
ドスラはそう考えているようで安堵するも、どうして今になってその話をするのかがわからない。
「ここ数日の惨状から、結界は実在していたのかもしれない……それなら、結界を再び張るにはエルノアの存在が邪魔になる」
「はっ……?」
そして――ドスラ王子の発言を聞いて、俺は唖然としていた。
「知らないのか? エルノアを仕留めるよう命じたのは保険でもあった……結界を再び張る為には、張った者を世界から消す必要がある」
「魔法協会に金を払えば儀式を行い、先代の結界を張った者がエルノアに結界を張る役目を渡しただろう……ただ金が欲しいだけだと思っていたが、本当に結界が存在していたのかもしれん」
ドスラ王子と陛下の話を聞き……俺は城に呼び出された理由を把握して、恐怖から全身を震わせる。
もし生きていることが発覚すれば――ルドレスト家は破滅する。
最悪の事態を想像している中……それ以上に最悪の出来事が、俺に待ち受けていた。
元妹エルノアが婚約破棄を受けて消えてから、10日が経過していた。
俺は城に呼び出され、怒る陛下から追及されている。
「ルアンよ……貴様は、本当に妹エルノアを始末したのだろうな!?」
「勿論です! 魔法の使えない愚昧など一太刀でした!!」
魔法が使えないと強調することで、確実に倒したことを伝える。
実際はエルノアは魔法を使い返り討ちに合うも、魔法を使えないと信じていない王家はこれで騙せていた。
「そうだよな……もしエルノアが魔法を使い返り討ちにしたのなら、貴様の命はないはずだ」
「っっ……」
陛下の隣にいるドスラ第二王子が、俺に対して話す。
命を奪おうとしたのだから、返り討ちに合ったのなら命を奪われていないとおかしい。
ドスラはそう考えているようで安堵するも、どうして今になってその話をするのかがわからない。
「ここ数日の惨状から、結界は実在していたのかもしれない……それなら、結界を再び張るにはエルノアの存在が邪魔になる」
「はっ……?」
そして――ドスラ王子の発言を聞いて、俺は唖然としていた。
「知らないのか? エルノアを仕留めるよう命じたのは保険でもあった……結界を再び張る為には、張った者を世界から消す必要がある」
「魔法協会に金を払えば儀式を行い、先代の結界を張った者がエルノアに結界を張る役目を渡しただろう……ただ金が欲しいだけだと思っていたが、本当に結界が存在していたのかもしれん」
ドスラ王子と陛下の話を聞き……俺は城に呼び出された理由を把握して、恐怖から全身を震わせる。
もし生きていることが発覚すれば――ルドレスト家は破滅する。
最悪の事態を想像している中……それ以上に最悪の出来事が、俺に待ち受けていた。
106
あなたにおすすめの小説
なんでも思い通りにしないと気が済まない妹から逃げ出したい
木崎優
恋愛
「君には大変申し訳なく思っている」
私の婚約者はそう言って、心苦しそうに顔を歪めた。「私が悪いの」と言いながら瞳を潤ませている、私の妹アニエスの肩を抱きながら。
アニエスはいつだって私の前に立ちはだかった。
これまで何ひとつとして、私の思い通りになったことはない。すべてアニエスが決めて、両親はアニエスが言うことならと頷いた。
だからきっと、この婚約者の入れ替えも両親は快諾するのだろう。アニエスが決めたのなら間違いないからと。
もういい加減、妹から離れたい。
そう思った私は、魔術師の弟子ノエルに結婚を前提としたお付き合いを申し込んだ。互いに利のある契約として。
だけど弟子だと思ってたその人は実は魔術師で、しかも私を好きだったらしい。
虐げられていた姉はひと月後には幸せになります~全てを奪ってきた妹やそんな妹を溺愛する両親や元婚約者には負けませんが何か?~
***あかしえ
恋愛
「どうしてお姉様はそんなひどいことを仰るの?!」
妹ベディは今日も、大きなまるい瞳に涙をためて私に喧嘩を売ってきます。
「そうだぞ、リュドミラ!君は、なぜそんな冷たいことをこんなかわいいベディに言えるんだ!」
元婚約者や家族がそうやって妹を甘やかしてきたからです。
両親は反省してくれたようですが、妹の更生には至っていません!
あとひと月でこの地をはなれ結婚する私には時間がありません。
他人に迷惑をかける前に、この妹をなんとかしなくては!
「結婚!?どういうことだ!」って・・・元婚約者がうるさいのですがなにが「どういうこと」なのですか?
あなたにはもう関係のない話ですが?
妹は公爵令嬢の婚約者にまで手を出している様子!ああもうっ本当に面倒ばかり!!
ですが公爵令嬢様、あなたの所業もちょぉっと問題ありそうですね?
私、いろいろ調べさせていただいたんですよ?
あと、人の婚約者に色目を使うのやめてもらっていいですか?
・・・××しますよ?
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
私と婚約破棄して妹と婚約!? ……そうですか。やって御覧なさい。後悔しても遅いわよ?
百谷シカ
恋愛
地味顔の私じゃなくて、可愛い顔の妹を選んだ伯爵。
だけど私は知っている。妹と結婚したって、不幸になるしかないって事を……
(完結)妹の婚約者である醜草騎士を押し付けられました。
ちゃむふー
恋愛
この国の全ての女性を虜にする程の美貌を備えた『華の騎士』との愛称を持つ、
アイロワニー伯爵令息のラウル様に一目惚れした私の妹ジュリーは両親に頼み込み、ラウル様の婚約者となった。
しかしその後程なくして、何者かに狙われた皇子を護り、ラウル様が大怪我をおってしまった。
一命は取り留めたものの顔に傷を受けてしまい、その上武器に毒を塗っていたのか、顔の半分が変色してしまい、大きな傷跡が残ってしまった。
今まで華の騎士とラウル様を讃えていた女性達も掌を返したようにラウル様を悪く言った。
"醜草の騎士"と…。
その女性の中には、婚約者であるはずの妹も含まれていた…。
そして妹は言うのだった。
「やっぱりあんな醜い恐ろしい奴の元へ嫁ぐのは嫌よ!代わりにお姉様が嫁げば良いわ!!」
※醜草とは、華との対照に使った言葉であり深い意味はありません。
※ご都合主義、あるかもしれません。
※ゆるふわ設定、お許しください。
婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。
ぽっちゃりおっさん
恋愛
公爵であるアルフォンス家一人息子ボクリアと婚約していた貴族の娘サラ。
しかし公爵から一方的に婚約破棄を告げられる。
屈辱の日々を送っていたサラは、15歳の洗礼を受ける日に【聖女】としての啓示を受けた。
【聖女】としてのスタートを切るが、幸運を祈る相手が、あの憎っくきアルフォンス家であった。
差別主義者のアルフォンス家の為には、祈る気にはなれず、サラは国を飛び出してしまう。
そこでサラが取った決断は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる