7 / 8
第7話
しおりを挟む
リオク視点
セシリアに婚約を破棄すると宣言した放課後、俺はファムを屋敷に呼んでいる。
部屋で話し合うことにして、俺はファムと出会ったばかりの頃を思い出していた。
魔法学園に入学してから、俺は子爵令嬢のファムと仲良くなっている。
ファムも入学前に魔法使いの先生から教わっていたが、俺達と同じ先生だった。
その先生から、ファムは「入学したらセシリアを手本にした方がいい」と言われていたらしい。
実際は俺が命令して実力を隠していたが、それを知らないファムは自分の方が婚約者に相応しいと迫ったようだ。
ファムと俺の成績は同じぐらいで、様々な魔法道具を譲り受けている。
婚約者よりもファムを好きになり、学園では一緒にセシリアを蔑むことにした。
入学してから半年が経ち――ファムと付き合いたくなった俺は、セシリアを排除しようと目論む。
それに賛同したファムが協力してくれるも、公爵家の令息ヨハンが邪魔をするのは予想外だった。
今日はそのことでファムと話し合う必要があり、焦りながら俺は言う。
「クソッッ……まさかヨハンが邪魔してくるとは思わなかった!!」
「婚約者であるリオク様の発言で納得させるはずなのに、公爵令息のヨハン様があんなことを言えば再試験をするしかないでしょう」
「婚約を破棄すると宣言したし、手続きはできそうだが再試験が問題だ」
婚約破棄の手続きはすぐに済み、その後セシリアは再試験となるだろう。
そうなれば実力を隠す必要がなくて、いい成績を出すかもしれない。
不正をしていないことは証明できそうだから、退学にはならないだろう。
婚約者のセシリアより劣っていると思われたくなくて、退学すれば全て終わると俺は考えていた。
今日で退学になるはずのセシリアは、これからも学園生活を送るだろう。
そうなれば俺の評判が下がりそうで焦っていると、ファムは困惑しながら尋ねる。
「あの、リオク様はどうしてそこまで動揺しているのでしょうか?」
「そ、それは……元婚約者が、退学せず同じクラスにいて欲しくないからだ」
「セシリアの成績は悪く、徐々に下がっているのでこれから退学になる可能性の方が高そうです」
ファムは俺の命令を知らないから、これからセシリアは退学すると推測している。
実際は違うと思い……それが間違っているのではないかと、俺は考えるようになっていた。
「確かにそうだな。セシリアが今から再試験まで頑張ったとしても、成績はそこまで変わらないだろう」
「はい。リオク様は予想外の事態に動揺しているだけで、本来の予定通り私と婚約しましょう!」
「わかっている。セシリアのことは忘れるとしよう」
そう言いながら、俺はセシリアに出した命令を思い出す。
俺よりいい成績をとらせず、授業も遅刻や休むよう命令して従っていた。
そんな命令を聞いていたセシリアは、成績がよくなるわけがない。
命令を聞いていなくても、徐々に成績を落としていただろう。
セシリアは怠惰な生活を送っているに違いないと、俺は思い込んでいる。
今後の行動を話すと、ファムは嬉しそうに告げる。
「これでようやくリオク様の婚約者になれますね。セシシアより私の方が優秀ですし、当然のことです!」
「そうだな。セシリアよりもファムの方が優秀なのは間違いないだろう」
俺はファムの発言に賛同して、セシリアとの婚約を破棄すると決める。
この時の俺達は、セシリアの実力を侮っていた。
セシリアに婚約を破棄すると宣言した放課後、俺はファムを屋敷に呼んでいる。
部屋で話し合うことにして、俺はファムと出会ったばかりの頃を思い出していた。
魔法学園に入学してから、俺は子爵令嬢のファムと仲良くなっている。
ファムも入学前に魔法使いの先生から教わっていたが、俺達と同じ先生だった。
その先生から、ファムは「入学したらセシリアを手本にした方がいい」と言われていたらしい。
実際は俺が命令して実力を隠していたが、それを知らないファムは自分の方が婚約者に相応しいと迫ったようだ。
ファムと俺の成績は同じぐらいで、様々な魔法道具を譲り受けている。
婚約者よりもファムを好きになり、学園では一緒にセシリアを蔑むことにした。
入学してから半年が経ち――ファムと付き合いたくなった俺は、セシリアを排除しようと目論む。
それに賛同したファムが協力してくれるも、公爵家の令息ヨハンが邪魔をするのは予想外だった。
今日はそのことでファムと話し合う必要があり、焦りながら俺は言う。
「クソッッ……まさかヨハンが邪魔してくるとは思わなかった!!」
「婚約者であるリオク様の発言で納得させるはずなのに、公爵令息のヨハン様があんなことを言えば再試験をするしかないでしょう」
「婚約を破棄すると宣言したし、手続きはできそうだが再試験が問題だ」
婚約破棄の手続きはすぐに済み、その後セシリアは再試験となるだろう。
