私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました

天宮有

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第49話

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 私はシロクから、フィオナを倒すための計画を聞いていた。

「エルノアならフィオナが張ろうとしている結界を、結界で上書きできる……これはエルノアしかできないことだ」

 どうやらフィオナは、魔族やモンスターを強化する魔界の結界を張ろうとしているらしい。
 それはこの世界の結界とは真逆で――張られる前に、私が結界を張る必要があるようだ。

「城内を調査したが、玉座の部屋に魔界の結界を張る為の魔法道具があるようだ……それを破壊して、エルノアに結界を張ってもらいたい」

 結界を再び張れば、フィオナの計画は瓦解する。
 私が魔法を使えなくなるけど……その後は数ヶ月でエリオース国を解体して、結界を張らなくてもいいようにするようだ。

「エルノアとしては不本意だと思うが、世界の危機でもある……頼めないだろうか?」

 ギルドマスターのシロクが、私に頭を下げて頼む。
 私としてもフィオナの計画は阻止するべきと考えているし、魔法が使えなくなるのは数ヶ月程度だ。

「わかりました……私は再び、結界を張ります」

 そう宣言して――私達は、王都へ向かうこととなっていた。
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