私を捨てて後悔したようですけど、もうあなたと関わりません

天宮有

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第13話

ラウド視点

 俺は意識が朦朧としながらも、気を失うことはない。
 クノレラを睨み、俺は叫ぶ。

「この魔法……魅了魔法か!?」

「気付いてしまいましたか。気付いたからこそ、抵抗できているのでしょう」

 感心した様子で、クノレラが魅了魔法を使っていることを認める。
 伝説上の魔法だと思っていたが、実在していたようだ。
 なんらかの条件を満たす必要があるはずで、俺は今までのことを思い出して話す。

「クノレラが初級魔法が使えなかったのも、キャシーと似たような理由か」

「似ていると言えばそうですね。私の場合、魅了魔法の力が大きすぎたせいでもあります」

 キャシーと違い、魔法の制限が消えても魔法が使えない理由のようだ。
 俺は動くことができず、クノレラが話を続ける。

「私の魅了魔法は、強く好意を持った人にのみ使えます。私がラウド殿下の婚約者になった時、魅了できる人が増えました」

 それは王子の婚約者と、親しくなりたい者が現れたからだろう。
 それがクノレラの狙いだったようだが、なぜ俺に説明するのかが理解できない。
 困惑していると、クノレラの話が続く。

「私はこの魅了魔法を、ラウド殿下のために使うことを約束しましょう」

「……なに?」

「魅了魔法の力なら、ラウド殿下が次期国王になるのは間違いないでしょう。そして私は、王妃になれるのです」

 クノレラの提案は魅力的で――魅力的だと、意識した瞬間だった。
 俺は一気にクノレラのことが、好きだと想うようになる。

 魅了魔法の条件を説明したのは、協力関係になると話したかったから。
 そして――それが魅力的だと想わせて、再び魅了魔法の対象にするのが狙いだった。

「どうして魅了が解けたのでしょうか……キャシー様のせいなら、対処しなくてはなりません」

 キャシーを対処すると聞こえて、俺は賛同したくなる。
 そして俺は、クノレラに魅了されていた。

 今までは気の迷いで、俺は心の底からクノレラのことを愛している。
 これから俺は――クノレラの命令に従うようになっていた。

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