そうなれば実力を隠す必要がなくて、いい成績を出すかもしれない。
不正をしていないことは証明できそうだから、退学にはならないだろう。
婚約者のセシリアより劣っていると思われたくなくて、退学すれば全て終わると俺は考えていた。
今日で退学になるはずのセシリアは、これからも学園生活を送るだろう。
そうなれば俺の評判が下がりそうで焦っていると、ファムは困惑しながら尋ねる。
「あの、リオク様はどうしてそこまで動揺しているのでしょうか?」
「そ、それは……元婚約者が、退学せず同じクラスにいて欲しくないからだ」
「セシリアの成績は悪く、徐々に下がっているのでこれから退学になる可能性の方が高そうです」
ファムは俺の命令を知らないから、これからセシリアは退学すると推測している。
実際は違うと思い……それが間違っているのではないかと、俺は考えるようになっていた。
「確かにそうだな。セシリアが今から再試験まで頑張ったとしても、成績はそこまで変わらないだろう」
「はい。リオク様は予想外の事態に動揺しているだけで、本来の予定通り私と婚約しましょう!」
「わかっている。セシリアのことは忘れるとしよう」
そう言いながら、俺はセシリアに出した命令を思い出す。
俺よりいい成績をとらせず、授業も遅刻や休むよう命令して従っていた。
そんな命令を聞いていたセシリアは、成績がよくなるわけがない。
命令を聞いていなくても、徐々に成績を落としていただろう。
セシリアは怠惰な生活を送っているに違いないと、俺は思い込んでいる。
今後の行動を話すと、ファムは嬉しそうに告げる。
「これでようやくリオク様の婚約者になれますね。セシシアより私の方が優秀ですし、当然のことです!」
「そうだな。セシリアよりもファムの方が優秀なのは間違いないだろう」
俺はファムの発言に賛同して、セシリアとの婚約を破棄すると決める。
この時の俺達は、セシリアの実力を侮っていた。
79
あなたにおすすめの小説
ほんの少しの仕返し
turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。
アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。
アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。
皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。
ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。
もうすぐです。
さようなら、イディオン
たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。
濡れ衣を着せてきた公爵令嬢は私の婚約者が欲しかったみたいですが、その人は婚約者ではありません……
もるだ
恋愛
パトリシア公爵令嬢はみんなから慕われる人気者。その裏の顔はとんでもないものだった。ブランシュの評価を落とすために周りを巻き込み、ついには流血騒ぎに……。そんなパトリシアの目的はブランシュの婚約者だった。だが、パトリシアが想いを寄せている男はブランシュの婚約者ではなく、同姓同名の別人で──。
私は愛する人と結婚できなくなったのに、あなたが結婚できると思うの?
あんど もあ
ファンタジー
妹の画策で、第一王子との婚約を解消することになったレイア。
理由は姉への嫌がらせだとしても、妹は王子の結婚を妨害したのだ。
レイアは妹への処罰を伝える。
「あなたも婚約解消しなさい」
王家の賠償金請求
章槻雅希
恋愛
王太子イザイアの婚約者であったエルシーリアは真実の愛に出会ったという王太子に婚約解消を求められる。相手は男爵家庶子のジルダ。
解消とはいえ実質はイザイア有責の破棄に近く、きちんと慰謝料は支払うとのこと。更に王の決めた婚約者ではない女性を選ぶ以上、王太子位を返上し、王籍から抜けて平民になるという。
そこまで覚悟を決めているならエルシーリアに言えることはない。彼女は婚約解消を受け入れる。
しかし、エルシーリアは何とも言えない胸のモヤモヤを抱える。婚約解消がショックなのではない。イザイアのことは手のかかる出来の悪い弟分程度にしか思っていなかったから、失恋したわけでもない。
身勝手な婚約解消に怒る侍女と話をして、エルシーリアはそのモヤモヤの正体に気付く。そしてエルシーリアはそれを父公爵に告げるのだった。
『小説家になろう』『アルファポリス』に重複投稿、自サイトにも掲載。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる