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第25話

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ヴァン視点

 俺とエイダは、サフィラによって屋敷から追い出されていた。

 エイダは牢屋に入れられることとなり、俺は家族に請求額の話しをする必要があった。

「あんな金額、請求されれば俺の家が終わる……その前に、サフィラを消すしかあるまい!」

 危機的状況の中で、俺はサフィラを消せば全て解決すると考えていた。

 政府の人間アウスの強さは異常だったが、いない時にサフィラを消せばいい。

 現領主のサフィラさえ仕留めてしまえば、ウォルク家の血縁はエイダだけだ。

「サフィラさえ消してしまえば……例え家族の縁を切られていたとしても、エイダがウォルク家の財産を手にするだろう!」

 請求されたら終わりだから、早急に動くしかない。

「俺の為に用意してくれた私兵が消えても、父上の更に優秀な私兵隊がいる……彼等ならサフィラを仕留めてくれるだろう!」

 この時の俺は僅かな希望を信じて、サフィラを消すために動く。
 それすら――ウォルク家の前領主が予想していたことを、俺は一切考えていなかった。
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