私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました

天宮有

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第26話

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 私が婚約破棄を受けてから1ヵ月が経過して――私とラーサーは、中位クラスになっていた。
 
 冒険者には上位と中位、下位の3ランクがあって、依頼をこなすと中位に上がれるらしい。
 最初の1ヶ月は下位ランクのようだけど、その制限が終わるとすぐに中位になり、上位もすぐと聞いていた。

 冒険者の大半が中位冒険者のようで、ランクは初心者、中級者、上級者のようものらしい。
 私とラーサーはテーブル席で中位冒険者が受ける依頼の紙を眺めていると、シロクがやって来る。

「おめでとう……下位冒険者は3年以内に中位冒険者になれるか辞めるかが基本なんだけど、1ヵ月は流石だ」

 シロクがラーサーの隣に座って話、ラーサーと私はお礼を言う。

「シロクさん、ありがとうございます」

「ありがとうございます……シロクは上位冒険者でしたよね」

「そ、そうだな……君達は依頼をかなり手早く、それも完璧にこなしているから上位冒険者もすぐなれそうだ」

 私が尋ねると、シロクは言い淀みながらも返答している。

 私達に追い抜かれてしまうと、考えたのだろうか?
 それならシロクは喜びそうな気がするけど……とにかく、私は気になっていたことを尋ねようとしていた。
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