私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました

天宮有

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第24話

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ルアン視点

 元妹エルノアが婚約破棄を受けて消えてから、10日が経過していた。

 俺は城に呼び出され、怒る陛下から追及されている。

「ルアンよ……貴様は、本当に妹エルノアを始末したのだろうな!?」

「勿論です! 魔法の使えない愚昧など一太刀でした!!」

 魔法が使えないと強調することで、確実に倒したことを伝える。
 実際はエルノアは魔法を使い返り討ちに合うも、魔法を使えないと信じていない王家はこれで騙せていた。

「そうだよな……もしエルノアが魔法を使い返り討ちにしたのなら、貴様の命はないはずだ」

「っっ……」

 陛下の隣にいるドスラ第二王子が、俺に対して話す。

 命を奪おうとしたのだから、返り討ちに合ったのなら命を奪われていないとおかしい。
 ドスラはそう考えているようで安堵するも、どうして今になってその話をするのかがわからない。

「ここ数日の惨状から、結界は実在していたのかもしれない……それなら、結界を再び張るにはエルノアの存在が邪魔になる」

「はっ……?」

 そして――ドスラ王子の発言を聞いて、俺は唖然としていた。

「知らないのか? エルノアを仕留めるよう命じたのは保険でもあった……結界を再び張る為には、張った者を世界から消す必要がある」

「魔法協会に金を払えば儀式を行い、先代の結界を張った者がエルノアに結界を張る役目を渡しただろう……ただ金が欲しいだけだと思っていたが、本当に結界が存在していたのかもしれん」

 ドスラ王子と陛下の話を聞き……俺は城に呼び出された理由を把握して、恐怖から全身を震わせる。 
 
 もし生きていることが発覚すれば――ルドレスト家は破滅する。
 最悪の事態を想像している中……それ以上に最悪の出来事が、俺に待ち受けていた。
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