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第28話

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ヴァン視点

 俺達は深夜にサフィラが住む屋敷に乗り込み、音を出さず窓を破壊して侵入に成功する。

 屋敷の構造は把握していて、サフィラがいる場所も推測することができていた。

 セインはかなり強い魔法使いだと聞いているが、戦う必要はない。

 狙うのはサフィラだけだと襲撃して――数分後、俺の周りに私兵隊が倒れていた。

「なっっ――なぜ! アウスがこの屋敷にいる!?」 

 私兵隊が優秀でも、政府の人間アウスは更に強かった。

 数で襲うとしたがセインの支援もあって全員やられてしまい、俺は絶体絶命の状況になっている。

 どうしてアウスがこの場にいるのか理解できず叫ぶと、サフィラが返答した。

「お父様は、こうなることを予想していました……アウスには、協力してくれるよう頼んでいたみたいです」

「なんだと!? どこまで予想していたというのだ!?」

「それに関しては……エイダとヴァンが、予想されやすい行動しかしていないだけでしょう」

 困惑していたが、サフィラの発言に何も言えなくなってしまう。

 家を捨てたエイダは平民の生活を拒み、貴族として生きるために俺の元に来る。

 住まわせる提案として父親が亡くなった際のウォルク家領主の座を提案して、俺達は住まわせた。

 その後の出来事も――俺とエイダの性格を知っていれば、予想できることなのかもしれない。
 最後の手段が失敗したことで、俺は何もできなくなっていた。
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