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第3話
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屋敷を出てから一週間が経って、私はセインの屋敷に向かおうと決意する。
準備をしている最中に、気になったことがあって思わず呟く。
「セイン様と会うのはお父様の葬儀以来ですけど……私の現状を知ると、どんな反応をするのでしょうか」
マーリツ子爵家のセインは魔法道具の技術に優れていて、お父様に協力してくれた人だ。
失敗する可能性が高く、没落する可能性を危惧したエイダが失踪した程だと知っても――セインは私達に協力してくれた。
魔法道具の情熱が凄くて、人々の為に使われることが嬉しいと私は聞いたことがある。
利益だけしか判断せず、失踪したエイダとは大違いで――私は、セインに会いたくなっていた。
■◇■◇■◇■◇■
数日後――私は馬を購入することができて、マーリツ子爵家の屋敷に到着する。
私は魔法道具を直す際に様々な貴族の家を巡る必要があったから、馬にも乗ることができていた。
何度かセインの屋敷に来ている私は、すぐに中へ案内される。
応接室で待つこととなり、執事の人がセインを呼んできてくれるようだ。
広い部屋で1人になった私は、これからのことを考えて呟く。
「そういえば……聖水化の魔法道具についてエイダは何も知らないけど、どうするのでしょうか?」
水を聖水に変える程の力を持つ魔法道具だけど、欠点として偶に壊れてしまうことがある。
深く関わっていた私ならすぐに直せるから、今までは数カ月に一度ぐらいの頻度で、壊れたと連絡のあった貴族の元へ向かっていた。
恐らくこれから半年の間、幾つか聖水化の魔法道具が壊れてしまう気がするけど……そこは、我慢してもらうしかないでしょう。
聖水化の魔法道具が壊れたと連絡を受けても、ヴァンとエイダはどうすることもできない。
ヴァンはウォルク家の新しい領主だと宣言して、更に屋敷から出て行けと私に言った。
半年経てば追い出すけど、それまでの間は自称領主としてヴァン達がなんとかするべきだと思っている。
それによって私に迷惑がかかれば、エイダとヴァンの罪は更に重くなるはずだ。
これからのことを考えていると、応接室の扉が開く。
そして私は――セインと再会して、何が起きたのかを話そうとしていた。
準備をしている最中に、気になったことがあって思わず呟く。
「セイン様と会うのはお父様の葬儀以来ですけど……私の現状を知ると、どんな反応をするのでしょうか」
マーリツ子爵家のセインは魔法道具の技術に優れていて、お父様に協力してくれた人だ。
失敗する可能性が高く、没落する可能性を危惧したエイダが失踪した程だと知っても――セインは私達に協力してくれた。
魔法道具の情熱が凄くて、人々の為に使われることが嬉しいと私は聞いたことがある。
利益だけしか判断せず、失踪したエイダとは大違いで――私は、セインに会いたくなっていた。
■◇■◇■◇■◇■
数日後――私は馬を購入することができて、マーリツ子爵家の屋敷に到着する。
私は魔法道具を直す際に様々な貴族の家を巡る必要があったから、馬にも乗ることができていた。
何度かセインの屋敷に来ている私は、すぐに中へ案内される。
応接室で待つこととなり、執事の人がセインを呼んできてくれるようだ。
広い部屋で1人になった私は、これからのことを考えて呟く。
「そういえば……聖水化の魔法道具についてエイダは何も知らないけど、どうするのでしょうか?」
水を聖水に変える程の力を持つ魔法道具だけど、欠点として偶に壊れてしまうことがある。
深く関わっていた私ならすぐに直せるから、今までは数カ月に一度ぐらいの頻度で、壊れたと連絡のあった貴族の元へ向かっていた。
恐らくこれから半年の間、幾つか聖水化の魔法道具が壊れてしまう気がするけど……そこは、我慢してもらうしかないでしょう。
聖水化の魔法道具が壊れたと連絡を受けても、ヴァンとエイダはどうすることもできない。
ヴァンはウォルク家の新しい領主だと宣言して、更に屋敷から出て行けと私に言った。
半年経てば追い出すけど、それまでの間は自称領主としてヴァン達がなんとかするべきだと思っている。
それによって私に迷惑がかかれば、エイダとヴァンの罪は更に重くなるはずだ。
これからのことを考えていると、応接室の扉が開く。
そして私は――セインと再会して、何が起きたのかを話そうとしていた。
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